241213 太古からの共鳴
今日のプレイ・リストから 055
メロペー
巻く
バルト海沿岸では紀元前から箱作りの琴が演奏されてきました。名前は地域によって異なり、リトアニアではカンクレスと呼ばれています。12弦が多いようですが、5弦の小さいものから40弦の大きなものまであります。指でつま弾く奏者は、調べた限り全員女性でした。女性の楽器なのかもしれません。
メロペーはリトアニア出身の女性カンクレス奏者とベルギー出身の男性マルチ楽器奏者のデュオです。リトアニアの伝統を踏まえた現代曲を演奏しています。既に5枚目となるアルバムを発表しており、去年、日本にもツアーで来ていました。そういえば、鳥取にある弥生時代の古墳から、カンクレスによく似た箱作りの琴が出土しています。偶然だとは思いますが、バルト海と日本海が繋がっていると思うと不思議です。
リトアニアと日本の繋がりと言えば、何よりも杉原千畝ですね。1939年、日本領事館代理だった杉原は、ナチスから逃れてきた約6,000人ものユダヤ人に独断で日本のビザを発給します。日本に向かったユダヤ人たちは神戸港から上陸し、北野の神戸ジューコムで避難生活を送りました。優しく、穏やかなカンクレスの響きは平和の音色のような気がします。