無線アドホックネットワーク
概要
アドホックネットワークとは、専用の基地局を用いず、端末装置自体が持つ中継機能を利用することにより、一次的に相互接続される端末群で構成されるネットワークのことである。
マルチホップ通信
アドホックネットワークでは、多数の端末同士を基地局の介在なしに接続する「マルチホップ通信」の技術を用いている。マルチホップ通信は、基地局がなくても、他の端末を中継しながら通信エリアを拡大できるというメリットを持つ。
通常のネットワークでは、固定的に設置される基地局が中継機能を持ち、各端末を結びつけている。このため、一定の基地局インフラの設置が必須となる。これに対し、アドホックネットワークでは基地局インフラの整備が不要であるため、基地局のない地域で安価なネットワークの利用が可能になる。
技術的な課題
アドホックネットワークに関する技術的な課題としては、マルチホップ通信方式については動的に変化する中で通信経路をどのように決定するのかが問題となる。また無線接続については、周波数帯域の割り当てと出力の大きさの設定をどうすべきかといった問題がある。
利用分野
基地局インフラを必要としないなどの特徴から地震などの災害時の連絡、モバイルへの適用性から車両間のような移動体同士の接続などが考えられている。
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