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子供を心配し、子供に癒される。

3月も後半に入った。

昨年から奮闘していたビザの手続き、新しい会社への入社とそれに伴う手続きがほぼ終わり、新生活も落ち着きを見せ始めている。

今まで精神的に落ち着かない状態が続いていたので、週末は家でゆっくりするつもりだった。午前中は平日中々できない箇所の掃除をしたり、大物の洗濯をして、その後で遅めの朝ごはんを作って食べた。

こうやって生活が落ち着いてくると、忙しい時は気づかなかった事がふいに気になって来る事がある。

そう言えば娘に送っているメッセージがしばらく既読にならないな?




昨年の5月に4年近くかかった離婚に決着がつき、年末にはビザのステータスも配偶者ビザ(OCIカード)をキャンセルして雇用ビザに切り替え、元夫の名義だった車も今年の1月に売らせたし、自力で見つけた会社に今月入社した。

(インドに来てからの会社は全て、元夫が入社に協力したので、「俺がみつけてやったんだ」という雰囲気ををひしひしと感じていた。)

元夫に依存したり、恩義を感じる原因が整理できたので、子供に関する事以外は元夫と関わるのはもう辞めよう、と自分の中で決めた。

先週も元夫からメッセージが来ていたけど、見ない様にした。
見ちゃったら、また自分の中の罪悪感が掘り起こされるから。

元夫は未だに受け入れられない様子ではあるが、落ち着くところに落ち着いたのではないかと思う。

ただし、両親の不仲で子供には苦労かけたと思ってる。

だから自分の中に罪悪感が無いと言ったらウソになってしまうが、罪悪感に浸っても誰も幸せにならない事も分かっている。

他の人に苦しい思いをさせてまで離婚を勝ち取ったんだから、人生を楽しむのが何よりも大事じゃないか?と思うのだ。




数年前から走り続けてきて、やっと落ち着いた今になって、突然、娘に送っているメールが既読にならない事が急に気になってしまった。

元々は離婚後も子供たちと一緒に暮らすつもりでいた。

だが、「夏休みだし、会いたい」と言う夫にほだされて、3年前に夏休みだけのつもりで子供たちを日本にいる元夫のところに行かせたら、娘は返してもらえなかった。

(注:娘もそのまま元夫と暮らす事になにかしら合意したのだと思うので訴えたりはしていない。息子は高校卒業も間近だったためか、インドに戻ってきた。)

その後、離婚が決まり、昨年の夏には娘と元夫と3人で1週間ほど日本で過ごしたりもしたが、その時点で娘のアメリカの高校への転校が既に決まっていた。私もアメリカに行く方が娘の可能性が広がると思ったので、そのまま元夫が監護人になる事に(しぶしぶ)合意したのだった。

元々それほど口数が多くない娘とは、段々に疎遠になっていった。

未成年だから(*)と娘とは直接メッセージをさせてもらえず、元夫を経由してしか連絡が取れなかったのだが、私は元夫に連絡を取るのが嫌だったこともあり、お互いのやり取りはどんどん減っていった。

(*未成年だから安全の為にLINE/Whatsappなどのチャットをさせてない、と言われていたが、息子はWhatsappのアカウントを知っていたので、もしかしたら元夫のウソだったのじゃないかと思われる。)

昨年の9月に娘がアメリカの高校に転校した後で、息子が娘のアメリカの番号とWhatsappの連絡先を連携してくれた。

娘の連絡先は入手できたが、ここまで疎遠になってしまうと、もうお互い何を話していいか分からない。

私は娘に対する罪悪感があるし、元夫によると、娘は私のことを煩わしいと思っている様だ。

困ったときの猫だのみで笑、会話が成立するまではとりあえず猫たちの写真だけを送る事にした。返事が返ってきたら、元気にしているか聞いてみよう、そう思って。



ところが、2月まではメッセージが既読になっていたので安心していたのだが、今月に入ってから、メッセージが既読にならず、送信もされない様になった。

「忙しいのかな?」と思い、あまり深く考えない様にしていたが、半月過ぎて少し心配になってきた。

娘の手を離したのは私だから嫌われてしまってブロックされているのかもしれないが、元気にしているのか、辛い思いしていないかだけは知りたい。

いつもは写真だけにしているがメッセージもしてみた。

やっぱり返事はない。

嫌々ながら、元夫にもメッセージしてみた。

しかし、こうやって返事が欲しい時に限って、返事が返ってこない。
子供に関する事だけは私も返事する様にしているのに。

普段はあまり考えない様にしている不安が、こうやってふいに頭をもたげてくると、打ち消すのは中々に難しく、モヤモヤする気持ちを必死に無視しながら、できるだけ平静を保とうとした。

そんな時、息子からメッセージが来た。




私と息子の関係は良好なので、のんびりと連絡をとりあっている。何日も経ってから返事が返って来ることも普通だし、リアクションだけの時もある。

インドとカナダの間の時差がかなりあるから、そもそも起きている時間にずれがあるし、息子は大学の授業とアルバイトで忙しいので、返事が返ってこなくても気にならない。

信頼関係が成り立っていると、連絡の頻度が低くても安心できるいい例だと思う。

娘が心配になっていたちょうどその時に、息子から連絡があったので、「娘は元気かなあ。連絡取ってる?」と聞いてみた。

すると、「元気だよ。昨日メッセージ来てたし、友達できたって言ってたよ。」とあっさり返ってきた。

灯台下暗し。聞いてみるもんだね。

昨日連絡あったのであれば、元気にしているのだろう。途端にほっとした。

今すぐ娘との関係を回復したいのはやまやまだが、まずは元気にしている事が分かったし、何かあったら連絡してくれれば、今は十分だと思っている。




ほっとしたと同時に、娘から全く何も反応が返ってこない事にちょっと弱気になってしまった。

「もう嫌われちゃったかな」

ついポロリとこぼしてしまった。

すると息子は、

「大丈夫だよ。嫌われてないよ。」と、励ましてくれた。

両親の不仲を耐えた兄弟だから分かるものがあるのか、
それとも連絡取っているから、娘の様子が分かるのか。

どっちなのかは分からないけれども、スマホを通して感じる息子のやさしさに、おもわずほろりとしてしまうのだった。

私は娘が心配でやきもきしてしまうけど、
今度は息子が私を慰めてくれる。

親子関係って、心をざわつかせることもあるけど、
その分だけ、
とても暖かい気持ちにしてくれることもある。

「大丈夫。ママにメッセしろって言っておいたから。」とすぐに娘に連絡を入れてくれる息子は姿が見えないけど、また随分と頼もしくなった。

娘の様子は直接は分からないが、元気な子供たちがいて、私は幸せだ。




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