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今日のPLから

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今、SpotifyのMy Favorite Play Listに入っている曲の中から、1曲を選んでコメントします。
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2024年10月の記事一覧

241025 顔に映る文字

今日のPLから №006 グレイソン・チャンス 外で会おう 幼いころから大評判を巻き起こし、しかし、長じて、芸術性は失わないものの生きづらさを抱えるようになる歌手が欧米には結構いるように思います。その最たる例がマイケル・ジャクソン。グレイソン・チャンスもそうなのかなと思います。 「外で会おう」というのは家では会えないから。家庭生活に招かれない恋人。チャンスが7、8年前にゲイであることを公言していたことを思い出しました。シングル・ジャケットに載る彼の顔に映された文字は歌詞の

241024 今年下半期のトピック

今日のPLから №005 リオーネル・ルエケとデイブ・ホランド 隠れた土地 西アフリカ出身のギタリスト、リオーネル・ルエケは51歳。イングランド出身のベーシスト・ホランドは78歳。ともにジャズが好きな人だったら、多くの人がどこかで耳にしたことがあるのでは。その二人がデュオで共演したのは初めて。曲が始まった瞬間にカッケー!と思えます。 二人がスタジオに入って、サウンドチェック中に思いつきで始めた即興を演奏している時、ある瞬間、「それは単なる音ではなく、もっと大きなものになっ

241023 南ロンドンへ行きたい

今日のPLから №004 ユーネ・ピンク 半生 サウスロンドン出身+ミックス・ルーツ+若い女性=一聴の価値あり ここ2,3年、この公式にほぼ間違いはありません。彼女もそう。マレーシア系ヒンドゥー教徒とアイルランド系カトリック教徒の間に生まれたZ世代の奏でるUKガラージは、独特な不透明感と浮遊感のあるポップソングです。 恋愛の曲でしょうか。せつない。

241022 アフリカとヨーロッパの共鳴

今日のPLから №003 バラケ・シソコとロレンツォ・ビアンキ・ヘシュ とにかく幸せ アフリカのハープ、コラの名手とサウンドアーティストの共演。電子音の繊細な空気感のなかに、どこかからっとした、優しいアフリカの情感が漂います。 バラケ・シソコは西アフリカの歴史などを伝える口承伝承をつかさどる世襲階級の出身です。そのコミュニティに属する人々は、歴史、文学、音楽という社会の文化の中核を自らの身体によって後世へと受け継いでいきます。本作が収録されたアルバムの題名は「Radica

241021 アコーディオンの可能性

今日のPLから №002 ロリス・ドゥイエズ 黒い大地 作曲はファジル・サイ ファジル・サイの「黒い大地」は、トルコのギター「サズ」に触発された名曲です。曲に取り入れられた内部奏法(ピアノの弦を直接指ではじく奏法)が印象に残ります。それをアコーディオンで挑戦するとは。 ロリス・ドゥイエズはベルギーのモンスで生まれました。4歳の誕生日に祖母からバイオリンを与えられ、最初のコンサートは7歳だったそうです。しかも、9歳になると父からアコーディオンを学ぶようになります。大きな楽器

241020 レジリエント・テクノ?

今日のPLから №001 ニコール・ムダバー 白日夢 今聴いているSpotifyのMy Favorit Play Listから、1曲ずつ紹介していきます。 記念すべき1曲目はロンドンで活躍するレバノン生まれのDJによるアシッド・テクノ。イスラエルは9月からレバノンに対してポケベル爆弾に始まるハイブリッド攻撃を加えています。今日現在、少なくとも2,000人が亡くなりました。白日夢と思いたい。