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【58歳でFIREする100日前】-68days

ネオリベラルの政策はいたるところに競争環境を人為的に構築し、その競争を保証するよう作動します。
(中略)
民間企業はもちろん、大学であれ、行政組織であれ、競争力をつけよということがつねに喧伝され、組織としても個人としても競争にさらされることが健全化を促すとみなされます。ところが、それによって、わたしたちは日々、評価にさらされ、監視され、そればかりでなく、業績報告、自己評価、点検といったかたちでみずからその評価過程に参加させられ、ペーパーワークのはてしない増大に対応をせまられています。

『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるのか』酒井隆史:講談社現代新書

資本主義、特に18世紀の産業革命以降の展開と労働者の規律といった契機が絡み合って、経営者が労働者を「合理的」に「管理」する社会になっていった。20世紀になり工業が発達し、労働組合の組織化が上昇して、とにかくなんでもいいから仕事をつくれ、という雇用創出の圧力のもとで作られる仕事がとくに増殖してきた。そうすると本当は不必要あるいは有害な仕事が増え、しかしそう感じても本心を偽り、とりつくろって正当化しなければならない。こういう流れでブルシット・ジョブは蔓延したという考察が書かれていた。

「ネオリベラリズム」というイデオロギーがよくわからないので、この先の展開は咀嚼できていない。この著者の説明だと、

お役所仕事は不効率であってすぐにばらまきに走って赤字を生む。それを「民間」に任せればうまくいく。「民間」は市場原理によって動いており、ムダや不効率は削減されるからだ、といった大筋ではそんな発想です。

『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるのか』酒井隆史:講談社現代新書

ということだ。民営化や規制緩和は「フェアで良いこと」だと思ってたし、そういう道を来た。でももしかすると完璧ではなかったようだ。20世紀の資本主義よりもっと良いシステムがあるんじゃないかという気がしてきた。というか、頭のいい学者がすでに考えたり、先見の明のある思想家が運動を起こしてたりするんじゃないかと思う。
『人新世の「資本論」』の斎藤幸平の出てる動画が最近おもしろかった。

私、別にわがままで仕事から逃げ出そうとしていたわけではなく、評価・管理されるシステムに潜む欠陥の匂いを感じ取った結果、労働者からの脱出を決意したんだな。

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