藍坊主ミズカネリバイバルツアー みなぎるシルバーin福岡 レポート
セトリ
低迷宮の月
ラストソング
小さな哲学
MC①
グッドパエリア
オレンジテトラポット
おいしいパン食べたい
MC②
氷に似た感応
虫の勾配
創造的進化
マザー
沈黙
MC③
流れ星になったんだ
MC④
ポルツ
胸を打つのは
鞄の中、心の中
ロボハートストーリー
MC⑤
名前のない色
伝言
MC6
いわし雲
プリティパンクミュージック
低迷宮の月
1曲目はミズカネでもトップバッターを張った低迷宮の月。
この曲は、水面に映る月が空に浮かぶ月を見上げて自分は所詮偽物さと自嘲するところから始まるお話なんだけど、これが当時の僕にとっては凄く刺さる内容だった。
田舎から大学に出てきて、早く何者かにならなければいけないと強迫観念に駆られていた僕に、この曲は「成りたい自分になることは、決して今の自分を否定することでは無い」ということを教えてくれた気がする。
そう思わせてくれるのは、素朴で率直な歌詞が心の柔らかいところに触れてくるのと、やはり泥のような重さから徐々に浮遊していく音作りと、ボーカルhozzyの飾らない歌声に依るところが大きいか。
とにかく僕にとっては人生の教科書のような曲で、同窓会でお世話になった担任の先生と再会したような気分とでも言うのか、通常のライブでは感じることのない感動から幕を開けることになった。
ラストソング
ずっと生で聴きたかった曲。
いや、以前武道館でも聴いたけどね。
でもやっぱこの曲はライブハウスで聴く曲ですよ。
音の圧を至近距離で浴びたい。
ラストソングはライブハウスで全身でぶつかってこそ曲として完成する。
この距離間、このぶつかり方が藍坊主だ。
そう思わせてくれるパフォーマンスを2曲目から披露してくれるなんて、「おいおい今日の藍坊主仕上がってんな……」と過去最高のライブがここで生まれることをこの時点で確信した。
小さな哲学
調度私が藍坊主の現場から離れてアイドルマスターに浮気してた頃にリリースされた楽曲で、あまり聴き込んで無かったやつですね(笑)
でも関係なかった。
すっげーカッコよくてノれる曲で、一瞬でテンションMaxまでぶち上がってしまった。
曲の持つ疾走感そのままに会場中が沸いていた。
なんだろう皆で大声上げながら砂浜を全力ダッシュしてたようなそんな感じ。
MC①
ミズカネが14年前とか嘘でしょ!?
このアルバムが私達ファンの間で特別なものになってることはやっぱ皆さん分かってたみたいで、
ギターのユウイチさんが「この14年の間、ずっと何かある度に聴いてきたんだろうな……」みたいなことを仰ってたと思うのですが、まぁ泣きますよね。そらもうボロボロと。
そうだよ、こちとら14年間ずっとミズカネ聴いてきたよ!
東日本大震災の時も、就活の時も、仕事で上手くいかなかった時も、婚約者に裏切られた時も、コロナの時も気付けばミズカネを流してた。
ミズカネの音が歌詞が、私に世界との向き合い方を教えてくれた。
自分を見失いかけた時にいつも大事なことを思い出させてくれたのはミズカネだった。
ミズカネが無かったら今頃この世にいないって奴、私だけじゃないぞ絶対。
だから責任とって来年もミズカネツアーやってくれ(笑)
ユウイチさんの宣言どおりこれまでのミズカネは今日ぶっ壊れたんだから、これからもミズカネを、これからのミズカネをこの世界にもっともっと響かせて欲しい。
グッドパエリア
思わず笑ってしまう楽しい曲。
MCで泣いてしまっていた僕にとっては、本当にこれ以上無いタイミングでこの曲が来てくれましたよ。
藍坊主のメンバーが自分達のアルバムや楽曲を擬人化して言う時があるんだけど、そうした扱いにも納得。
藍坊主はバンドそれ自体だけでなく、彼等の生み出した楽曲にもまた生命が宿っている。
そう断言できるほど、曲の持つ力で雰囲気ガラッと変えいた。
まさに最高のパエリアいただきましたと言った感じ。
オレンジテトラポット
最高最高本当に最高。
語彙力が無くなるくらいこの曲は好き。
軽やかに走り抜けるサウンドに哲学的な歌詞。ともすれば小難しい歌詞を、純粋に歌い上げるhozzyの歌唱力。
歌詞からは考えられないほど小難しさも回りくどさも感じさせない。
親しみやすさとカリスマ性のバランスとでも言うべきか、等身大の人間らしさの中に世界の美しさを閉じ込める事が出来るバンドだと思う。
おいしいパン食べたい
正直意外だった。
これポルツの後に持ってかないと不味くないか?
それくらい僕の中でポルツとこの曲はズッ友だったので、ここでマブダチを置いてこいつが来るとは思わなかった。
あとこの曲、演奏してる時ギターのユウイチさんがめちゃくちゃ優しい顔してたのが印象に残ってます。
もうオトンじゃん。
娘が拾ってきた子猫を渋々飼うことになった挙げ句、一番猫を可愛がってるタイプのオトンやん。
まぁそういう優しい人柄が音に現れてるのが藍坊主ということでね。
MC②
ユウイチさんの「みなぎるシルバーin福岡」から始まったMCパートその②
この時には何話してたんだっけ?
ユウイチさんが、車で13時間運転してライブ前日に福岡入りしてすげー調子が良いみたいな話をしてたっけ。
僕は今回福岡初参戦なのでユウイチさんと博多の関係は全く知らなかったけど、凄く博多の町を愛してるのが伝わってきました。
僕も今回初めて博多に来たけど、皆親切でびっくりしたのを覚えてる。
駅の売店でお土産試食させてくれたお姉さんも、もつ鍋やでグラスが空いた瞬間注文取りに来たお兄さんも、タクシーの人も、そしてライブハウスのスタッフの人も本当に親切でした。
なのでユウイチさんの気持も少しだけ分かる気がします。
ユウイチさんの博多補正は他のメンバーにも伝播していってるのは見てて面白かった。
締めはリーダーの藤森さん。
ここからミズカネの一番深い所に潜っていくと宣言。
氷に似た感応
来ましたよ。
14年前も思ったんだけど、この曲って生でやれちゃうんだ。
いやまぁ出来ることは14年前に分かってたし、来るのも予想してたけどね。
こいつがミズカネのディープ担当だってことくらい分かってますよ。
でもいざ実際に来るとぽかーんってなっちゃう。
氷、ってタイトルに入ってるのに照明のバリバリとした赤が映えてたのが印象的。
虫の勾配
この曲をこう繋げてくるかー!
2013年にリリースされたS/Normallyを代表する1曲。
こんな打線として機能することある?
元々好きな曲だけどもっと好きになったわ。
こう、何ていうの?
氷に似た感応で深く潜ったところから、一気に捲り上げていく感じ。
虫の勾配は冬を意識させる曲で、氷に似た感応と合わせて冷たい印象を与える曲なんだけど、不思議なもので熱いものを感じさせてくれるんですよね。
箱もぶち上がっていましたよ。
創造的進化
虫の勾配で一度浮上した後にこの曲をぶつけてくるのは本当にズルい。
胎動を感じさせるメロディーに、生命力全開のhozzyのボーカル。
こういうダウナーな曲にしっかり火が通ってるのが藍坊主だよ。
最高すぎんか?
後、ラストのツタさんのキーボード演奏。
本当に良かった。
深く深く潜っていくような感じ。
次の曲への前フリとしても完璧過ぎた。
マザー
生命の始まりを感じさせる創造的進化からこの曲へと繫がるところが、ミズカネの中でも随一に好きなところです。
これを味わいたかった。
この流れをしっかりライブでもやってくれたの本当にありがたい。
マジで感謝。
この曲を演奏してる時の藍坊主。
マジで良いんだよ。
良い顔してるんですよ。
良かった本当に良かった。
沈黙
ミズカネに収録されてる13曲の中でも一番好きな曲。
一本の名作映画を見終わった後のような満足感をくれるロックバラードの最高傑作の一つだと個人的には思ってます。
この曲は愛や生命といった壮大なテーマを自分事に感じさせてくれる不思議な力を持っていて、
14年前初めてこの曲を聴いた時「こんな美しくて優しくて温かい、音と言葉が人間から出てくるのかよ」って衝撃を受けた記憶は今でも色褪せない。
この沈黙という曲に刻まれた言葉は何度も何度も僕を救ってくれた。
聖書以上に聖書にしてる。
本当生で聴けて良かった。
hozzyさんもめちゃくちゃ気持ち入れて歌ってた気がする。
多分ね、この曲には藍坊主というバンドがどのように世界を見てきたか、人間を見てきたが宿っているんですよ。知らんけど。
だからめちゃくちゃ感情が乗る。
hozzyさんだけじゃない藤森さんもユウイチさんもツタさんも、14年前にはいなかったHAZEさんも気持ち入ってた。
そしてまたそれが伝わる距離だからね。
やっぱライブハウス最高だよ。
MC③
我らが藍坊主のリーダー藤森さんのMC。
「14年間、何もなかった人なんていない。大切な人を亡くした人もいる。それでもこうして今、この場で、皆と音楽を分かち合える。こんなに幸せなことは無い」
この言葉が切実に響きました。
藤森さんのこの言葉を聞いた瞬間、ミズカネと歩んだ14年間の全てが報われたような気がしました。
実際この色々あったよ。
たくさん間違って、その度に何かを失ってきた。どちらかと言うと、クソみたいな人生だったよ。
でも、藤森さんの言葉で気付いたんですよ。
あの時間違えたから今がある。
あの時失ったから今がある。
だから全部正解だった。
ありがとう藍坊主。
ありがとう藤森さん。
この日、このライブに来たおかげで呪いが解けたよ。
本当にありがとう。
流れ星になったんだ
呪いが解けて最初に聴く曲がこれはもう祝福と言うしか無いでしょ……。
優しい音色と歌声をバックに色んな人の顔が脳裏に浮かんできて「走馬灯かな……」って思いながら聴いてた。
あと、上手く言葉に出来ないんですけど、聴いているこちら側に全てを委ねてくれるような、解放的な演奏だった気がする。
「あ、今めちゃくちゃ藍坊主に信頼されてる!」ってなったのは僕だけじゃ無いと思う。
勿論音楽を通して心通わせるのはこれが始めてじゃない。
色んなアーティストの色んなライブに行ってきたからね。
でもここまでの純度はこれまで経験したことは無かった。
本当に凄いライブに参戦してしまったぜ……。
MC④
確かここで藤森さんによるファンの個人情報開示タイムがあった筈。
そこを除いてどんな話があったかを振り返ると、藍坊主のファンってマナーが良い人が多いって話。
ライブハウスではドリンク代をお釣りが出ないようにぴったしで払う人が多いし、
帰りの新幹線でメンバーと一緒になった時も騒いだりせずマナー良く接してくれるというかなり具体的なエピソードが出てました。
実際藍坊主の客層って本当にクリーンだと思います。武道館公演にも行ったけど、藍坊主のライブで厄介とか見たこと無い。
正直学生の頃から藍坊主のライブばかり参戦してたから、他の現場行くとビックリすることは結構あった。
やっぱ安心して音を楽しめる、藍坊主の空気が一番好きだ。
ポルツ
ここからライブは後半戦、アップテンポな曲が続いていく。
その切込み隊長となったのがこの曲、ポルツ。
軽やかな旋律に飛び乗って一気にぶち上がってく感じが堪らない。
ファラルウェー、ファラルウェー
ルルルウェー、ファラルウェー
会場のボルテージが加速度的に上がっていく様はまるでロケットのよう。
ライブの再スタートを切るに当たって最高の滑り出しだった。
胸を打つのは
はい、この辺りから完全に頭がおかしくなってます。
もうね超楽しかった。
元々1つになってた会場の一体感が更に増していって1つの生き物になってた。
この瞬間、私含めて会場にいた全員が藍坊主になってた。
もう、本当に全員で藍坊主だったよ。
それくらい最高だった。
鞄の中、心の中
これやんのズルだろ!!
引き続き全員藍坊主状態でこの曲に突入したわけで、そんなの最高にならないわけがない。
この日1番の盛り上がりで、とにかく楽しかった。
こんなに楽しいことってあるんだってくらい楽しかった。
大袈裟でもなんでもなく、人生で経験したあらゆるライブの中でもこの瞬間が一番楽しかったよ。
本当に藍坊主好きで良かった。
ロボハートストーリー
この曲に救われた人ってたくさんいるでしょ。間違いなく、ミズカネと同レベルで人の命を救ってきた曲だと思う。
心を殺してロボットみたいになりたいって何度も思ったよ。人と心で繋がりたいって本心すら殺してね……。
だけど、この曲と出会って、自分の心に嘘をつくのを辞めようと努力して、いつか自分も変われると藻掻いて今がある。
あの日この曲を皆で歌えたことで、過去の自分に「頑張れ」ってエールを送れた気がするし、今の自分に「お疲れ」って言えた気がする。
藻掻き続けた14年間の先にこの曲がいたということは決して偶然じゃない。
本当に凄いよ、藍坊主。
一生勝てねぇ。
MC⑤
ポルツからロボハートストーリーで情緒をぐしゃぐしゃにされて、ここで誰が何を喋ったか何も覚えて無い。
もしかしたら、ユウイチさんがメンバー紹介したのここだったかも。
メンバー紹介といってもサポートキーボードのツタさんと、サポートドラムのHAZEさんの紹介がメイン。
ツタさんは14年前のミズカネツアーにも参加してたって言うのがまた歴史を感じますね。
是非いつかツタ NOT DEADをやって欲しい。
あとドラムのHAZEさんがミズカネの曲は難しいって言ってたのが演奏キレキレだっただけに印象に残った。
名前のない色
ここに来て聞かせる曲が来た。
感覚としては、全員で藍坊主って状態から、再び藍坊主と私達に分かれていくような感じ。
「ああ、ライブ終わっちゃうな」って寂しさと同時に、「こんな最高の時間を味わえたんだから、まだまだやれんよな」って沸き立つものもあって、色んなことを一緒に確認していくようなひと時だった。
記憶が朧気で自信ないけど、アウトロでユウイチさんが顔近ってくらいにhozzyさんに迫って行ってギター鳴らしてたのがこの曲だった気がする。
それが凄い良かった。
本当に藍坊主ってライブの雰囲気が良いよね。独り善がりじゃないというか、ちゃんと色んな物を共有してくれる感じがして。
伝言
hozzyも言ってたように、藍坊主を代表する曲。
間奏中ユウイチさんが下手まで来て煽ってくれてめちゃくちゃ盛り上がった。
本当にユウイチさんのファンサはヤバい。
──大人になるってどんな事と、昔の僕が問いかける
ミズカネがリリースされた当時の私はまだ二十歳くらいだったから、これから大人になる立場としてこの曲を聞いてた。
三十過ぎて、大人と呼ばれる年齢になってからこうしてライブで浴びると、また感じ方も変わってくる。
この日の伝言は、みなぎるシルバーそのものだった。
ミズカネと出会って、色んなことを経験した私達が再び集まって、音楽を分かち合う、そんなライブを締めくくるに相応しい内容だった。
今この時が人生で最高の瞬間だと
この瞬間を迎える事が出来た人生が最高だと
互いに互いを称え合って終わる
そんな最高に盛り上がるエンディングだった。
ありがとう藍坊主。
感謝の気持ちでいっぱいです。
MC⑥
ユウイチさんのマイクの中のスポンジが赤色で、どうやらそれをユウイチさんは中の機械が赤熱してると勘違いしてたらしいです💦
そんな小ボケから始まった最後のMC。
メインはグッズ紹介。
これツアー前にユーチューブとかで映像出してくれないかな……。事前物販前に知りたい情報が多すぎた。
藍坊主のライブTシャツって、色味もデザインもお洒落で普段使いしてるので、実際にメンバーの皆さんが着ているところを見てコーディネート考えたいな〜とかもある。
いわし雲
昼間からビールを飲む時は、いつだって夏になる。そんな曲。
ららら〜ら、ららら〜ら♪
って皆で歌ってたんだけど、これずっと歌い続けてたらライブが終わらずに済むんじゃないかって思えて、ずっと終わらないで欲しかった。
終わらないで欲しい。でも終わるんだ。
人生もこうであって欲しい。
いつかこの生命が終わる時も
楽しかった、まだ終わってほしい
でもここで終わることに納得して満足して天国に登りたい。
プリティパンクミュージック
最後にみんなで盛り上がれる曲で終わるのって最高だよね。
いわし雲でライブが終わって、そんでこの曲で新しい日々が幕を開けるような感じ。
ライブが終わっても、ツアーが終わっても、ミズカネと歩む日々は終わらない。
そんなワクワクする始まりを予感させる時間を共有して、みなぎるシルバーin福岡は完結した。
最高の物語でした。
最後に
本当に本当に生きてて良かった。
それくらいこの日の藍坊主は最高だった。
14年前、ミズカネが世界の見方を変えてくれて、震災も就活も乗り越えさせてくれた。
信じた人に裏切られた時も音楽だけはずっと側にいてくれた。
それがこれからも続くって今日のライブで確信できて、こんなに幸せなことって無い。
藍坊主の皆さん最高のライブをありがとうございました。
是非、また福岡に来てください。