07 コーチングビジネスの商品化。強みを探すと失敗する!?
《このシリーズは、プロコーチを目指す友人の相談を受けて、マーケティングの仕事をしているボクが、ビジネスの組み立て方を書いています。》
コーチングビジネスで思い描くビジネスを組み立てるときにまず必要なのは、”商品”です。
製品ではありません。商品です。製品と商品の違いは、こちらで説明しています。
改めて考えてみると、ビジョンやミッションを実現するためにビジネスがあり、ビジネスとは困り事や欲求を解決すること(=人助けや支援)であり、それを解決するものが商品(サービスと呼ぶときもあるけど、ボクは商品としています。)というわけで、商品がなければビジネスは始まりません。
で、その商品をつくるときに「自分の強みを探して、独自の商品をつくろう!」と考える人が多いようですし、そうしたアドバイスをするコンサルタントもいます。
とても耳障りが良く、「うん、そうだよね」と思うかもしれません。
けど、個人的には、それはやめた方がいいと思います。
「え?強みを活かすことが大事でしょ?」と思うかもしれませんが、スモールビジネスでは、実は”強み”を探すことは意味がありません。
なぜだと思いますか?
強みは、探すものではなく、つくるものだからです。
そもそも”強み”とは何でしょう?
例えば、就職活動。
就職活動の面接で「あなたの強みは何ですか?」と聞かれることがあったかもしれません。
ボクも採用に関わることがあるので、そうした定番の質問をするときもあります。
そんなときに、「主体性があります!」「協調性があります!」「資格を持っています!」「サッカー部で主将をしていました!」というようなことを”強み”として答えますよね。
その企業に就職するために、「他の人よりも自分のほうが優れているぜ!だから、採用してね!」ということで、自分の”強み”として伝えるわけです。
つまり、”強み”は「目的を達成するために、優位なこと」と言えそうです。
コーチングビジネスでもそうした”強み”を持っていることは素晴らしいですし、有利に働くかもしれません。
しかし、言い方は悪いかもしれませんが、ぶっちゃけ、相手からしたらあなたの”強み”とかはどうでもいいんです。
重要なのは、「お客さん自身の困り事を解決できるかどうか?」なんです。
自分の強みとして、「主体性のあるコーチングができます!」「協調性のあるコーチングができます!」と言われても
お客さんからしてみたら、「・・・で?」となります。
だって、お客さんからしたら、あなたの”強み”なんてどうでもよくて、自分の困り事を解決できるか否かが重要ですよね。
ここで気が付くと思いますが、
実は、自分で探した”強み”は、ただの特徴です。
特徴は、”強み”ではありません。
その特徴を、ターゲットとする相手の困り事を解決するのに役立つものに加工して、希少性の高いものにすることで”強み”となるわけです。
なので、”強み”は探すものではなく、相手の困り事を解決するために、自分の特徴を編集・加工してつくるものなんです。
ビジネスをしたことがない、商品もない、ターゲットするお客様も決まっていないのに、最初から”強み”を一生懸命探しても見つからないですし、独自性のある商品なんてつくれません。
自分の”強み”を探してから商品をつくるのではなく、商品をつくるプロセスで”強み”をつくり、結果的に独自性のある商品になるということです。
商品をつくるプロセスで、困り事を解決するために、自分の特徴をどうやって加工すれば価値が提供できるのかをカタチにして、はじめて”強み”がつくられたことになります。
では、どうやってコーチングの商品をつくって、その商品に強みを持たせればいいのでしょうか?
次回に続きます。
《まとめ》
・”強み”は探すものではなく、つくるもの。
・自分の特徴を”強み”に加工する
・”強み”に加工するためには、まず商品が必要
・その商品には「誰のどんな困り事を解決するか」が必要
・商品をブラッシュアップする過程で”強み”がつくられる
・その”強み”が結果的に、優位性や独自性になる