【エルデンリングDLC考察①】「影の地・角人・影の地の女王マリカ」について
エルデンリング本編及びDLCのネタバレを含みます。
御理解の上、お読みください。
こちらの記事で挙げたものの内、
影の地・マリカ・角人関連について考察していきます。
影の地って何?
影の地とは「黄金樹の影に隠された地」である。
本編の黄金樹は影がない。
黄金樹はどこか霊体のように見える
その存在しない黄金樹の「影」が「影樹」であり、
それによって影の地は狭間の地から隔絶されているのだろう。
影の地ってどこ?
影の地の墓地平原にある「鎮めの柱」に
と書かれた石碑がある。
「狭間の中心」が文字通り空間として中心にあるのか、
概念としての中心なのかは定かではないが、
ここでは位置としての中心説を取る。
この鎮めの柱が狭間の中心であるということ、
リエーニエ東岸が切り立った崖になっていることをあわせて、
狭間の真ん中にポッカリと空いた海のところに影の地の地図を重ね合わせると、そこまで違和感がない。
という説を元に作成したのが以下の図だ
上記の図のように組み合わせてみると、見えてくる要素として
ギザ山とグレイオールの竜塚が近い位置に来ること
影樹と黄金樹の位置が重なること
王都ローデイルと黄金樹を挟んで反対側に「隠された地」が存在すること
アルター高原と影のアルター、
墓地平原と湖のリエーニエ、
青海岸とリムグレイブ
と近い位置のエリアが地図上で似た系統の色になっている湖のリエーニエを登った先にアルター高原が、
墓地平原を登った先に影のアルターがあるという
高さの関係がうまくリンクすること
どれも違和感なくしっくり来て問題なく思える。
上記の図のように組み立てた場合に気になるのが、
エニル・イリムとリエーニエの神授塔が近い位置に存在することだ。
リエーニエの神授塔にはラニの遺体がある。
ラニもミケラも肉体を棄てて神となっているが、うーん……
ただ、神授塔が何なのかがよくわかっていないため、
ここでは疑問を挙げるのみとしておく
行き方について
どうして、あの腕から影の地へ行けるのかは、正直分からない。
まずあの腕が何なのかも分からない。
あの腕はエルデンリング本編で「ミケラ」とされていて、
繭の中で眠り続けているとされていた。
が、実際のところミケラは影の地にいたし、
そこで歩き回って、色々なものを棄てていた。
何故かレダは腕に触れると影の地に行けることを知っているようだった。
ミケラの導き的なものなのだろうか……?
ミケラ本人はモーグを利用して影の地に至ったらしい。
モーグが忌み子で角が生えていることと、
この地がもともと角人の地だったこととが関係していそう
あるいは、黄金樹に祝福されていない身体が必要だった?
黄金樹に隠された地へ向かうには、
黄金樹から祝福されなかった、見捨てられた身体が必要だったというのは
少ししっくり来るかもしれない
首のないマリカ像の意味とは?
影の地のマリカ像は、どれもこれも首がない。
なぜどれもこれも首がないのだろうか?
というか、よく見ると狭間の地のマリカ像とは細部が違うように思える。
背後の輪や腕の形状など
作られた時代の差によるものだろうか?
大過を犯す前後で自身のある腕のポーズから、磔のポーズへと変化した?
そもそも、磔のポーズの像が狭間の各地にあるのは何故だ……?
単純に考えると、
顔がないのは、今の女王マリカと顔つきが違うからだろうか?
そういえば、
そもそも「マリカ像」以外で女王マリカが顔を示したことはない。
「マリカ像」が作られたのは「ラダゴン像」と対になっていることから、
ラダゴンが王配と成ってからだろう。
その前後で顔立ちの変化が会ったのだろうか?
あるいは、
「あのマリカ像」の顔立ちは偽りで本当の顔ではなかったのだろうか?
角が生えていたとか……?
もしかしたら、
メスメルの癇癪ゆえかもしれないが……
マリカはどうして影の地を焼いた?
時系列としては、
影の地でマリカが神になって黄金の律が生まれた後に、
我が子であるメスメルを遣わせて
影の地を焼いた謳われぬ、隠された戦いが起きたのだと考えられる。
マリカが影の地を焼いた理由として考えつくことはいくつかあるが、
明示はされていない。
「祝福も、名誉もない、粛清が」という言い回しからは、
影の地を焼いた理由は大いなる目的や狭間の平定のためというよりは、
私的な感情由来と推測される。
マリカの故郷、巫女の村
影の地の北東「隠された地」に「巫女の村」というロケーションがある。
深読みせずに考えると、
「巫女の村」が故郷のマリカもまた「巫女」だったのだろう。
影の地における「巫女」の存在は牢獄の大壺と関係しているらしい。
「善き人」が何なのかはわからないが、
少なくとも、巫女は切り刻まれて大壺に入れられて
「善き人」になるため牢獄へと収められる存在だったことが推測される。
から推測すると、
この大壺と牢獄、「善き人」の風習は奴ら=角人のものだと思われる。
マリカの復讐説
マリカは影の地に深い憎しみを抱いていたという。
そこから考えられるのは、
かつて巫女だったマリカが、
同じ村の出身者が切り刻まれて牢獄に収められる様を見て角人に恨みを抱き
その復讐として、力を手に入れた後に焼き払ったという物語だ。
DLC内で、しばしばマリカは「我らを裏切った」という表現がなされるが、
本来、壺に納められて善き人になるために生まれてきた巫女が
仇を成して自分たちの塔を焼き払ったから、
「裏切った」と表現されているのだろうか?
善き人・影の地の壺の目的について
大壺はボニ村から牢獄に収められていたという。
壺から坩堝を
牢獄内にいる幻影のセリフや
肉を切り刻んでいれるという壺の作り方、
「巫女たちは他の肉とよく馴染んだという」という歯の鞭のテキスト、
本編である狭間の地における壺の戦士のあり方、
「坩堝」を尊ぶ影の地の価値観を鑑みると、
様々な人を切り刻んで大壺に入れて、
「坩堝」の諸相が現れた「善き人」を作り出すのが、
壺の役割だったのではないだろうか?
なお、
それと相反する価値観を持つ王都の貴族が本編に出てきている。
恐らく、食べたり混ざったりすると、
生まれ変わった先でも混ざってしまうのだろう。
この純粋を求める黄金の価値観のはじまりにあったのは、
マリカの影の地への憎悪ではないだろうか?
マリカの裏切り
少し気になるのは、
「はじまりは誘惑と裏切りだった」という一文だ。
この誘惑という言い回しが、毛蟲の仮面にも存在する。
「神事」とは大壺に人を切り刻んで詰める作業のことだろう。
ここから推測されるのは、
巫女たるマリカが大壺師を誘惑し、
そして裏切ったという流れだ。
神の門には、
ストーリートレーラーで血まみれの角人たちが、
DLC内では灼けた状態の角人たちの残骸が無数に存在するが、
もしかしたら、壺を作るように、
無数の角人を切り刻んで「王」を作ろうとしたのかもしれない。
最初のエルデの王はゴッドフレイだったと名言されているが、
もしかしたら、本編のラダーンと同様に
かの王の肉体を形成していたのは別の人の遺体、
あるいは大壺だったのかもしれない。
狭間の地に置ける壺の戦士が「英雄」を目指す理由が
「最初の王の肉体が壺から成ったものだったから」とすると
筋は通っているように思うが、確たる根拠は薄い
「最初の王、ゴッドフレイに仕えた坩堝の騎士たち」も
ゴッドフレイが大壺からなる坩堝たちの肉体から生まれたと考えると
ピースがハマった感はあるが、果たして……
マリカはどこ出身?
「出自が」なら裏切りのことを指すように思えるが、
「血が」なので、マリカの生まれ自体に問題がありそうな気もする。
マリカの出身地、及び「稀人」については本編で言及がある
これらの情報をまとめようとすると引っかかる点がある。
稀人は、かつて狭間の外からやってきた女王マリカの同族であるという
と「マリカは故郷の村を黄金で包んだ」から推測される
マリカが影の地にある巫女の村出身という情報が繋がらなくなるのだ。
尚、影の地自体は、鎮めの柱の文言通り
(少なくともかつては)狭間の一部であったと私は考えている
落とし所としては、
大母が狭間の外からやってきたのだとするのが良いだろうか……
マリカの一族=巫女=太母から生まれた?が狭間の外からやってきたのだとみなす考え方だ。そして、その一族と稀人が同族だと考えれば、筋は通る。
また、太母が狭間の外からやって来たことを示すかのように、
巫女の村の近くには大穴(隕石跡?)が空いている。
また、テキストを読み解く限りでは
黒き刃は皆元々巫女だったのだろうか……?
やっぱり同じく隠された地に存在している
指からの言葉を伝える指巫女だったのだろうか……?
影樹について
繰り返しになるが、
本編の黄金樹は影がない。
黄金樹はどこか霊体のように見える
その存在しない黄金樹の「影」が「影樹」であり、
それによって影の地は狭間の地から隔絶されているのだろう。
影輪草とは何か
黄金樹の金輪草、影樹の影輪草という関係であるのは確かだろう。
問題は、影樹の化身が影輪草の形をしていたという点だ。
黄金樹の化身は切り株のような見た目だったが、こちらは「花」だ。
影樹=影輪草のように影輪草の追憶では書かれている。
「花」といえば、マレニアが咲かせた朱い花が思い起こされるが、
関係あるだろうか。
あるいは、
小黄金樹のような種を飛ばそうとして、
まだ飛ばせていない状態なのだろうか?
尚、メタ的な話として
モンドリアンの「死にかけのひまわり」がデザインモチーフと思われる。
拒絶の刺
影輪草、影樹。封印の木は拒絶の棘を帯びているが、
拒絶の棘は魔術として存在する。
「敬虔な信仰の故に絶望し祈祷を捨てた者たち」って誰のことなのだろうか
素直に考えれば、影の地に送られて見捨てられた
元黄金樹信仰者=メスメル一派の一部だと思われるのだが、
メスメル陣営は、
彼らがマリカから見捨てられた事実から目を背けているように思える。
少なくとも、メスメルの火は祈祷なので、祈祷を捨ててはいないだろう。
そもそも影樹自身が棘を纏っているということは、
影樹もまた、何者かから見捨てられているということなのだろうか……
「絡みつく」影樹・螺旋樹・交差樹
影樹は恐らく黄金樹のような一本の木ではなく、
2つの木が抱きつくようにして成り立っているようだ。
「螺旋樹」とは、エニル・イリムの周りに、
影樹を成す二本の木が螺旋のように存在する図像なのだろう。
尚、「交差樹」というワードも本編に登場する。
交差する二本の木の中心に一本小さな木があるように見えるが、
もしかしたら螺旋状に交差する樹が影樹で、
中心の小さな木が黄金樹なのかもしれない……
エルデンリングの世界では
肉体・魂・意志の三つが人を成すという説があり、
ミケラが棄てた肉体と意志(迷い、恐れ、愛)を棄てたように、
マリカもそれらを棄てていて、捨てられた要素が影樹を、
残った輝かしい魂が黄金樹を成す……
などと考えたが根拠が足りないので、ボツ
影が黄金樹(王都)の南にあるなら、光源は北にある?
これはなんてことない疑問かもしれないが、
影の地が狭間の中心にあるとすると、
「影」は黄金樹の南に存在することになる。
北から照らされているから、影が南にあるのだろうか?
北にはミケラの聖樹があるが、
何故ミケラが北へ向かったかは語られていない。
聖樹よりも更に北に何かあるのかもしれない。
あるいは、巨人の火の炉の光によって生まれた影だったのかもしれない。
影樹の礼拝堂みたいのあったけど、あれは何?
敬虔な信仰の故に絶望し祈祷を捨てた者たちの
秘密の集会場のようなものだったのではないか……
正直わからない……
影樹、神の門から見ると白く光ってるけどどうして?
黄金樹が透けて見えている説か、
ミケラの聖樹が見えかけている説が考えられる。
色が白いのでミケラの聖樹だろうか……
その他の疑問
塔はどうして「影」に隠されていた?
「封印の木が塔を影に隠している」
誰がなんのためにやったのだろうか?
メスメルを倒さなければ入れないのだから、
マリカ、あるいはメスメルが封印したと考えるのが自然だろうか。
神を継ぐための塔を隠してしまえば、
自身が「永遠の女王」となるのは容易いことであろう。
青海岸の石棺はどこから来た?
影の地が狭間の中心に位置する説を取るのであれば、
リムグレイブの遺跡と同様に
ファルム・アズラから降ってきたものと考えるのが自然だろうか。
ファルム・アズラは古竜を祀る巨大な霊廟であり、
古き王の都、
ファルム・アズラは遥か昔からずっとゆっくりと崩壊しているという
この2つの情報を組み合わせれば、
巨大な石棺がファルム・アズラから流れ着いていても不思議ではないだろう
どちらかというと、
何故か青海岸の果てに大穴が空いている方が気になる。
このゲームに置ける大穴は隕石によってもたらされることが多く、
即ち大いなる意志からもたらされた上位存在であることが多いためだ。
ただ、最深部で待つのは泥濘であったということは
隕石などの影響ではなかったということなのだろうか……
あるいは、
トリーナが暗黒の落とし子アステールなどと並ぶ存在だったのだろうか……
見た目だけなら、人ではない何かなのだが……
うーん……