竹取物語の世界
高校は学校が自然豊かな山の中で都心から通学だったので気に入っていた。
学校では竹藪には蝮がおるので危険、入るなとお達しが有り、進入路禁止。
卒業を真近に控えると何かに反抗したく、自分の勇気に賭けたくなり、竹藪に一人で入って行く無茶を試みる。
竹藪に通じる脇道を、笹を除けながら進んで行くと少し広い場所に出た。
一瞬日差しが射し青竹に反射し、真っ青な神秘な世界が広がり大感動した。
今でもその美しい情景が忘れられない。
しかし授業に遅れないためにその日は残念だが帰ることにした。
翌日昼食を早く済まし、あの感動を味わいたく行くことにした。
しかし今日は竹藪への道にヘビが居座っている。初めての事だ。
枝でどけようとしたらヘビは鎌首をもたげ飛びかかる攻撃態勢に入った。
一瞬危険を感じ恐くなりヘビと間合いを取った。
ヘビは攻撃態勢を緩めずもうここに来るなと言っているようだ。
神秘な青の世界を見るには本当に命を懸けなければならないと思えた。
それっきりそこに入っていないがあの神秘的な青さは今でも忘れられない。
いまでも心の奥では竹取物語のかぐや姫の世界を夢見している。