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浄水器のメンテナンス:選択肢は一つだけ

先日、今の部屋を更新できる事が無事に決定した。

「親戚がこの家に入居するから、出て行って」とするっとウソをつかれた後に、友人ががんばって交渉してくれた結果、このまま住み続けてよいことになった。バンザイ。

今の部屋にある家具のほとんどはレンタルしている為、更新の決定にあわせて、レンタルの契約期間も更新することにした。

自分の作業用の小さなデスクと椅子以外の大物家具はすべてレンタルしている。

ベッド&マットレス
ベッドの下の引き出し
ベッドサイドのデスク
冷蔵庫
洗濯機
ダイニングテーブル&チェア
浄水器

1年契約にすると、月々の費用もそれほど高額ではなく(およそ月1万円前後だろうか)、インドを出る際の大物家具・家電の処分もしなくて済むので、特に海外にいる場合は楽だ。

「インドの家具レンタルってどうなの?」と思われるかもしれないが、汚くて嫌だとか、使えないレベルのものが送られて来た、などの不満はない。

1年前に借り始めた時は、お問合せ先に全然連絡がつかず、ここに越してきてから(ベッドが届かないので)3日程床で寝た経験はあるが、現在はもう少しレスポンスは早い印象だ。


ここへ引っ越ししてきた時に借り始めているので、浄水器も使い始めて約1年になる。レンタルではあるが、借り始めた時に新品の箱を開けたため、新規購入後、約1年だと考えられた。

最近、この浄水器のメーカーから、何度も電話がかかって来ていた。
何度もかかって来るので諦めて電話に出ると、そろそろメンテナンスの時期だと言うので、(まあ、いいか)と思い来てもらうことにした。

会議の時間を避けて、14時過ぎに来てもらったのだが、やって来た男性二人組は、家に入るなり、浄水器の水を小さなカップに組んで、なにやら体温計の様な機械で数値を測っていた。

一人が、機械に表示された数値を示して、ヒンディー語で騒いでいる。

状況と、身振り手振りで推測すると、恐らく、「この数値は飲料水に適していない。このまま使い続けると、頭痛や他の体調不良を引き起こし、問題ばかりになる。中のフィルターを変える必要がある。」だと理解した。

フィルターの取り換えにいくらかかるのかを聞くと、4500ルピーだと言う。安くはないお値段だ。

11月末には(もしかしたら)息子の学費の支払い、12月始めには加入している生命保険の保険料の支払いなど、まとまった支払いを予定していた為、高額ではないが、ちょっと躊躇した。

一刻一秒を争うわけではないので、「分かったから来月また来てくれる?」と言うと、ものすごい勢いで、上記の理由を繰り返された後、ふっと反対側を向いて、ポーズを取った。

えっと、フィルターの取り換えは決定事項なの??

どう反応すればいいのかが分からず、黙って様子を見ていると、1,2分程してから、気取ったポーズで(私にはそう見えた)くるりと振り返り、「で、どうする?」と聞かれる。

ん・・・?なんだ、こっちが決めていいんだよね??

「いや、だから、来月来て欲しいって言ったじゃん。」と言うと、「いやいやいや!!」と、再び同じ事を繰り返される。

そして、また、「言ってやったぜ、この女に」(と言っているかどうかは分からないけど、笑)と言う感じで、やっぱり向こうを向いてしまった。

なんだかよく分からないので、引き続き黙って立っていると、「で、どうする?」と聞いてくるので、「だからさ・・・(以下、省略)」と繰り返すが、「いやいやいや!(以下、省略)」と同じやり取りの繰り返しに(笑)

いや、「フィルターを取り換えない」って選択肢がそもそもないじゃん。

まあ、もう使い始めて1年が経過しているので、フィルターの取り換えはしてもいいんだけども、「メンテナンスで訪問する」と聞いているので、即、フィルターの取り換え=支払い発生、までは想定していなかった。(想定はしていたが、来月とかの調整はできると思っていた。)

まあ、これがメンテナンス訪問からの売り上げをあげる手段の一つだろうと思うし、これぐらい強気で押し売りできるところは見習いたいと思う(笑)

押しに負けて、フィルターの取り換えはしてもらうことにした。
来月来てもらっても、この人ともう一度やり取りすることになるのだ。


インドは、と言うか、恐らく日本以外で家の修理や何かをお願いすると、大体、その辺は思いっきり散らかされて、ゴミも持って帰らない場合がかなり多い。

今回はシンク前の床を水浸しにされた。

ゴミは持ちかえる姿勢を見せたが、こちらで処理すると言って置いて行ってもらった。

日本の様に、すすすっとやって来て、静かに修理して、さささっとゴミを集めて、美しいままで帰ってくれる様な業者は、少なくともインドにはいないのだ。


さて、その辺をびしょびしょにして、フィルターの取り換えを終えた業者は、「じゃ、支払いは7500ルピーね。」と言い出した。

いや、ちょっと待って。取り換えは4500ルピーって言った。
3000ルピーはどっから出てきた???

問いただすと、3000ルピーは年間のメンテナンス料金だと言う。今回の取り換えとメンテナンス料金と何が違うのが聞いたところ、正直、よく理解できなかった。

2回ほど聞いて推察した所によると、年2回のフィルターの取り換えと、年4回の何かが、3000ルピーに含まれていて、都度フィルターの取り換えをするよりもお得だから、との事であったが、これはあくまで推察でよく理解できなかったので、払わないことにした。

そもそも3000ルピーの支払いが必要なのであれば、作業の前に言ってくれ。

請求される側になると大変だが、こうやって、何事もなかったかの様に、3000ルピーを上乗せしてくるワザも、セールスをする場合はちょっと見習いたい(笑)

インドでは、都度、明細や内訳をちゃんと確認しないとダメなのだ。
特に全額先払いは絶対におススメしない。


支払いを終えて、何とか帰ってもらった後、事の顛末を同じ団地の友人に教えると、(なんか心配だなあ・・・)と言う顔をされた後に、「今後は、1000ルピー以上の支払いが絡む事は、必ずこちらを通す様に」と注意されてしまった(笑)

今回は騙されたわけではなかったが、私一人しかいない家の浄水器が1年でフィルターの取り換えになるのは早い気がする、との事であった。

また、もし、メンテナンスがお得であれば、そちらを加入する事も検討できたから、いづれにせよ、家の修理やメンテナンスの場合は、この友人を通すことになったので、心強い。

前のnoteでも書いたが、インドでは交渉を大人の男性にさせた方がスムーズに進むことも多いのだ。

それを「悔しい!私だって自分で交渉できるし!!」とがんばるのもアリだし、「まあ、いいか。やってもらおう。」とお願いするのもアリだと思う。

私は手伝ってくれる人がいるなら、後者である。
誰かにやってもらう方が裏ボスっぽくっていいじゃないか。(笑)


メンテナンスの人が帰ってしまっても、あの(くるり)は交渉に必要なポーズだったのだろうか・・・、と笑いながら考えてしまうのだった。



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