巧遅より拙速。でもその前に。no.538
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巧遅より拙速と言うのは、
ある意味正しいし、
私もまずやってみようことは賛成なんです。
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でも、今から踏み出していこうとする世界に、
既に定石や理論のようなものがあるのなら、
それは先に学んでおくべきだと思う。
この世の中は、
日々多くの人が
それぞれの世界のフロンティアを開拓し、
知見が増えている。
一方で、
私たち自身の時間には限りがある。
そんな中で、
すでに明らかになっていることを、
改めて見つける『車輪の再発明』は、
避けられるなら避けたほうが良いと思うのです。
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例えば何かスポーツをやるにしても、
いきなり我流で始めて試行錯誤を繰り返すだけでは、
一流の動きに近づくことができない。
やはり最初に、すでに明らかにされている
現時点で最善と思われるやり方を知ったうえで
次に、そこを目指して動き出す。
そして失敗を重ね、試行錯誤を繰り返し、
修正をしながら徐々に上達する。
この試行錯誤の段階で、
ようやく『拙速』が生きてくるんだと思う。
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何も正しい方向性を知らずに、
我流でやったところで、
上達の速度はとても遅い。
中には持ち前の運動神経と呼ばれるものであったり、
体幹だったり、バランス感覚だったり、筋力だったりで
うまく習得してしまう人もいる。
でもきっとその先の上達で苦労するだろうし、
どこかで頭ちが来るのだと思う。
(車輪の再発明などしなくてよいと書いたけど、
再発明にさえ至らないことがほとんどなんじゃないかなと)
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だから巧遅よりも拙速であれと言うのは本当だけど、
その手前にやっぱり最低限のしかるべき学習は必要なんだと思う。
限られた時間で、成果を出すのなら、
すぐ走り出すのではなく、
きちんと地図を見て、方向性をざっくり定めてから歩き出す。
そのほうが結果的には、早くゴールに辿り着けるはず。
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「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と
ドイツのビスマルクも言っているとおり、
歴史に学び、巨人の肩に乗り、
先を見通しながら、磐石に進んでまいりましょう。
(もちろん、進む過程では拙速な動きを忘れずに)
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