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しまなみ海道の旅③:サイクリングの始まり(尾道~向島~因島)

一時帰国の最後の日々は、しまなみ海道の旅になった。

しまなみ海道はずっと行きたいと願っていた場所だ。念願叶って嬉しい。

尾道市にバス(+電車)で入り、尾道市内を散策した後、自転車を借りるためにレンタサイクルステーションにやって来た。

旅は計画するのも楽しい。

初日の午前中は尾道を散策


レンタサイクル

しまなみ海道には自転車が借りられるレンタサイクルターミナルが多数ある。

予約が望ましいが、予約日の4日前までに済ませておかないといけない。もしできなくても、当日空きがあれば自転車を借りられる。

ここに来るまでは当日レンタル用の自転車が全て借りられてしまいそうで不安だったが、今日の天気が悪いので自転車はまだあると予想した。

行ってみると、他にも借りに来ている人がちらほらいた。
私も順番を待って受付してもらう。

聞いてみると、予想通りたくさん空きはあると言う。次の日の予約と合わせて1泊2日に変更できるかを聞くと問題無いとの事。

元々は、しまなみ海道の真ん中あたり、大三島~今治1泊で予約していたのを、尾道~今治、1泊2日に変更してもらった。

料金は、レンタル代2,000円x2日+保証金1,100円=5,100円だ。
今回は借りたステーションとは違うところで乗り捨てるので、保証料は返金されない。同じステーションで返却すると保証金が戻ってくる。

受付のおじさんは親しみやすい人で、ルートのことや初心者でも問題ないかなど、私の質問に快く答えてくれた。

その時の最大の関心は天気だったので、「雨降ってきたらどうしよう?」と聞いてみたところ

「う〜ん、かっぱ着て走るかなあ」との答え。

あ、雨降っててもサイクリングを続行するんだ。

この雨の中、サイクリング行きたいなんて、バカにされそうな気がしていたけど、(平気なんだ)とちょっと気が楽になった。

おじさんは向かいのローソンでかっぱが買えると教えてくれたり、雨降った時に荷物を保護するためのゴミ袋をくれたり、さらにはスマホを充電させてくれたりと、本当に親切にしてくれた。

おじさんのお勧めで、ロードバイクではなくママチャリにして、高さを調節してから、ヘルメットを被っていざ出発。

まずは向島へ!



尾道→向島:高低差にへとへと

尾道から向島へは、フェリーで移動する。

尾道駅の真向かいにあるフェリー乗り場から向島へは、文字通り目と鼻の先で、フェリーに乗っても10分かかるかかからないかだ。

自転車や車で行く場合はそのまま乗れて、車両の料金が加算される。

大体6:00-22:00の間に10分前後の間隔で運行している。
料金は大人100円、原付や自転車は+10円だ。


フェリーなんて小学生の時から乗っていない。

小雨が降る中、ちょっと興奮しながら自転車を引いて乗り込むと、セーラー服の学生たちも乗っていた。彼女たちにとっては、このフェリーが日常生活の一部なのだ。

学生たちにとっては日常の一部
向島に到着

10分もしないうちに向こう岸、向島に到着した。
ここからサイクリングが始まる。

サイクリングルートは道路の両端に示されているブルーのラインだ。これに沿っていけば目的地に辿り着けるようになっている。

所々で、「今治」「尾道」と書いてあるので、方向も確認できて安心だ。

標準がわかりやすく示されているため、ネットがなくてもなんとかなるが、Google Mapがあればなお心強い。サイクリングルート以外に寄りたいところがある時は便利だし、また、現在地の把握に便利だ。

このブルーのラインに沿って走る
「自転車」と買いてあるところもある

午前中は尾道を散策したので、向島に着いた時はお昼過ぎだった。

見たいところはいくつかピックアップしてあったが、向島では美味しいチョコレート屋さんがあるらしいので寄ってみようと思っていた。

始めはブルーのラインに沿って出発し、しばらく進んだところで、チョコレート屋さんに行くために、サイクリングルートから外れてGoogle Mapを頼りに進んだ。

こんな時は自転車の前にスマホを固定する台が欲しくなる。

何度かうろうろしながら、チョコレート屋さんを目指して進んだが、段々と建物も人もいない場所になってきて、おまけにすごい坂だ。

自分の体力を見極めて、ここで引き返しておけば良かったのだが、この時はまだ「旅行中は“次”がない」に縛られていた。

そうやって進んでいるうちに、明らかに山奥に入って来てしまった。もう引き返そうにもかえって体力を取られそうで、戻れなくなってしまった。

こんなところにチョコレート屋さんがあるの???

登り坂は降りて歩き、へとへとになった頃にやっとGoogle Mapが止まった。

え、ここ?何これ??

とてもチョコレート屋さんとは思えない、古い集会所の様な建物だった。外観からはさっぱり分からないが、よくよく見ると、「USHIO Chocolatl」と店名が書いてあった。

建物の中の一部をチョコレート屋とカフェにしており、他のエリアはサイクリスト向けの休憩所なのか椅子が置いてあり、また、地元のアーティストの展示物が飾ってあったりした。

休憩したいのはやまやまだったが、まだ最初の島でしかも途中なので、チョコレートだけを購入した。この後、さらに2つの島を移動しないといけないのだ。早く先に進まねばならない。

チョコレート屋さんの入り口。
建物の一部を店舗にしている。

チョコレート屋さんを出る時に、改めてそこからの眺めに感嘆した。

チョコレート屋さんはかなり高い場所にある。
チョコレート屋さんからの眺め。
写真では素晴らしさが伝わらなくて悔しい。

美しい景色をひととき堪能してから、再び自転車を漕ぎ出した。


チョコレート屋さんが高台にあったため、しばらくは下り坂で体力を使わずに済んだが、チョコレート屋さんに到着した時点で結構使い切っていた。

ゆっくりしたかったが、日没予定時間をみると約17:30頃。なのにまだ橋を一つも渡っていない。他にも見たいところはあったのだが、次の因島で予定していた一ヶ所だけに絞り、それ以外はまっすぐ本日の宿を目指すことにした。



向島→因島:因島大橋へ

向島から隣の因島へは、因島大橋を渡る。

橋の長さは1,270m、特徴は他の橋と違い、歩行者や自転車は二階建て構造になっている下側を通る事だ。(他の橋では、車道の外側に原付/自転車/歩行者用の道路が整備されている。)

因島大橋に限らず、橋への入り口は所々で示されている。車とは違う入口なので注意が必要だ。

そしてどの橋に行くにも、行く時は上り坂で、降りる時は下り坂だ。高さや傾斜は橋によってちょっと違う。

橋の近くには必ず入り口への案内がある。
必ずと言っていいほど、橋を渡る前に橋の下をくぐる
入り口でどちらかを確認してから行く。
歩行者と一緒の場合もあるし、原付と一緒の場合もある。
因島大橋が見えてきた。
橋は左側通行

海の上を橋で渡るのは、不思議な感覚だった。

怖いような気持ちするし、気持ちいい様な気もする。

私は別に高所恐怖症ではないが、それでも高いし、下が海だと思うと怖い。下を見て高さに囚われてしまうと、足がすくんでしまうのであまり意識しないようにした。

なるべく遠くの方を見るようにすると、恐怖心は薄れていき(様な気がした、笑)、周りの景色の美しさや、風の音、鳥の声、波の音に浸る事ができる。

橋そのものに高度があるため、その日の天気によっては、橋の上は強風になる。雨だからと言って辞める必要はないが、十分に注意しながら進む事をお勧めする。

自転車で走ると、平面なのに、どんどん息切れしてくる。

運動不足か、それとも強風のせいか。

走り続けていると、段々と自分の荒い息ばかりが聞こえてくるようになる。

そうやって、前だけを見て、必死に漕いでいくと、橋の反対側が見えてきた。

2つ目の島、因島に到着だ。


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