自分が感じていない問題は、その存在に気づくことすらできない/『アナと雪の女王』と『眠れる森の美女』とキーラ・ナイトレイ

 私は子どもの頃に「かかとちゃん」という商品のCMを見てある衝撃を受けた。「"ガサガサかかと"という悩みがあるんだ!それで悩んでいる人がこの世にいるんだ!」と。
 私はかかとのガサガサで悩んだことがない。だから「かかとが乾燥してガサガサでつらい」という悩みがあるなんて考えもしなかった。「自分が直面していない問題については、その問題の存在に気づくことすらできないのだなぁ」と、あのCMで学んだ。

 最近何も知らずに恐怖のDisney+にお試し入会してしまったので(日本のDisney+は安全なのかもしれないけど、今のところTDRに行く予定がないので特に確認していない)、Disney+で観られる映像作品をたくさん観ている。
 ディズニープリンセス系の映画は大体観て、その後『パイレーツ・オブ・カリビアン』(以下、『パイレーツ』)も観た。
 『パイレーツ』第1作のキーラ・ナイトレイのビジュアルがすごく自分の好みで、目の保養のためにキーラの画像を検索していたら、彼女が「フェミニズム的な観点から子どもに『眠れる森の美女』などは観せないようにしていた」という記事が目に入った。

 今はもう解禁しているらしく、『眠れる森の美女』を観たキーラのお子さんが「相手の許可無く勝手にキスするなんておかしい!」というようなことを言って、キーラは「少なくともこの点において私の子育ては成功している!」という感じで喜んだらしい(下のリンク先を改めて確認する前に記憶を頼りに書いたので、ニュアンスは多少変わっています)。

⬆︎こちらのリンク先の最後の方。

  私はキーラより若いけど、『眠れる森の美女』も『シンデレラ』も『リトル・マーメイド』も好き。
 つまり、私はキーラより若いけど、キーラと同じような問題意識は持っていないということ。
 ここでやっとこの記事冒頭の話とつながってくるんだけど、キーラは私が直面しなかったような問題に直面したんだろうなぁ。
 私も人並みに他人と恋愛関係になったり他人から恋愛対象として見られたりしてきたと思うけど、そういう中でフェミニズム的な観点から問題意識を持ったことはほとんどない。他の点で問題を感じたことはたくさんあるけど。
 たぶんキーラは美人な上にショービズ界で育ってきたから、「男尊女卑的な恋愛観の押しつけ」みたいな問題にたくさん直面してきたのだろう。

 キーラは『アナと雪の女王』は大好きらしい。

⬆︎こちらのリンク先の1つめの項目の最後の方。

 改めて考えてみて……『眠れる森の美女』に関しては、私はあくまでおとぎ話と割り切って観ているから王子とオーロラ姫の関係はあまり気にならないのかもしれない。「これはあくまでおとぎ話だよね」と観る側が考えることを当たり前と考えている、ということだ。
 アリエルが王子のために声を失うというのも、別にアリエルが女の子だからというわけでもなく、王子のためというより「人間になって王子と仲良くなりたい自分のため」だと思うから、やっぱり気にならない。設定が男女逆だったとしたらやっぱり王子がアリエルと仲良くなるために自分の声をアースラに差し出したと思う。
 だからたぶん私は、もし子どもがいても気にせず観せていただろうなと思う。別にキーラが悪いとか間違っているとか言いたいわけじゃなくて。私がそういう問題にたぶん直面してこなかったから当事者意識があまりないというだけの話。
 裏を返せば、キーラは相当理不尽な思いをしてきたのだろう……という話でもある。

-miinyan-

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