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241127 オルガンの録音はオフ・マイクで

今日のプレイ・リストから 039
ジョン・ゾーン
サテュリコン


ジョン・ゾーンは1995年の「水晶の夜」を聴いて、もうこれ以上の作品は出ないと勝手に思い込むことにしました。追いかけるのを止めて正解だったと思います。英語版ウィキによると400以上の録音に参加しているとのこと。アメリカには時に全体像を把握できないぐらいの巨人がいますね。

久しぶりに聴いたのは、なんとオルガンのフリー・インプロヴィゼーションでした。ヴェネツィア・ビエンナーレのプログラムの一つ、ヴェネツィア最大の宮殿、パラッツォ・ピザーニにあるベネデット・マルチェロ音楽院での演奏です。小さなホールに据え付けられた2台の小さなオルガンを即興で弾いているそうです。

オルガンの極端な音域は、抽象的なアメリカ表現主義から借用した音楽的出来事の形式に従って交互に切り替わる音色の集合体を作成します。

https://www.labiennale.org/en/music/2023/biennale-musica-2023?date=2023-10-29&sede=All

この紹介文を読んで、どんな音楽かイメージでき、聴きに行きたい!と思える人を尊敬します。サテュリコンは42分21秒も続く「音色の集合体」でした。瞑想するには十分ですが、惜しむらくは録音がオン・マイクなんです。オフ・マイクだったら宮殿全体の重くも華やかな空間にどっぷり浸ることができたはずなのに。


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