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『犬夜叉』の恋愛模様(※あくまで個人の感想です)

 私は高橋留美子先生の『らんま1/2』が大好きです。
 子どもの頃にコミックスを全巻揃えていて、何度も何度も読みました。アニメも観ていました。

 コミックスはもう10年近く帰っていない&これからも帰る予定のない実家に置いてきてしまったため、電子書籍で全巻買い直して改めて読みました。

 『らんま1/2』を最終話まで読み終えて「らんまロス」になってしまい、同じ高橋留美子先生の作品『犬夜叉』をサンデーうぇぶりで読みはじめました。

 『犬夜叉』 はなんとなくは知っていたのですが、アニメもほとんど観ていなかったしコミックスは読んだことすらありませんでした。

 少しギャグはあるものの、『らんま1/2』と比べるとかなりシリアスです。私の感覚だと、『らんま1/2』はギャグ:恋愛:シリアス=6:3:1、『犬夜叉』は2:4:4という印象です。

 乱馬とあかねの関係性が大好きなので『犬夜叉』の恋愛模様にも期待していたのですが、犬夜叉とかごめの関係性にはどこかモヤッとします(私は)。
 かごめ自身はとても良い子で、助けられるだけのヒロインではなく『らんま1/2』のあかね以上に強くてかっこいい女の子だと思います(あかねは「可愛さ」が飛び抜けています)。
 だから私はかごめが嫌いなわけではありません。
 つまり、かごめが嫌いだから犬夜叉とかごめの関係性にケチをつけたいというわけではないということです。

 サンデーうぇぶりのコメント欄を読んでいると「犬夜叉はかごめとはケンカできるけど、桔梗とはケンカするところが想像できない。ケンカして素を見せ合えるかごめが運命の人」という主旨のものが目立ちます。
 しかしながら私は「ケンカにならない=素を出せない」ということではないと思うのです。

 犬夜叉の桔梗への態度も「素」であるはずです。
 かごめといる時より大人っぽい犬夜叉も「素」の一面。
 例えば、同じ人でも気の置けない友人といる時・恋人といる時・ペットといる時・一人でいる時等では、それぞれ違った面が出てくるでしょう。そのどれもが「素」に違いないはずです。

 かごめといる時も桔梗といる時も方向性が違うだけでどちらも「素」 。
 それぞれが引き出す犬夜叉の一面が異なるだけ。

 だったら、ケンカになってしまう相手よりケンカにならず真面目な感じで話せる相手の方が私は一緒にいて心地良いなぁ……と思います。

サンデーうぇぶりのコメント欄では「ケンカができる方が相性が良い!」とこの世の真理のように語っていたりそういうコメントにいいねを押していたりする人が多いのですが、それがなかなか納得できません。

 乱馬とあかねもケンカップルですが、あれは「親が勝手に決めた許嫁」という始まり方だから仕方ない部分があると思います。
 犬夜叉とかごめは別に「恋愛関係になれ」と誰かに指図されたわけでもなく、お互いを恋愛対象にする義務もなく、自由に恋愛し自分達の自由意志でお互いに対する恋心を認めています。
 そういう状況で、すぐケンカになってしまうような相手を好きになるかなぁ……?
 『名探偵コナン』の毛利夫婦もそんな感じですけど、やっぱり別居していますし。たぶん別居しているから時々良い感じになれるけど、同居するとやっぱりダメになると思うんですよね。それって本当に相性が良いのかな?
 リアルだったら「この人とは相性が悪いな」と距離を置くと思うんですよね。

 乱馬も犬夜叉も「好きな女を絶対守る!マン」なのですが、乱馬の「あかねは俺が絶対に守る!」はすごくしっくりくるのに、犬夜叉の「かごめは俺が絶対に守る!」はなんだか「漫画の都合でそうさせられている」という感じがしてしまいます。

 乱馬とあかねの関係性は読み手(私)の心にダイレクトアタックしてくるのに、犬夜叉とかごめの関係性はなんか白けちゃう……というのが私の本音です(あくまで個人の感想です)。

 別に桔梗と犬夜叉をくっつけたいわけではありません。桔梗に対しては「早く成仏できると良いね……」という形で幸せを願っていました。

 たぶん私自身のこれまでの経験から、「自分の本心に嘘ついてるからケンカになるんじゃないの?」と考えてしまうのだと思います。
 乱馬とあかねは本当はお互いのことがとんでもなく好きなのに「ただの『親同士が勝手に決めた許嫁』です!」という嘘をついているからケンカになってしまう。
 私自身は「本当は好きじゃないのにこの人のことを好きにならないといけない、好きだと思わないといけない」と思っていたからいちいちケンカをしてしまっていた。
 だから、犬夜叉とかごめもそっち(後者)なのでは?と思ってしまうみたいです。犬夜叉とかごめは誰かに決められた許嫁ではなく自由恋愛ですから。

 かごめは中学3年生で、まだ恋をしたことがなくて、恋に恋するお年頃でもあったのでしょう。
 犬夜叉はかごめに桔梗の面影を感じて愛しはじめたけど、桔梗は死人(しびと)でかごめは生きていて、かごめを愛するべき(死人は成仏させるべき)という無意識があるように思います。桔梗が望むなら一緒に地獄に行くと言ってはいたけど。

 本当は桔梗が好きだけど桔梗との恋愛はある意味「道ならぬ恋」で、かごめは自分のこと好いてくれていて、かごめとの恋愛は「正しい」とみんな応援してくれる……俺はかごめを愛するべきなんだ!
 なんだかそんな感じがしてしまいます。

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 まだ全巻読んではいませんが、とにかく七宝ちゃんが可愛いです。

 あと、『犬夜叉』のアニメのキャラデザがすごく良いなと思います。高橋留美子先生の絵をとてもうまくアニメ絵にされている感じで。
 2024年版のアニメ『らんま1/2』も楽しく拝見しましたが、アニメ『犬夜叉』のキャラデザをした人にキャラデザをしてほしかったな……と思います。制作会社が違うので無理な話ですが。

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