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250205 カメルーンとシャンソンのテクノな出会い
今日のプレイ・リストから 108
ヴァイオレンス・グラチチュート
「イゼオ」
プレイ・リストにはシングルとして発表された曲から選ぶことにしています。どうしてもアルバムから取るときは、そのアルバムで一番好きな曲にします。が、アルバムmaleine a boss(ボス鯨)は選ぶのが難しかった。全11曲、いずれも甲乙つけがたい。何度も聴いて、レヴューも参考にして、悩んんだ結果、アルバム巻頭の本曲にしました。
ヴァイオレンス・グラチチュート(理由のない暴力)ことヴィオレーヌ・モルガン・ル・ファーは、パリとカメルーンを拠点にするキュレーターです。ソルボンヌ大学で美術史と考古学を学んだ後、ニースやブリュッセルでスキルを身に着け、動画やパフォーマンス等多方面の活動を展開しています。つまり、イーノ先生と同じく、音楽の専門家ではありません。
「イゼオ」はタイトルの意味も歌詞もまったくわかりませんが曲は最高。それが、彼女が初めててがけた音楽作品だと言うのです。カメルーン音楽のポリフォニーに着想を得て、電話の音と自分の声をサンプリングして曲に仕立てたのだそうです。サンプラーの使い方はたった2回、友達のプロデューサーから学んだだけだとのこと。ホンマかいなと思います。
いわば、アマチュアがアイデアだけで作った曲なんです。なのに、いや、だからこそ?原初のエネルギーと洗練されたセンスが共存しています。アフリカン・ポップも新時代を迎えました。