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寝てない自慢

この頃は暖かくなってきたと喜んでいたが、同時に腕や足が乾燥のためカサカサしてしてきたことに気づいた。
気温が上がると同時に乾燥もひどくなるから、保湿をしっかりしないと。

さて、先月初めにアメリカから帰国した夫は、大量に来ていた郵便物の整理に明け暮れていたが、その中で、区の健康診断のお知らせが来ていた様だ。

夫からは、
「これはなんだ(健康診断が無料になるお知らせ)」
「予約取りたいのにうまくできない」
「予約取れた」
等々、連絡が来ていたが、私はすべてスルーしていた。

子供たちにかかわる事は返信するつもりだが、夫の事は勝手にしていただければ、と思っている。いづれにしても、夫の中で決心がついている案件は勝手に進めるのだし(笑)

余談だが、こうやって夫の様子を見ていると、日本は外国人にとっては非常に暮らしにくい国なんだなぁ、と、生まれも育ちも日本である自分ですらそう思う。(以前より改善されたとは思うのだが)
言葉はもちろんの事、はっきりと言葉にして伝えない「察する文化」なのは、外国人には理解も難しいのではないだろうか。
日本ももっと変わらねば。


どうやら先日は区が実施する健康診断の日であったらしく、夫は私に血圧を連携してきた。

「毎日平均して15時間働いて、(血圧が)151/101だった。」

・・・あ、そう。

「そう」としか言いようがない。返信はしなかった。

「寝てないアピール」「仕事が忙しいアピール」「具合悪いアピール」する人って今もいるんだろうか。
夫はそういうタイプの人間だ。
それくらい長時間働かないといけない事情もあるのかもしれないが(特に日本の現場は)、夫に限っては「ムダ」の一言だと思う。

20年前に結婚・出産した後、家族3人で日本に戻り、私はすぐに仕事を始めた。
大学3年を修了した後、約1年ほどアメリカに行き、その後1年結婚と出産で休学し、さらに次の1年も生活の為に休学して仕事を探していた。

夫もビザが発行されてすぐに、仕事を探し始めた。

ここで、夫婦でしっかりと話し合いはしなかったのだが、なぜか暗黙の了解で、私が息子の保育園への送り迎えをして、家事もこなして、仕事もする、と言う役割分担にしてしまっていた。

これは夫に言われたとかではなく、私が無意識のうちに、自分がフルタイムで働いても子供の送り迎えは自分でするものだと思い込んでしまっていたのだ。

今考えても、なぜそうしたのかは、分からない。

しかし、何事も最初が肝心。

そうして役割分担を決めたことで、夫にも無意識に「家事も息子の送り迎えも妻の役目」と刷り込んでしまった。

ああ、失敗。

私は今まで一度も「恒常的に残業が発生する仕事」をしたことはない。なぜなら、就職活動の段階から、残業が恒常的に長時間発生する仕事は選ばないからだ。

仕事の後に飲みに行く、とかやってみたかったが、それは実現しないままに終わった。子供たちも大きくなって手が離れたのでこれからは可能だが、今度は私がオフィスに行きたくないので、やはりないだろう(笑)

定時であがれないと、保育園のお迎えに間に合わないので、定時で仕事を終わりにするのは「必須事項」で、「選択肢」ではなかった。

一方、夫は息子の保育園の送り迎えや家事などの制限はないと思ってしまったため、仕事のスケジュールは自由に組んでいた。夜遅くに帰宅したり、家でも仕事だと言ってずっとデスクにはりついていたりは日常茶飯事だった。インドとの仕事もあったので、時差の関係上、仕方がない部分があったのは認めるが。

だが、家にいる時に仕事をしている様子をみていると、だらだらと長時間話をしているが何かを決定したり進めたりしている様子もなく、
(当時のテクノロジーによるものでもあるが)膨大な量の作業をちまちまと手作業で進めていたり、
そもそも「効率」というものに着目していなかったと思う。

夫は長時間働いていること、長時間会議していることが、仕事ができるあかしだと考えているふしがある。

私にとっては、夫が夜中も仕事と言って長時間電話している事や(寝たいのにうるさい)、何時間も会議していることが、効率が悪く、無駄な事にしか思えなかった。
投資した時間の結果として、何が得られたんだろうか?
それよりも家事育児を手伝って欲しかったし、最低でも、夕食は家族で(電話などしないで)テーブルについて欲しかった。

夕食のテーブルにはやって来るが、ずっと電話し続けていて、そのために出した夕食を何度も温めなおしさせられると、冷めてしまった夕食を投げつけてやりたくなったことも何度もある(笑)

その様な状態で「今日は3時間しか寝ていない」「昨日の会議は3時間もつづいた」と言われても、夫の業務の進め方や段取りの悪さばかりが目立ち、賞賛どころか批判したくなるのをこらえるのが精一杯であった。

私も夫も仕事していたので、仕事する分の時間を割いている点では立場は同じだったように思うのだが、
なんとなく「家事・育児は妻がするもの=いつでも好きな様に仕事してもよい」と刷り込んでしまったのは、今でも失敗だったと反省している。

私と離れて暮らす様になった今でも、「夜中の2時まで起きて仕事していた」とか、「今日は会議が2時間もあって」とか時々送ってくるが、私はスルーしている。

どうだ!これだけやってるんだぞ。すごいだろ!

という気持ちが透けて見える。

結果ではなく、長時間の労働や短時間の睡眠を自慢している人は、私から見ると「仕事ができない人」にしか見えない。(もちろんそれぞれの事情は考慮するが)
決められた時間内でどれだけ効率よく仕事を終わらせ、家事・育児と両立させている人の方が、仕事においてもプライベートにおいても「何が大事なのか?」を理解して対応できている点で優れているのではないかと思う。

夫は恐らく「そんなにがんばったんだ、すごいね!」と言う言葉を期待しているのだろうが。。。

それは期待しないでもらいたい(笑)


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