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【58歳でFIREする100日前】-93days

一九世紀に産業革命で巨大な都市プロレタリアートが誕生した。そして、社会主義が広まったのは、この新しい労働者階級の、前例のない欲求と希望と恐れに、他のどんな教義も応えられなかったからだ。最終的に自由主義が社会主義を打ち負かせたのは、社会主義の網領から最良の部分を採用したからにすぎない。二一世紀には、私たちは新しい巨大な非労働者階級の誕生を目の当たりにするかもしれない。

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之・訳:河出書房新社

FIREというのは経済的独立と早期退職という意味だが、平たくいえば「もう働かない」ということだ。高齢者でもないのに労働しないというのは、なんとなく罪悪感があった。労働は国民の三大義務、と小学校で習ったものだ。
「働かざる者食うべからず」なんて言葉もある。
これ、調べたら大元はキリスト教の聖書の言葉で、さらにこれをソ連の憲法が言及したものだった。で、戦後に日本国憲法を作る際に、日本社会党のマルクス主義の学者がソ連にならって提案して盛り込まれたらしい。そうだったのかー。

日本では不労所得生活者に罰則はないのだ。納税は年金生活者だって義務だ。まして不労所得でも所得があれば必ず所得税を納税する。だからなんにも罪悪感を感じる筋合いはない。

それどころか、労働者階級という存在が、たかが産業革命以降の200年程度の歴史しかない社会構造だと知った。ならば、労働せずに所得を得るという生き方はこれからもっと普及していくだろう。全人類が王侯貴族のようになるんだろう。すると食糧生産や教育や医療や介護は、全部AIとかロボットとかがやってくれる時代が来る。というか、是非そういう方向に技術革新していってほしい。絵を描いたり歌を作ったりという創作活動はAIにやらせなくていいから。

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