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241108 世界は入れ子構造
今日のプレイ・リストから 020
ヴィレジャーとワリード
大きな魚が小さな魚を食べる
ラテン・アメリカで最も早く評価を得たプロデューサーと言われるヴィレジャーこと、アレックス・ヤングと、ワシントンDC でイラン人とプエルトリコ人の両親のもとに生まれ、現在ベルリンを拠点とするDJ、ワリードの共演。ヴィレジャーの作る強烈なミニマル・ハウス・テクノにワリードの懐かしいメロトロンの音が乗るところが実にカッコいい。
曲名の"Big Fish Eat Little Fish"は、シェイクスピアにも出てくる英語のことわざです。いわゆる弱肉強食のたとえですが、ピーテル・フリューゲルの絵を見るとよくわかります。腹を裂かれた大きな魚から小さな魚などがたくさんあふれています。食べられていた魚の中には、さらに小さな魚を口から出しているのもいます。
世界はそんなもんかなと思うとともに、彼らの音楽はまさにこんな音楽なのでは?と思いました。マトリョーシカのような入れ子構造です。そういや、日本語が述語によって包摂される入れ子構造だと誰かが言っていました。東洋の論理と言われる「場所の論理」ですね。やはりラテン・アメリカ+アラブのダンス・ミュージックは違う。いや、まさか。