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【Interview #023】「事業を通して社会にインパクトを与えたい」。3SunnyのCOOが目指すビジョン・ミッションファーストな組織とは

3Sunnyの共同創業者であるCOOの榎本さん。リクルート、スタートアップ企業と転職し、なぜ3Sunnyの起業に至ったのか。創業時のエピソードやカルチャーに対する想い、榎本さんが目指す組織などお話を伺いました。


家族の介護がきっかけで知った医療・介護業界の負

━━━━━3Sunny創業に至るまでの榎本さんのご経歴を教えてください。

株式会社リクルートでリクナビNEXTやリクルートエージェントなど、中途採用領域の事業に携わりました。最初は営業企画・事業企画として営業メンバーのパフォーマンスを上げる施策の企画や事業部のKPIモニタリングなどの仕事に携わり、短い期間でしたが異動して営業の仕事も経験させてもらいました。

リクルートは、事業を通して社会にインパクトを与えるんだというマインドを持たせてくれ、私のビジネスアイデンティティを作ってくれた会社です。特に私が所属していた中途採用領域は、人の一生を決めるきっかけを提供する仕事。だからこそ、自分自身がどういう思想で働くのかは常に考えていました。また、組織としても「仕事は社会に何らかのインパクトをもたらすものでなくてはならない」という風土であり、それは自分が仕事をする上での土台にもなっていますね。

その後、スタートアップ企業に転職することになるのですが、最初はリクルートを離れる強い気持ちはありませんでした。当時「カジュアル面談」という概念が出始めており、軽い気持ちでwebサイトを見ていたら面白そうなスタートアップ企業をいくつか見つけたんです。カジュアルに話ができるならと、実際に面談をしていました。いくつかの企業と話していくうちに、スタートアップで働くのも楽しそうだなと感じ選考を受けてみることに。そして、オファーをもらった会社の中でも、社員が10名に満たないAI関連のスタートアップ企業に転職することにしました。その会社ではビジネス側の1号社員だったので、営業や事業開発、広報などプロダクト開発以外はなんでも経験してきましたね。

━━━━━その後、創業メンバーの一人として3Sunnyを起業されたきっかけは何だったのでしょうか?

3Sunnyの共同創業者である志水とはリクルートの同期で、一緒に仕事をする機会はなかったのですが、入社式で出会ってから定期的に情報交換をしていました。その間、私の家族が介護を必要とする状況になり、仕事をしながら家族のサポートを行っていました。サポートをする中で医療・介護従事者の方々とコミュニケーションを取ることが多かったのですが、連絡手段のほとんどが電話だったんです。FAXも日常的に使用されており、そのときに初めて医療・介護業界がアナログな業務環境であることを知りました。

あるとき、志水に「医療・介護領域で事業が作れないだろうか」という会話をしたところ、志水もちょうど現CTOの矢澤とともに医療・介護領域で起業しようとしていたタイミングで。それなら一緒に起業しないかと、誘ってもらったのがきっかけです。

いくつものプロダクトを作っては潰しを繰り返し、たどり着いた「CAREBOOK」

━━━━━3Sunny創業時のエピソードを教えてください。

創業初期は、大塚の築40年の古い1LDKマンションをオフィスにしていました。当時、私がそのマンションに住み、リビングに集まってみんなで四六時中仕事をするといったことを1年半ほど続けていました。

その頃は、求められるプロダクトを作ることがとても難しかったですね。医療・介護業界をよく知らない3人で起業したので、そもそも市場がどうなってるのか、どういうビジネスモデルであれば成功できるのか、すべてが手探りでした。プロダクトを作っては潰して、作っては潰して…という期間が続いていた頃は、精神的にもしんどかったです。

その間は、私がコンサルティング、矢澤が受託開発で会社のキャッシュを稼ぎながらプロダクトを考えていたのですが、いつになったら求められるプロダクトを生み出せるのだろうか、といった焦燥感に駆られながら仕事をしていました。

━━━━━市場に刺さるプロダクトが見出せない時期が続く中、今のCAREBOOKの構想にたどり着いたのはいつだったのでしょうか?

もともと起業当初から、業界のネットワークとインサイトを獲得するため、訪問看護専門のオウンドメディアを作ったんです。訪問看護というニッチな領域だったので、その頃は競合メディアがまだ少なく、10万PVを獲得するメディアに成長していきました。訪問看護師の方へインタビューを行っていく中で、今後は在宅療養へのシフトがさらに求められていくし、社員1号の方が元看護師だったということもあり、実際に訪問看護ステーションを運営するのはどうだろうかと設立の検討をしていきました。

その後、営業活動の一環で急性期病院の退院支援部門への訪問を繰り返していると、「どこにどんな訪問看護ステーションがあるのかわからない」「探すのが大変で困っている」という声を多くの病院で耳にしました。実際にどうやって探しているのかと聞いたところ、ベテランの方に聞くか、紙媒体で探している、と。しかも連絡手段は電話が中心であるため、繋がらなかったり折り返しが多かったりすることがわかり、聞けば聞くほど課題がある領域だと感じました。

この話を聞いて、まずは医療機関を検索するプロダクトを作ることにしました。どこにどういった医療機関があるかを簡単に探すことができる、医療機関に特化したGoogleMapのようなものです。無料で病院に使ってもらったところ、「これは便利だね」ととてもよい反応をいただいたんです。「いける!」と確信を持てたのはこの頃ですね。

そして、退院支援部門の業務支援をさらに担えるような機能を開発していこうと、当時ご縁のあった大学病院にCTOの矢澤と元看護師の社員が常駐させていただき、現場の声を拾いながらプロダクトを作り上げていきました。こうして生まれたのが、現在の「CAREBOOK」です。

創業時から変わらない3Sunnyのカルチャー

━━━━━榎本さんの現在の役割について教えてください。

現在はコーポレート領域の責任者として、人事採用・労務・経理・広報メンバーのマネジメント、そして経営管理等に携わっています。今注力していることとしては、次世代のリーダー育成です。若手リーダーやマネージャーをどう育てていくのか、社内でどのようなサポートが必要なのか、どういった研修を取り入れていくべきなのかなど、若手メンバーにも今後マネジメント業務を担ってもらうため、準備をしているところです。

━━━━━3Sunnyには「家族優先で」というカルチャーが根付いていますよね。

起業した当時から、志水と矢澤にはお子さんがいました。だから、家族を第一に考えるというのは当然という認識が当初からありましたし、仕事を言い訳に家族との時間を犠牲にしてほしくないと思っていました。また、リクルートで働いていたときに、お子さんがいて家族を大事にしながらも高いパフォーマンスを叩き出している方々を多く見てきました。そのときから、労働時間とパフォーマンスはイコールではないと感じていて、自分たちが作る会社もそういうカルチャーにしていきたいと思っていたんです。

━━━━━3Sunnyが創業されて2024年で8年になります。創業時と現在を比べて変わったこと、変わらないことはありますか?

変わらないのは、3Sunnyのカルチャーですね。先ほども触れた「家族優先」のカルチャーだけではなく、「巻き込み、支え合う」や「圧倒的現場主義」、「未来の期待から逆算する」といった3Sunnyのスピリットもカルチャーとして深く根付いていると感じています。

特に2022年に帝人の子会社になったときは、メンバーから「今までのカルチャーが変わってしまうのではないか」という心配の声が寄せられました。だからこそ子会社化の際には、今までの3Sunnyカルチャーを守らせてほしいという交渉をしてきたんです。結果として、創業時から変わらない3Sunnyらしさを今でも維持することができています。

🌟3Sunnyの社風についてはこちらもご覧ください!

反対に変わったこととしては、全体的なコミュニケーション量ですね。メンバーが増えて組織化してきたからこそ、Oneカンパニーとしてコミュニケーションする機会が減ってきてしまっています。今後は、社内コミュニケーションの促進などに関しても投資していく必要があります。創業期から変わらないカルチャーを維持しながらどれだけ組織を大きくしていけるのか、これからの課題です。

━━━━━榎本さんが目指しているのは、どのような組織ですか?

3Sunnyのビジョン・ミッションに共感し、それを実現させたいと思ってくれる仲間が集まる組織です。私たちは創業時からビジョン・ミッションファーストで採用活動を行っており、今でもその採用方針を変えていません。なぜなら、入社理由が「伸びているサービスだから」「大手企業の子会社で安定してそうだから」などといった理由では、実際に現場で課題を感じている方々と同じ熱量を持って解決することができないと思っているからです。

3Sunnyの理念マップ

もちろん、現時点で医療・介護業界に思い入れがある方ばかりではないと思います。ですが、仕事をする情熱のベクトルが「困っている誰かを助けたい」「社会課題を解決したい・貢献したい」という方であれば、医療・介護に関するバックグラウンドがなくても一緒に業界の大きな課題を解決していけると確信しています。

この軸をぶらすことなく仲間集めができれば、事業としても組織としてもさらに成長し続けることができると信じています。

(終)

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