剣「聖」
朴路美さん演出・プロデュース
山路和弘さん
牧島輝さん出演の
「剣聖」
を映像で目撃しました。(今後ネタバレあるよ。)
これは、会場で見たことがある人の衝撃を、私が後から得ることは困難でしょう。
その場の空気に触れることが、何よりの感激でしょう。
私が宮本武蔵について知っていることは、「剣に秀でた人」ということだけでした。
たまたまエーステでモチーフの作品を見たばかりだったので、
死に場所を探している、という表現が頭にあるまま見ていました。
長い感想は書けません。内容はシンプルで、作品紹介で書かれていることが全て。
文字で書かれた通りのことが、目の前で見た人だけにしか分からない、素晴らしい表現でそこにあるような感じ。
牧島輝さんはこんなお芝居をするのだなあ。と感動しました。この人のお芝居を、2.5次元舞台以外で見たのは映像で二回目くらいだけれど、その時よりも更に磨かれたものだったなあと偉そうに思いました。知る役者の中でも、魅力的に感じている方だったのですが、改めて素敵な役者だなあ。山路さんは初めましてだったのですが、お人柄も経験も全てお芝居にのっているような気がしました。
死ぬ間際の武蔵の言葉が印象的だったなあ。
死場所を探すように生きていたはずの武蔵が、
死にたくない、離れたくない、とこぼし続ける場面。この人は一生をかけて、この気持ちを手に入れたのだ。
あの最後の二人の場面を、演じていると言っていいものかもはや分からない。あの時こぼした武蔵の言葉や受け取った時の伊織の顔が、交わした心が演技であるなんて。真実であったと信じてやみません。
そして、剣を極めたが故に、才に恵まれ続けた武蔵。
武蔵によって認められた伊織の文の才。
これによって、私たちの生きる現在まで宮本武蔵の名前が残っている。
これをあの空間で、目の前で目にし、受け取った人たちに、心から羨望の目を向けます。
映像を貸してくれてありがとうお友達!