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250224 ノーフォークの兎は鹿より大きい
今日のプレイ・リストから 127
ローラ・カネルとロリ・ゴールドストン
「悪魔の白い花」
イングランドの南東、北海に突き出したノーフォークの東端に14世紀ごろに造られた聖オラヴ修道院があります。ノルウェーの守護聖人、オーラヴ2世に捧げられたささやかな教会は、レンガで造られた半地下の聖堂を持っています。本作は、多分、そこで収録されました。
女性の声とアルペジオのチェロと。聖堂の響きを楽しむように奏でられています。残響はそんなに深くありません。多分、天井が低いんでしょう。そのおかげで、教会録音と言えば通常暗い音がしますが、見通しがよくて、むしろ明るい音がしています。中世風の聖歌っぽい曲とよくマッチしています。多分、即興曲なんでしょう。
マルチ楽器奏者のローラ・カネルはイギリス室内楽の異端児と言われる変わり者です。ツアー以外はノーフォークの田舎に引っ込んで古代音楽や現代音楽に取り組んでいるようです。2022年の夏、ニルヴァーナとの共演で有名なチェロ奏者、ロリ・ゴールドストンを招いて録音しました。収録はたった数日で終了します。ノーフォークに初めて来たゴールドストンは野を走る兎の大きさに驚いたんだそうです。