今更すぎる何者かの話 5

今更すぎる人に会った。
どんな人だろうっていう気持ちで会いに行ったからイメージと違ったとか良い人だったとかいう感想はない。
結局、半年間なんとなくつながりのある人でしかないからだろうか。
もともとこういう人なのかな？みたいなことを勝手に作り上げることがあまりないので今更の人に対しても会ったところでそういうギャップを感じるなんてことはなった。
かといってどんな人だったみたいなのも苦手というかうまく表現できない。
個人的なことを聞くのが苦手なので見てることしかできない、聞けないから徐々に知っていくことしかできない。

だから“今日はどーでした？”という質問にはうまく答えられなかった。
だって正直な所、よく知らない人と一緒に食事をしただけだし。
どんな答えが欲しくて聞いてきたんだろうか。きっと具体的な何かがあって聞いてきたわけではないんだろうけど困るよ。
(香水が)いい匂いの人だった。五感に訴えるとか印象に残ります。
一度会っただけの人に対してどんな人だったとか感想は言えないし、テーブルを挟んで対面で食事はとても居心地が悪いと感じてしまう。
なのでろくな感想は出てこない。
食事をしていた時間よりもお店との往復の方がいい時間だったな。
動いてるから緊張がほぐれるというか隣にいて顔を見なくていいから変に緊張しないというか、そういうのもあって歩いてた時間がよかったというおかしな感想しか出てこない。なんてだめな人間なんだ、自分。

なんか悲しくなってきた、泣きそうだ。

そう思うくらいには今更な人の存在感は私の中で増しているけれど、今回で最終回になりそうな気がする。
どうやら“どーでした？”の返答がお気に召さなかった感がある。

さようならなのだろうか？
別れ際に手を振ってくれたのは嬉しかったけどそういうことを伝えればよかったの？それがその日一緒に過ごした時間の中でいちばん嬉しかったことなんだけどな。もし伝える機会があれば言ってみよう。
でもどーだった？の質問の答えにそんなことは求めてない気もするけど。
そういうところがなー、自分。

この流れは今回こそ最終回を迎えそうな予感しかしない。
せっかく私の中で今更な人の存在感が出てきたところなのに残念だ。
忙しそうな人っぽいし返信は来ないと思っておこう。

嬉しかったこと伝えたいな。