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想像力を持ちたい。

おはようございます!歯科医師×社会起業家、たわちゃん(多和実月)です。
すべての人にお口からの健康を届けるため、U30の若者が活動するコミュニティの運営や講演活動をしています!


先週、高知県土佐町でのフィールド医学実習に参加しました。

半年ぶりの白衣
様になってますか?😛

せっかくの機会を頂戴したので、学びと気づきをアウトプットしたいと思います。

※すべて個人の見解であり組織を代表するものではありません

地方と高齢化の現実

私は京都市に生まれ、高校までの18年を市内で過ごしました。大学時代は広島で過ごしましたが、広島大学歯学部は市内中心部に位置しており、身内以外の高齢者と密に接した経験はほとんどありませんでした。

土佐町の高齢化率は48.0%で、全国平均の28.6%と比較してもその高い割合が伺えます。

都会でさえ介護の担い手不足と言われる中、どうしているのか...素朴な疑問を持っていたところ、地域の高齢者が後期高齢者を支える「とんからりんの家」というユニークな福祉施設の存在を知りました。

スタッフも利用者も高齢者である「とんからりんの家」は高知県土佐町に位置する福祉施設。「自分たちの幸せは自分たちでつくり出す」という意気込みから日々の運営は,地域で暮らす60代から70代を中心とした,約70名のボランティアスタッフが担当している。参加資格は土佐町で暮らしていること,利用料は送迎,食事,おやつ代込みで1日650円と安価に設定されている。週に一回まで利用可能で住民同士が支え合う場となっている。

https://pjcatalog.jp/archives/479

今回の健診受診者さんは75歳以上が対象でしたが、皆さん想像するより10歳若いぐらいの体力や知力を持たれていました。こういった取り組みの成果だと思います。

直面した課題

こうして全国的に見ても画期的な取り組みを続けられている土佐町ですが、このように自発的に動けるのは比較的元気な高齢者に限られます。そうでない方には、よりきめ細やかなサポートが求められ、それらを一律に届けることの難しさを痛感しました。

この課題に対して、2つの施策が必要ではないかと考えました。

1.幼少期からの健康教育と習慣定着

職業柄なのか、私はこういう取り組みを前にすると「参加していない人」に興味を持ちます。この健診の参加率は1割ほど、残り9割はどういった人なのか役場の方や参加者方に聞いてみました。

コロナや熱中症を恐れてやむを得ず...という方もいましたが、大半はいずれかの印象でした。
•「自分は大丈夫」と健診の必要性を感じていない方
•「めんどくさい」と外に出るのが億劫になってる方

これまでの人生で築かれてきた価値観に寄り添いながら行動を促すことは容易ではありません。そんな状況で真摯に取り組まれている役場の方や先生方には頭が上がりません。

一方でよりマクロな視点で考えてみると、日本の労働人口減少は今後も避けられず、もっと広くそしてきめ細やかに対応することは難しいです。

高齢者同士で支え合える未来を描くためには、前の段階での予防策が不可欠で、教育や習慣定着が最も効果的なのは幼少期だと考えます。私たちの活動はこのような未来に繋がっていくものにしたいと思いました。

2.ジェンダーギャップ解消

ジェンダーギャップ解消というと都会では女性の社会進出に焦点が当たる傾向にありますが、今回は違う側面から捉えることができました。

特に印象的だったのが、2年前に奥様が亡くなられた80代の独居男性との会話でした。

体力よりも気力が先になくなった

この方はこの場に出て来られていますが、その背後にはもっと深刻な状態にある独居高齢男性がいると考えられます。このような取り組みの参加率は女性の方が圧倒的に高く、これは土佐町でも同じでした。

孤立•孤独による死亡リスクは1日15本のタバコに匹敵すると言われています。

女性と男性の寿命の差は生物学的な性差で語られることが多い(この側面があるのは医学的に正しい)ですが、「男は仕事に集中するべき」「近所付き合いは女がすべき」といったジェンダーが孤独に及ぼす影響も計り知れません。特に私たちの親世代はまだそのような価値観を持っている方が多いため予防策も必要です。

キャリアと引き換えに男性たちが失ってきた地域との繋がりにも目を向ける必要性を感じました。

こうして考えると社会課題ってどれも繋がってますね。

想像力を持ちたい

親子3世代みんなが一緒に食事を囲んだとき、
同じ物を食べて「美味しいね」と言い合えること

これが当初から掲げている「子どもの口腔健康格差」という社会課題を解決したときの理想像でした。

論理的には正しい。だけど温度感がのらなかったのは、高齢者と診療室の外で向き合った経験がなかったからだと気が付きました。

私自身がイメージできてなかったから、他人に伝えることができなかった

こう言われると当たり前のことに感じますが、これが結構難しく、私も日々は目先のことに手一杯です。だからこうして環境を変えることで時間を捻出しています。

私たちのターゲットは「小学生以下の子どもとその家族」ですが、その先には今回私が出会った人達の笑顔があることを忘れたくありません。

起業家にとって1番大事なことは、理想の社会を誰よりも解像度高く描けることなんじゃないかと、ここ最近切に感じています。

正しいことだけ並べてても人は動かない。肝心なのはどれだけ心を震わせられるか。

圧倒的なプレゼン力も、優秀な仲間も、持続させるためのお金も、後から自然とついてくる。だから起業家である前に社会変革者でありたいです。

遊んで学ぼう!

今日の記事はかなり真面目な内容でしたが、私の活動コンセプトは「遊びながら学ぶ」なので

土佐町の魅力も存分に堪能しました!

土佐芝刈りの里
棚田米を使用したアイスクリーム
土佐牛🐮


高知名物カツオを食べ損ねたのだけが悔やまれる、、笑

今年の夏も遊びながら学ぼう!!!

たわちゃん
💚🤍💚

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