自治会と防犯カメラ

当自治体でも自治会が設置する防犯カメラに対して設置に掛かる費用を補助する制度ができ、その活用についてのアンケートを受けたことがある。

設置費用を補助してくれるのは良いことだけれど、設置基準が厳しく、難解な点もあり、当自治会では補助金を利用した設置は見送ることにした。

制度利用の条件として
・映像の管理者は自治会であること
これが一番条件として厳しいと判断した。

会長及び防犯担当役員が担うことになるが、映像開示請求があった際にその内容も含めて責任を持たなければならない。
これを未来の会長や担当役員に押し付ける形をとって良いものか?
本来警察や行政など公的機関が担ってくれれば良いけれど、全ての地域においてできないことも理解はできる。

そこで当自治会はマンション管理組合に委託できないか、というところから検討を始めた。
実質は管理会社が運営している管理事務室だ。
そこではマンション敷地内の防犯カメラの映像も管理している。

今回補助が出るのは公道側が映る必要があるが、マンションにあるのはマンション内のみのカメラとなる。

内側と外側を一括管理して、外側の設置を自治体の補助金を受け、自治会側で負担し、映像管理は管理事務室に合わせてやってもらうことで、マンション内外の防犯体制を高めることで住民の安心・安全を維持できれば、自治会としても管理組合としても高いレベルでの同じ目標に到達できる、そう考えた。

その方法で機材を検討したところ、補助金対象の仕様は「映像がリアルタイムで映し出されないもの」いわゆる「監視カメラ」機能があるものは対象外ということだった。
理由を聞くとプライバシーに配慮して、ということらしい。

これで管理組合側と仕様を揃えることは不可となり、かつ防犯カメラ運用を委託することも難しくなってしまった、という経緯があった。

先程の自治会防犯カメラ設置の件、短期的な住民の安全・安心よりも自治会の継続性を優先し、導入見送りをしたということになる。

ここで「短期的」と書いたのは、現時点で防犯カメラが無くても直接的に住民の安全・安心が損なわれていない、自身の安全は自身の責任で賄える範囲でもあるであろうという前提もあった。

それよりも自治会としての持続性、継続性が損なわれてしまうことによる自治会組織の崩壊リスクを危惧したということでもあった。

この辺はある意味「政治的判断」とも言える部分だと思ってる。





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