しまなみ海道の旅⑦:塩ソフトクリームを諦めて、今治へ(伯方島~今治)
2023年1月末の一時帰国では、念願のしまなみ海道に行くことにした。
旅のプランを立てるのも楽しい。
1日目の午前中は雨。尾道市内を散策。
念願のサイクリングスタート!
「村上海賊の娘」で気になっていた村上水軍城へ。
一目散にホテルを目指す。
はりきって起きたら、2日目も雨☔。。。
伯方島:「伯方の塩」の島(道の駅「伯方S・Cパーク」)
伯方島に到着した。
伯方島はあの「伯方の塩」で有名な場所だが、実は工場は(今通り過ぎてきた)お隣の大三島にある。
工場見学も面白そうだったし、有名な塩ソフトクリームも食べてみたかったが、コロナのために中止しているらしい。残念。
工場も伯方島には無いし、天気も悪く先を急ぐので、伯方島ではどこにも寄らないつもりであった。
大三島から伯方島に到着したのは11:00過ぎたぐらいだった。次の大島に入ってからが距離があるので、伯方島では休憩を取らない予定で、ただ自転車を漕いでいた。(大三島橋から伯方・大島大橋までは、寄り道をしなければ約6km。)
しかし、少し走ったところで再び雨が降り始めた。
大粒の雨で自転車を漕ぐのが難しかった事と、時間に余裕もあった事から、雨宿りしていくことに決めた。
コンビニなど、雨宿りできそうな場所を探していると、なんとちょうどよく道の駅「伯方S・Cパーク」が目の前にあった。ここにサイクルステーションも併設されているので、もし雨がやまなければここで返却も可能なはずだ。
(注:しまなみ海道周辺のコンビニはほとんどがサイクリストのために整備されており、自転車のための駐輪場や、買ったものを食べられる机・椅子、もちろんお湯なども用意されている。トイレも使えるしオアシス。)
よし、ここで一休みしよう。
強めの雨が降り出し、風も強くなってきた。急いで中に入り、どこか座れるところが無いかを探した。(寒いから暖かいコーヒーが飲めたら嬉しい)、ぐらいに思いながら。
道の駅にある売店でも塩ソフトクリームを売っていたが、さすがに寒くて食べる気にはならなかった。
売店をざっと見たが、今回は買い物は目的じゃないので、すぐに見終わってしまった。中に食堂があったので、なんとなくメニューを眺める。
伯方の塩ラーメン
あさりの塩ラーメン
牡蠣フライ定食
トンテキ定食(確か)・・・
むむ・・・どれも美味しそうだ。
お昼にはまだ早いが、雨が止むまで少し時間があるはずだし、予定を変更して、ここで何か食べていくことにした。
どれも美味しそうでかなり迷ったが、せっかく伯方島に来ているのだし、伯方の塩ラーメンに決めた。やっぱりここは塩をダイレクトに味わっておかないと。
食券を買って(確かラーメンは750円)、カウンターに出す。
セルフのお茶を飲みながら待っていると、すぐに番号を呼ばれた。
ラーメンにはメンマ、ワカメ、ゆで卵、なると、海苔、チャーシューが乗っており、スープは薄い茶色だった。一口スープを飲んでみると、こっくりと塩味が効いていて美味しく、その後は夢中で食べた。
寒い中のラーメンは最高である。
ラーメンをあっという間に食べ終わってしまったため、雨がやむ暇があったか分からないが、とにかく外に出て確認してみる事にした。
道の駅でトイレに寄って、再度、荷物をまとめてビニール袋をかぶせる。
外に出てみると、まだ空は暗く曇っていたし海はざわざわしていたが、出発はできそうだった。
よし、次の島に行こう。
伯方島:伯方・大島大橋
伯方島から大島に渡るには、伯方・大島大橋を渡る。
伯方・大島大橋は伯方島と見近島の間に架かる伯方橋と、見近島と大島の間に架かる大島大橋を総称したものを指す。伯方橋は145m、大島大橋は560mで、合計してもそれほど長い橋ではない。
今までいくつもも橋を渡ってきたが、毎回橋の景観は素晴らしくて、ついつい写真を何枚も撮ってしまう。
雨が降ってきたのでまた天気が悪くなるだろうかと心配していたがこの橋も無事に渡り切って、尾道から6つ目の島・大島に到着した。
大島:来島海峡大橋へ
村上海賊ミュージアムや亀老山展望台など、大島でも寄っていきたいところはあったが、この後はどこにも寄らない事に決めていた。
青いラインに沿って、次の橋・来島海峡大橋を目指す。
大島のサイクリングコースは島の真ん中を突っ切っていくので、景観の点ではあまり楽しくはない。しまなみ海道に来たからには海沿いを見て過ごしたい。(ここが好きな方はスイマセン)
それほどきつくはないが多少の高低差もあるので、自転車を降りて押して歩いたり、途中のローソンで休憩したりしながら、少しづつ自転車を漕いだ。
サイクリングコースには、「今治XXkm」と目的地までの残りの距離が示されている。来島海峡大橋にたどり着く頃には、体力的にもかなり限界がきており、ひたすら(今治まで後XXkm)を心の中でカウントダウンしながら走った。
そんなにがんばってサイクリングするつもりじゃなかったのだが、ここまで来たら今治まで完走したい。
そうやって休みながらも前に進んで行くと、遠くの方に、最後にして最大の橋・来島海峡大橋が見えてきた。
来島海峡大橋は、大島と今治の間約4kmの来島海峡に架かる総延長4.1kmの3つの吊橋の総称のことだ。
なんと4kmも海の上を走るのだ。
天気が良く、かつ、自分の体力が残っていたら、この橋を渡る前に亀老山展望台から、「亀老山山頂から望む来島海峡」をぜひ拝みたかったのだけども、もう今治にたどり着くまでで精一杯だ。ここも次回の楽しみに取っておくことにする。
しまなみ海道の中で最長の橋と聞いていたが、確かに長い、というか、大きい。入口にたどり着くかなり前から橋の一部が見えていた。
そして、橋の入口にたどり着いた頃には、なんと晴れ間が見えてきた。
私ってなんて運がいいの。
橋の入り口に立ってみると分かるが、向こう側が見えないくらい長いし、海面も遥か下の方に見える。そして、今まで渡ってきた海峡よりもずっと潮の流れが速いのか渦を巻いている様に見えた。
いざ走り始めてみると、強風が頬をたたく。
必死で自転車を漕いでいるのに遅々として進まない。
所々に点在する大小さまざまの島々
ぐるぐると模様の様な渦を巻いている海
空にぽっかりと浮かんだ白い雲とその向こうの青い空
息を切らせながら自転車を漕いでいて、もう体力も限界に近いのに、そんなことが気にならないくらい、周りの景色に目を奪われてしまう。
(ああ、どこかで止まってちゃんと景色を見ていきたいな)と、思ったら、なんとちょうどよく休憩スペースが出現。(2カ所あるらしい)休憩スペースに自転車を止めて、ゆっくりと360℃の景色を味わった。
橋の上は晴れ間が見えて心地よいが、遠くの方には灰色の暗雲が立ち込めているので、少し向こうの島々では恐らく雨が降っているのだろう。自分のところは晴れているのに自然はとても不思議だ。
来島海峡大橋の真下には馬島と言う島があり、橋からエレベーターを使って降りる事ができる。ここにホテルがあるらしいので、今度はこちらに宿泊して、ゆっくりと堪能するのもよいかもしれない。
来島海峡は狭く複雑な地形であるため、上から見ていると大小の渦ができては消えていくのが見えて、ずっと眺めていられる。
砂浜を見ると白い砂浜、エメラルドグリーンから深い青へと移っていく美しいグラデーションが見えて、高い透明度なのだと分かる。瀬戸内海がここまで澄んでいるとは知らなかった。
休憩所スペースを出て、再び今治を目指して自転車を走らせる。
しかし、さすがは総延長4.1km。走っても走っても先が見えてこない。
若干心が折れそうになったが、周りの景色を見ながら進むのは楽しく、早く終わって欲しい様な、終わって欲しくないような不思議な気持ちだった。
そうやって無心に自転車を漕いでいると、突如として来島海峡大橋の反対側に到着したのだった。