ゲーム開発よもやま話 D社のちょっと変わったルール
昔々、世界で一番有名なネズミを擁するD社と仕事をした時の話です。
海外の会社だからなのか、元がアニメ会社だからなのか分かりませんが、ちょっと変わったルールがいくつかあったので書いてみたいと思います。
打ち合わせはタダじゃない
ゲームでも何でも基本的に打ち合わせってありますよね。D社は打ち合わせから独自ルールを提唱するんですが、なんと有料なんです!
1時間数千円だったか1時間を超えると有料だったのか忘れましたが、無駄話をすると延長料金を払う事になるので、挨拶程度の軽い時事ネタからすぐ仕事の話に入り、終わったら、ハイサヨナラって感じでそっけなかったです。
日本人は時間を守らない(特に終わりの時間)と言われてますので、この形の方が良いのかもしれませんが、この有料会議システムはD社以外には聞いた事がありません。
画像修正指示は紙に描く
他社様のキャラクターを使わせて頂く時は、版元チェックと言うのが必須です。
通常だと画像のデータを送り、メール等で修正ポイントの指示をテキストで頂くのですが、D社の場合は最初に画像を印刷し、FAX等で送ります。
そこからのチェックがどうなるかと言うと、D社のデザイナーが赤ペンで修正ラインを記載されるので、それに沿って修正する流れでした。
電子玩具だと大きくても128x128ドットくらいでキャラを描くのですが、「このキャラの曲線はこう」って感じで解像度無視で滑らか修正ラインが入るんですよね。
「これはドットで描けないんだけどな…」と思いつつ、頑張ってドットを修正していました。
異なる作品のキャラクターを同じ画面上に表示するのはダメ
例えばスパ〇ボのようなゲームで、ガ〇ダムとゲッ〇ーを同じ画面内に表示してはダメって事です。
これ作り手としては結構キツいですよね、同じ画面に表示させる事がIPコラボの醍醐味の一つだと思うのですが…
どう対応したのかあまり覚えていないのですが、セリフを喋るたびに画面を切り替えていたような気がします。
ノベルゲーとかで2人が会話する場面を例にすると、2人を同時に表示するのはできないので、Aが喋る時はAだけ表示してBが喋る時はBだけ表示って感じですね。
まぁ、これは昔の話で、近年このルールに沿っていないものが見かけられるので、最近は廃止されているのかもしれません。
建物に直線を使用するのはダメ
建物を描く際には少し曲線を使って描いてね、と言う事です。
D社のアニメとか某テーマパークの建物を見ると分かるのですが、ちょっとパースを付けていたり、わざと傾けて曲線を使ってるんですよね。
確かに直線を使わない事を意識すると、絵に温かみと言うか落ち着く感じがします。
ドット絵にしろポリゴンにしろ、直線を多用すると楽だし効率的なんですが、そこの手間を惜しんでは良い物は作れないと学ばせて頂きました。
尖った物は危険なのでダメ
例えば槍兵を出したい時、槍の先って尖らせますよね。
敵を突き刺す物なので当たり前だと思うのですが、「尖っている物は危険なので丸みをつけてください」との指示が来ます。
前述の直線禁止同様に、画面内に曲線が増えると良い感じに修正されます。
昔の話ですが印象的だったのはこんな感じでしょうか。今はネットがあるし、だいぶ変わっているとは思います。
他にもD社ルール知ってるよ!って方はコメント頂けると嬉しいです。