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【妊婦エッセイ漫画⑤】産科医の与えるもの












 私は2022年のコロナ禍に祖父母の残した家に転居したのですが、そこがなかなかの田舎でして。住んでる地域にコンビニは疎(おろ)か、スーパーさえもありません。街に出るには車で一時間。病院はその手前にあるにはあるのですが、産科がありません。
 なぜそんな田舎に住んでいるのかと問われても、そこに住みたかったからとしか答えようがありませんが、いざ妊娠したら医療過疎地問題は深刻でした。
 それで町から一番近い産科への経路など調べてみたのですが、経路・診療時間などと共に表示された評判、その評判の悪いこと…。星は3つですが、1と2の星たちを庇うように星5でフォローのコメント。低評価の内容は受付で看護師さん、スタッフの皆さんがぺちゃくちゃお喋り、井戸端会議みたい。騒がしい中で生理周期と最終生理日など聞かれて配慮などとは無縁。男性医師も無口でこちらから質問しない限り何も話してくれず不安が残るばかり…いえいえそんな悪いトコじゃないですよ、寡黙な先生ですが、経験は長いですし、スタッフの方も上の子ちゃんを診察時見ててくれたりアットホームで、賑やかな砕けた雰囲気というのも地方の診療所にはよくあることかと―――。
 なるほど…。
 ご近所の先輩ママさん達にも聞き込みをしてみました。私は気にならなかったけどなあ、まあ二人目だったしな。あーあそこね、私は合わなかったから転院したよ、バス停からも歩くしね。うーん、私は里帰り出産前提だったからなあ、別に今だけだしと思って、なんせあそこしかないし。
 書き込みの裏打ちのような回答の数々。
 いやいや、街までどの道出るんだから、病院は一軒だけじゃない筈。それで次に近かった駅前のクリニックに行くことにしました。とはいえ車で一時間半。通勤ラッシュに掛かると二時間近く取られますが。
 結果こちらの産院にして良かったと、それも初診の時点で思うことになるのですが、大変残念なことにここでは出産までの面倒は見てくれず…妊娠九か月目に入る九月には転院が決まっています。
 赤ちゃんが生まれたら是非先生に抱っこして欲しいと思うのですが、どうなるでしょうか。
 とにもかくにも、院長先生、看護師さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。

頂いたサポートは当然というか必然というか、すべて子供の養育費に充てますので、よろしくお願いいたします。