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【58歳でFIREする100日前】-60days

面白い実験をやってみましょう。2人で組んで,相手にあなたの肩越しに鏡を持たせて,あなたの眼の動きを追ってもらいます。まず,部屋を左から右へ見て下さい。その時できるだけ眼をなめらかにゆっくりと動かします。次に、同じ距離の所を,誰かに左から右へ歩いてもらい,眼で追いかけます。鏡を見ている人に聞いてごらんなさい。眼だけを動かす時にはがくがくと動いたけれど,人の動きを追った時には眼はなめらかに動いたと答える
でしょう。
絵そのものは動いていないので,絵画を見る時の眼は,“固定点"をジャンプしながら動くようになりますこのことを意識していれば,鑑賞者の眼を絵全体に行き渡らせるようにしむけることができます。固定点は絵の特定の構成部分であることもあり,絵の中の線に沿って点在することもあります。眼は絵の中の線を追って動きますが、がくがくと断続的に移動します。これは細密画を見る場合でも同じですが、実物大の絵になると,眼の動きのぎこちなさはもっとはっきりします。

『By Jack Hamm 風景画の描き方』ジャック・ハム:建帛社

人は視界に見える物全てを注視することはできない、視野の中心部しか意識できないので、高速で目玉を動かしてサーチライトのようにスキャンしているのだ。サッケード運動という。この本を読んで、優れた絵にはこの視線を動かす道筋を誘導するような仕掛けがあるのだと知った。静止した絵を見ているはずなのだが、実は場所から順番に一筆書きのように視点を移動していくようにうまく設計されているのだという。また、横書きの文章を読む際には視線は左から右、また左に戻って少し下からまた右、というようにZ字状に素早く目を動かしている。したがってまず左上の方から最初に見ることに慣れているような気がする。

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