
250217 聴こえていないうなりを響かせて
今日のプレイ・リストから 120
ホイットニー・ジョンソンとリア・コール
「透明感のために73/74(抜粋)」
ホイットニー・ジョンソンのヴィオラとリア・コールのチェロの共演。ホイットニーはシカゴを拠点とした実験音楽家です。2010年にサイケデリック・ロック・バンド、ヴェルマの一員としてデビュー。3年後にマッチスというプロジェクトを始め、主にアンビエント風の曲を制作してきました。本作は3/28に発売されるデビュー・アルバムの先行シングルです。ということは、今後、リアとのコラボレーションを継続するのかもしれません。
「透明感のために」は、それぞれの弦楽器(ビオラとチェロ)とシンセサイザー、ラジオ、フィールド・レコーディング、バイノーラル・ドローンを組み合わせた、ダイナミックで瞑想的な長編カルテットです。
"バイノーラル・ドローン"という言葉は素通りできません。「両耳で聴く持続音」という意味でしょうか。「バイノーラル・ビート」のことを言っているのでしょう。たとえば、300Hzの正弦波の持続音を右耳で聴き、同時に310Hzの正弦波の持続音を左耳で聴くと、両耳の音が脳の上オリーブ核のあたりで響き合ってビート(うなり)として認識されるそうです。
ビートが発生していないのにビートを感じるというのは音の錯覚です。近年、この錯覚が集中力の向上、ストレスの軽減、気分の改善などに効果があるという研究者がいます。と言っても、今はモノラルで聴いているので、実際にうなっているだけで、そんな効果はまったく感じられないんですけれどね。