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241214 引き継いでいくマザー・タングの響き

今日のプレイ・リストから 056
アルージ・アフタブ
何てこと


2021年にオバマ元大統領が夏のプレイ・リストを発表し、彼女の曲があげられていて注目されましたが、果たして彼女はうれしかったのでしょうか。

アルージ・アフタブは外交官の父がサウジアラビアに赴任している時に生まれました。10歳になってパキスタンに家族で帰り、多感な頃をインド国境に近い都市、故郷ラホールで過ごします。バークリー音楽大学のオンライン講義を受講したことをきっかけに拠点をNYブルックリンへ移住しました。

曲によってウルドゥー語と英語を使い分けていますが、断然ウルドゥー語のほうが好きです。パキスタンの宗教大衆歌カッワーリーに影響を受けたといわれる曲調に合っているし、「本当の響き」が聴こえるように思います。ウルドゥー語と英語で歌うのは違う感じがするかと問われて、彼女は答えています。

イントネーションや抑揚、アクセント、発音などすべてが少し違うわ。

https://pitchfork.com/features/rising/arooj-aftab-vulture-prince-interview/

それぞれのことばには固有の響きがあります。この響きは、発話する人の唇、歯、舌、喉、肺、骨格など、身体が総動員されて初めて実現します。そのため、美しく響かせるにはかなりの鍛錬と時間を必要とします。アルージ・アブダフの歌を聴くと、やっぱり母語にはかなわないと思います。