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「妻の酷評 その2」。

 飲食物に関しては、妻の味覚を信用している。
 その上、正直なので、その評価も信頼ができる。 
 さらには、あまりネガティブなことも言わないので、たまに「うっ」という顔をするときは、本当に相性が良くないんだなと、素直に思える。

 最近では、さつまいも&ミルクという飲料に対して、珍しく「妻の酷評」があったので、記録させてもらった。


スーパー

 この半年くらいは、いろいろなものが値上がりした。

 収入が増えるあてもなく、以前よりは少なくなったとはいえ、コロナの感染状況もまだ終息しているわけではないので、感染に気をつける生活は続いているから、年齢を重ねるほど仕事そのものが少なくなる上に、収入抑制が続きそうで、だから、値上がりは気持ちにも応える。

 いつもスーパーに行く時に、飲料の棚に行くのだけど、以前は60円台もあったのに、今は70円台が最安値になり、それも少なくなってきたので、買うときにためらうようになった。
 その気持ちの萎縮自体が、ちょっと嫌にもなるが、できる限り節約はしないと、と思いすぎると、やっぱりちょっと息苦しいような思いにもなる。

 それでも、いろいろ考えて、安い時に、何本か飲み物を買ったり、以前と比べると衝動性は減ったものの、珍しいと思った飲み物を買う習慣は続いている。

 もちろん基本的には「おいしそう」と思うものを購入しているのだけど、もしかしたら---というリスクはありながらも、試してみたくなることもあって、その場合は、今でも「サンガリア」の商品が多い。

練乳&ミルク

 練乳をベースにした商品↑があって、それが、昔の「練乳への憧れ」もあって購入して、おいしかった記憶がある。一度は売り切れ、好評につき再登場、といったポップにも惑わされ、再び買ったこともあったのだけど、それも少し前のことになった。

 だからかもしれないけれど、スーパーで「練乳&ミルク」という商品名を見たときは、その記憶もあったし、そのときの好評は本当だったから、違うメーカーもn乗ってきたのだろう、と思って、買った。

「とろけるおいしさ」シリーズは濃厚な甘さで、ほっと一息つきたい時にぴったりなスイーツドリンクとしてご好評いただいております。このたび、やみつきになる練乳本来のおいしさを存分にお楽しみいただける「とろけるおいしさ練乳&ミルク」を期間限定で発売いたします。

(「サンガリア」より)

 サンガリアの商品だった。

妻の酷評

 個人的には、サンガリアを応援している。

 それは、チャレンジする気持ちのようなものを感じることがあって、おいしい、だけではなく、目新しさや、新鮮さや、時には、どうやって会議を通ったのだろうと思うことまであったけれど、日常で、そんなふうに考えさせてくれること自体に、どこか感謝する思いもある。

 それに安くなっていることも少なくないので、さらにありがたい。

 妻の感想。

 マグカップに注いだけれど、最初から警戒心が強めだった。

「これ、卵の黄身に水を入れて混ぜた色だね-----」

一口飲んだら、すごく顔をしかめて、あまり見たことのない表情になった。

それでも、もう少し飲んでから、感想を聞いた。

「香りどおりの味、っていうか-----」

 やや苦しげに言葉をつなぐ。

「--この香りは、子どもの頃、カールちゃんって、人形。その人形で遊んだときに、あの甘ったるい人形の匂い。----を思い出した」

 飲むのが止まる。

「---もう、だめ。思い出とともに、蘇って、今は飲めない」

 妻にとっては脱脂粉乳が苦手で、かなり微量でも「これ入ってない?」とわかるので、今回も、この飲料の成分に脱脂粉乳が入っていたから、そのせいもあるのかと思った。

 だけど、このドリンクにそれは感じなかったようで、それよりも、その香りが、あんまり良くない思い出とともに蘇り、余計にまずく感じさせたようだった。

 なんだか申し訳なかったのだけど、協力してもらって、感想まで言ってもらって、ありがたかった。

 妻にはその後、コーヒーを用意した。

容赦ない甘さ

 私も飲んだ。

 昔のミルクセーキを思い出したけど、私にとっては、まずくはなかった。

 ただ、同じ練乳とミルクをテーマにしたこのドリンク↑と比べると、圧倒的に甘かった。このカルピスと練乳のときは、おいしかったけれど、あの練乳の粘り気のようなものがちょっと足りなくて、それが上品で飲み飽きない感じがしたのだけど、今回のサンガリア製のものは、確かに違っていた。

 容赦なく甘い。

 それは、甘すぎなくておいしい、とよく考えたら不思議な表現がほめ言葉になっている現代の中では、異質なくらいの甘さで、インスタントコーヒーをよく飲んでいて、そのときにはチョコレートなど甘いものなどと一緒に食べたくなるのだけど、そんな私でも、この「練乳&ミルク」を飲んだあとは、しばらく甘いものを欲しなかった。

 これだけの甘さと、濃厚さのために、ある種の重さを感じさせる飲み物は珍しく、これは甘いもの好きな人や、かなり疲れているときに飲んだら、かなり「効く」のではないかとも思ったし、この強い甘さが、確かに練乳を思い出させてくれた。

 だから、もし、スーパーの棚で、このドリンクを見つけたら、それでまた安くなっていたら、カゴに入れてしまうかもしれない。

 ただ、もう妻には当然ながら、すすめないと思う。







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おちまこと
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