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【妊婦エッセイ漫画②】妊娠がわかってはじめにしたこと


 













 この世界には様々なレールが敷かれています。そのレールに乗ると目的地へ到着することは比較的容易で、先人の開拓による利権を充分享受することが出来るはずです。
 一般的な、よくある、普通、凡庸、というレール。
 このレールは比較的乗り易い筈。だって大多数の人が乗っている。乗るのに年齢・性別・容姿・体形・技能・出自などによる厳しい選別があったなら、そうそう多くの人は乗れていない筈…
 私が女としてこの日本で生まれ生きて、乗れるレールの数には限りがあることは確か。レールが少ない。選択肢が少ない。けれど乗れるレールもある。私は赤ちゃんが欲しい。この目的地に辿り着けるレール。目的地は明白。ない筈がない、ない筈が。

 私は2023年現在38歳。結婚していません。婚姻経験もありません。異性の恋人もいません。そして妊娠をしている、という事実があります。つまり私は未婚の母になる予定です。
 赤ちゃんを一人で生んで、一人で育てるつもりです。
 私はこの国にすでに敷かれているレールの、そのいずれにも乗れませんでした。いえ、乗りませんでした。分かりません。そもそも乗る気が端からなかったのかも…
 ただ私のお腹には赤ちゃんがいる。もうすぐ生まれてくる。私は目的地へ辿り着きます。あるのは不安ではなく希望です。

頂いたサポートは当然というか必然というか、すべて子供の養育費に充てますので、よろしくお願いいたします。