241113 政治のウソ
今日のプレイ・リストから 024
マックス・リヒター
事物の本性について ピアノ版
原曲は五つの弦楽器とシンセサイザーによって構成されています。2004年のアルバム『ザ・ブルー・ノートブックス』に収録され、今Spotifyを見たら、1億3千万回以上再生されていました。宇宙人とのコンタクトを描いた2014年の映画『メッセージ』に採用され、以来何本かの映画の挿入曲にもなったので、映画で好きになったという人も多いでしょう。ボクもそうです。
リヒターは2003年のイラク戦争への批判として作曲しました。当時、アメリカとイギリスはイラクに大量破壊兵器が存在し、周辺国に脅威を与えているため、先制的自衛権の行使として開戦しました。しかし、戦後、大量破壊兵器は見つけられませんでした。この不条理を知り、リヒターは「非現実の政治」、「政治の虚構」が始まったと感じたそうです。
曲名は共和制ローマ時代の詩人ルクレティウスの詩から取られています。この世はすべて原子に還元され、魂は肉体とともに消滅し、死後の罰への恐怖などは存在しないと説く作品だそうです。パレスチナやウクライナ、アフガニスタン、シリア、リビア、イエメン、メキシコ、ミャンマーあるいは西アフリカ諸国で多くの人が亡くなっている今、県政や知事選が混迷を極める兵庫県で聴くに最もふさわしい曲なのかもしれません。