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241226 純心というクリスマス・プレゼント

パーフェクト・デイズ 018


昨日、生徒が、お土産をわざわざボクの部屋まで持ってきてくれました。部活動の大会に出場するため他県へ行っていたそうです。彼女が部屋を出て行ってから、手渡された小袋の口を開けました。草団子2本の奥に、念入りに畳まれた紙片が見えます。手紙でした。

早速、団子をほおばりながら、手紙を取り出して、広げました。薄緑の便せんに、悔しさがにじんでいました。周囲に期待されながら初戦敗退に終わってしまった。不甲斐ない自分への憤りや苛立ちが濃いサイン・ペンでくっきりと書かれていました。

でも、それだけでは終わりませんでした。今回、負けたことをきっかけに、また一から努力すると決意が記してありました。最後は「めげずに頑張ります」と短く結ばれていました。

トーナメントの勝者は一人です。優勝した人だけが勝ち、あとはみんな負けます。どう負けるかが問われます。パリ五輪柔道の阿部一二三選手は優勝決定の後、畳の上から降りるとき正座をして深々と頭を下げました。勝者にあんな立派なことをされたら、敗者はどうすればよいのか。

めげずに頑張る。これしかない。これしかないと教えられました。クリスマスの日に、とても美しいプレゼントをいただきました。

花はなぜうつくしいか
ひとすじの気持ちで咲いているからだ

八木重吉