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なんの話ですか。【長編になる予定の小説】

 この物語に真意を求めてはいけない。これから書く内容は、なんの話をしているのか分からない中毒者たち(一部のnoter)についての事であり、なんといっても『なんのはなしですか』としか言わざるを得ない、筆者にとってもなんの話なのか分からない話だからだ。
 つまり、noteの街の住人である例の中毒者たちが巻き起こす不得要領なミステリーである。

 *

 noteの街の路地裏にその店はあった。そこからは明るく賑やかな声が聞こえる。軒下にある喫煙所では数人の男が楽しそうに話をしていた。酒場『魑魅魍魎ちみもうりょう
 偏屈な名前だ。榎本えのもとは真っ先にそう思った。どんな奴らがいるのか、下見と称して少し興味本位でその場を通りすぎる。チラッと覗いただけではあったが、そこには老若男女問わず様々な奴らが飲み食いしながら話しているようだった。あの場所で例の中毒者が蔓延しているというわけか。
 上司から聞いた話では、ここの店主はどうやらこの店が栄える三年ほど前から営業をしていたらしい。しかし、その頃は特に話題に上がることはなく事件性もなかったという話だ。
 では、ここ数ヶ月でこれほどまでに中毒者が増えたのには、いったい何があったというのだろうか。そこで考えられることが薬物というわけだ。榎本はこの件にたずさわる事になってから常にその事を念頭に置いて捜査を続けていた。

「榎本さん、また例の事件について匿名で情報が上がったらしいですよ」
 後輩の宮下がニタニタと笑っている。お前の手柄ってわけじゃないだろ。榎本はそう制しながら椅子の背に身を預け足を組み替えた。
「で、いったいどんな情報が入ったんだ」
「それが、どうやら奴らはタグというものを使っているらしいです」
「タグ?何だそれは」榎本は怪訝そうな顔付きで訊いた。
「まぁ、分かりやすく言うと仲間を認識するための合言葉や何らかのサインといったところでしょう」
「なるほど、そのタグというものが今回判明したというわけか。しかし、それはいったいどういうタグなんだ」
「それが――#なんのはなしですか」宮下は腕を組んだまま難しそうな顔で続けた。「この言葉こそが奴らのタグらしいんです」
「なんのはなしですか。だと」そうして榎本も宮下と同様に頭を抱えた。いったいこの言葉が何を意味するというんだ。榎本には全くもってそのタグの有用性が分からなかった。

 *

 noteの街。そこは様々な媒体(文章や映像、写真、イラスト、音楽など)のクリエイター(制作者)と閲覧者(読者)からなる街だ。この街に人が住むようになり、もう10年になる。住民同士のいざこざは度々起こるものの、街全体としての治安は良い方に思う。しかし、そこには表に出ていないだけの闇も存在していた。
 その闇をどうにか取り締まろうと最近になり新設されたのが、榎本達が属する『見つけ次第消す課』通称『ミッケ』である。
 幼少期にこのミッケという本を読んだことがある者も少なからずいるのではなかろうか。そう、あの本の通り、必ずそのターゲットと確証(証拠)を見つけ、即刻捕まえて消す。それがnoteの街における秩序や治安を守るための『ミッケ』の役割だ。
 だが、今回の事件は榎本達ミッケにとってかなり手強いものだった。タグという有力情報はあったものの、肝心の薬物の情報については何一つ掴めずにいた。
「どうなっている。なぜこんなにも中毒者がいるというのにブツに関する情報が見つからない!」
 榎本は焦っていた。このままでは整合性のあるnoteの街に、何の話をしているのかもよく分からないどころか、てんでおかしな中毒者たちがどんどん増えていく。なんとしてもそれだけは阻止しなければと思った。
 頭を掻きむしるように吠える榎本を見て宮下は視線を背けた。しばらくして榎本はおもむろに立ち上がり椅子に掛けていたジャケットを手に取ると「行くぞ」と部屋を出た。宮下は突然のことに少し戸惑いつつもその後を追った。



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ヤバいですね。着地点が分かりませんが、可能な限り突き進んでみようと思います。

#なんのはなしですか

まだ、制作途中のため、今後続編が上がるかは分かりません。
もしかしたら、断念するのか。はたまた、完結するのか。
創作大賞に間に合えば応募しようと思います。

続編、気になる人いますか。
ご意見、ご要望があれば教えてください。

どうでもいい課
#どうでもいいか

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メインの小説はどうでしたか。

この後にデザートでもいかがですか。

ということで、私がこれを書くに至った経緯や意図、その時の思いや感情などを知りたいと思った方はぜひ以下リンク先の『やっちまった。【デザート】』を読んでみてください。

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