歳を取ると涙腺が緩くなるのは本当?加齢により涙もろくなる理由とは
お正月の箱根駅伝、夏の高校野球甲子園、4年に一度のオリンピック…
一人ひとりが懸命に頑張る姿に心を打たれ、ついつい涙がこぼれる。そして年々涙が出るタイミングが早くなる、なんてことありませんか?
感動のアンビリバボーや夏の金曜ロードショー『火垂るの墓』など、わかっていてもついつい泣いてしまう。昔はこんなことで泣くことなかったのに…と思う方も多いのでは。
歳を取るごとに涙腺が緩くなる、涙もろくなると多くの人が実感しているようですが、これは本当なんでしょうか?
老化と涙腺は関係あるのか?
歳をとると肌がたるんだり口元が緩くなったり、細胞や筋肉の衰えにより身体のあちこちに「ゆるみ」が生じます。
しかし、涙腺や汗腺などの「腺」は老化によって緩むということはないそうです。むしろドライアイなどの症状は加齢によるところが多いようで、涙腺はむしろ乾く方なんだとか。
そもそも涙腺はどういう器官?
涙腺は目と眉の間の外側(目の真ん中から目尻にかけての部分と眉の間くらい)にある眼球に付属する腺の一つ。涙腺は涙をつくる器官で、涙を流すときだけでなく瞳を潤すために涙を分泌し目の表面や粘膜を守る役割を果たしています。
涙もろさは涙腺ではなく脳に関係している
老化による涙もろさは多くの人が実感していることであり、ゆるぎない事実でもあります。しかし涙腺は緩むどころか乾く一方。ではなぜ歳を取るごとに涙もろくなるのでしょうか。
実は、涙もろさは加齢による脳の機能の低下に由来しているそうです。
脳は老化により、まず大脳新皮質の前頭葉から機能が低下します。前頭葉はインプットした情報をもとに判断・思考するほか、手足・眼球等の運動指令を司る、思考を言葉として発するなどの大事な役割を担っています。
医学的には、ここの機能が低下することで感情の抑制、コントロールもきかなくなってくるんだとか。そうなると怒りっぽい、涙もろいなどの感情のブレーキもかかりにくくなります。
さらに、前頭葉には「共感」を司る働きもあり、年齢を重ねることでこの共感力も刺激され、スポーツでけなげに頑張る姿を見るだけで泣けてくるということです。
年齢を重ねるごとに涙もろくなるのは涙腺ではなく脳の機能低下
加齢により涙もろくなるのは、涙腺が緩むのではなく脳の機能低下によるものでした。むしろ涙腺は加齢とともに乾いていくので、ドライアイ対策もする必要がありそうです。
俗にいう「おばさんたちの井戸端会議」も共感力が高まっているためにあーだこーだ言ったり、話が長引くのかもしれませんね。