〈まっ白〉の感覚
すべては光を浴びてまっ白だったから、これくらいなら黒であっても構わないほどだった。
(ル・クレジオ「調書」/豊崎光一訳 新潮社)
わからないようで、わかる。わかりすぎても大丈夫なのか、少しためらう。
しかし、忘れられない一文。
ズラタン・イブラヒモビッチが放つアクロバティックなトラップから反転してのボレーシュートを見て興奮し、同時にそういったプレイを自分自身もやりたいという願望を抱くように、閃光を発するような眩い一文を読みたい気持ちと書きたい気持ちの両方が、ここにあるのです。
感覚を研ぎ澄まし、光の三原色を説明する図の中心にある〈まっ白〉な領域へ。