『容疑者Xの献身』『告白』実写映画の感想。
どちらも実写化にあたり、放映時間や客ウケを踏まえて内容や構成が変更になっている箇所がある。それも含めた感想になります。
【容疑者Xの献身】
やはり、物語として話が面白い。
展開がスムーズ?キレイ?分かりやすい?そんな感じで、見やすい。ただ、原作から入ったため、劇場版では強敵同士のキーポイントが『まさかの山…』想像以上に壮大に演出したなと思った。まぁ、確かに原作のままなら少し地味な絵面になってしまうからだろうとも思った。それか、山での決戦は利害ではなく友情に重きがある事を強調する狙いもあるのかもしれない。
小説は詳しく書かれているため登場人物の心情の変化やトリックの伏線が上手く見え隠れしつつ、最後に暴かれていく面白さがある。映画だと演技や演出で、より伏線が簡潔的に集約されているなと感じる。(最初に原作読んでいたのも要因ではあるけど)
テンポが良い分、やはり小説よりも内容が軽く思え、登場人物の心情の重みや強さなど少し物足りなさ?を感じる。それも先に原作を読んだのが要因だと思う。それでも要点はしっかり押さえられているため、ストーリーとしては満足はできる。小説を知らなくても十分に楽しめる作りになっている。
こちらも最後まで報われない登場人物達の気持ちが、ある意味で良い感じに『物語の終わり』として収まっている。
【告白】
小説よりもエンタメ要素(映像)があるため、個人的には楽しめた。小説が楽しめないわけではない。
小説は読書感想文でも書いた通り、究極に煮詰まった人間の気持ち悪さを存分に味わいたい人にオススメで、映画はそれをもう少しマイルドに楽しみたい人にオススメ。
小説内で登場人物の回想?思考?として書かれている部分や端折った部分の辻褄を合わせるために、小説とは少し内容を変えているが上手い感じにまとめてあり、終わり方も少し含ませる感じの嫌らしい終わらせ方で小説の『告白』の特徴がしっかり反映されていたと思う。
登場人物の狂気性が映像や演技として十分に表現されていて良かった。やりすぎでは?とも思えるところもあったが、まぁインパクトのためだろう(容疑者Xの献身の『山』の場面みたいに)
小説ほど心情が詳しく語られている訳ではなく、その部分を映像で補完して表現しているため、小説とは違い人間の本当の気持ち悪さ(まるで私の事も指している、または当てはまるような)嫌な部分を言葉として直視しなくて済むので精神的ストレスが少ない。
目に見えたグロさはあるので苦手な方はそこが精神的ストレスかも。(まぁ、そこ苦手なら見てないと思うけど😅)
【総評】
『容疑者Xの献身』
映画は心情の変化やトリックなど、こちらの感情や思考を揺さぶるような、よくできた満足感のあるサクッとエンタメを楽しみたい人にオススメ。
より詳しく心情の変化やトリックの伏線などを楽しみたい場合は小説をオススメする。
『告白』
映画は人間の嫌な部分や狂気を小説よりももっとマイルドにエンタメ要素もありつつ楽しみたい人にオススメ。
エンタメ要素なんて要らん。ワイは人間の最たる気持ち悪さ、嫌な部分だけを思う存分目の当たりにしてズブズブに溺れたいんや。って場合は小説がオススメ。
以上。
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