Holi:春の訪れを祝うクレイジーな祭り
数か月に渡るビザの手続きの末、今月やっと新しい会社に入社したと思ったら、早速Holiというインドの祝日がやってきた。
Holiは春の訪れを祝うお祭りで、インド全土で祝う。かなり大規模なお祭りなので、実家に移動する人、前後でお休みを取る人、リモートワークにする人が多数。仕事の処理スピードが遅くなるので、私の入社手続きも入社から1週間以上経つのに完了しなさそうな気配がしてきた。
色粉を掛け合う独特なお祭りなので、カラフルな写真や動画を見たことがある人も多いかもしれない。お祭りの最中は、顔中に赤黄青緑の粉をかけられ、水をかけられて色が混ざり、最終的には真っ黒になっている人を良く見かける。
Holiの日は毎年違うし、州によっても違う
実は今まであまり意識していなかったのだが、Holiの日も州によって違う年もある。
基本的には3月の満月の日になるのだが、
私はデリーNCRにいるので、今年は3月8日(水)がHoliで祝日だ。
だが、ムンバイがあるマハラシュトラ州では、この前日、3月7日(火)が祝日になっている。
我が社はムンバイに本社があり、私が所属しているデリーNCRにもオフィスが複数ある。
それぞれのオフィスが所在する州の祝日に従ってお休みになるので、3月7日(火)は私たちは働いているのに、ムンバイオフィスには人がいない状況が発生する。
社内での承認や確認ができない事があるので、実質的にこの2日間が休みになってしまう。
同じお祭りなのに、州によって祝日が違うのはインドらしいと言える。
団地内でも着々とHoliの準備が進む
さて、私が住んでいる団地の中では、このような大きな祝日の時には必ず団地内でお祝いをする。
コロナで一時期自粛はしていたが、昨年からこれらのお祭りを祝う事が解禁になったらしいので、住民は季節折々のイベントを楽しんでいる。
今年も前日の夜に団地内にステージが設置された。
団地内にステージ、Holiはレインダンス(スプリンクラーの様な水を浴びながらダンスする)が必須らしいのでそのための装置、野外テントにテーブルとイス。
数日前ぐらいから、子供たちは水風船や水鉄砲を買ってもらい、敷地内で練習も兼ねて遊んでいる。練習時は普通の水で遊んでいる事も多いが、前日あたりからフライングで色粉を使って遊んでいるキケンなキッズもいるので要注意だ。(この色粉の色が中々落ちない。。。)
前日の夜に少しの間、音楽をかけて、音響チェックをすると準備完了だ。
Holi当日!まずはお金を要求される(笑)
Holiの当日は朝9時頃から大音量でDJが音楽をかける。
Holiのド定番はこちらの曲。昨年のnoteにも書いているが、この女優さんが本当にかわいくて好きな曲だ。
さすがに朝早くから外に出て色を掛け合うのはほとんどが子供達だ。
多くの家庭ではお母さん(やおばあちゃん)が、集まった家族の為に、腕によりをかけて料理を作る。
私は、前夜に蚊との闘いに敗れたので寝不足で起きられず、DJの音楽が掛かったところで目覚めた。
特別な予定は無かったし、外に出ると(色をかけられるかもしれないから)危険なので、外出もしないつもりだったので、家でのんびり朝ごはんの準備をして食べた。
noteを読んだり、YouTubeを見たりして時間をつぶしていると、チャイムが鳴った。
出てみるとこのタワーをいつも掃除している清掃員2人だった。
今回も堂々と「みんなこれだけくれた(だからお前もよこせ)」とお金を請求される。
相変わらずお金をもらう側の圧が強い(笑)
本当はお金をあげる必要はないのだが、今回は事前に現金を用意しておいたので、二人に100ルピーづつを渡す。
お金を渡すと2人は、こぼれんばかりの笑顔でさっとお金をもらい、手を合わせて嬉々として帰っていった。
お隣さんからのお誘い
もうしばらくするとまたチャイムが鳴った。出てみるとお隣さんだった。
「Happy Holi!!」の声と共に頬に色の粉を擦り付けられる。
昔は、その辺にいる人すら手当たり次第捕まえて、頭から粉を掛け合ったらしいが、不満も多かったのか、最近は相手に同意を取って頬やおでこだけ、問題無い場合に限り体中掛け合うように、ある程度配慮がされている。
しかし、それでもシャツやパンツに色はつく。
色を付けるなら汚れてもいい服に着替えておくつもりだったが、もう遅い。
私は今日来ているTシャツは諦めた。
お互いの顔に粉をつけあった後、お隣さんはお茶に誘ってくれた。
お隣さんは大家族で、何度聞いても家族構成が分からないのだが、小学生の双子の女の子と、高校生くらいの女の子、20歳ぐらいの男の子に、30代ぐらいの女性とその旦那さんがいることは把握している。(さらにその他にちらほらいるが、もう誰が誰やら・・・)
家に行ってみると、女性はキッチンで忙しそうにしていたが、色々なお菓子をお皿にきれいにのせて持って来てくれた。
この若い男の子は比較的英語も話せるので、お互いの近況などを教えあったりした。
お隣さんはにゃんこを飼っていたのだが、訳あって地元のおじいちゃんおばあちゃんの家に引っ越したらしい。かわいいにゃんこだったので残念だ。
この男の子はジャーナリズムを専攻していて卒業後もその道に進もうと思っていたらしいが、現在のモディ政権に納得いかない事があり、ジャーナリストは断念してコピーライターを目指しているのだと言う。
現政権について教えてもらったことはまた別途書けたらと思う。
友人の家からのお誘い
お隣さんの家で1時間ほどおしゃべりをしながら過ごし、その後一度家に戻ってから、いつもの友人の家に行った。
友人は姉夫婦とその友人たちと一緒に外に出て色を掛け合って、水を浴びながらダンスしていたのだが、その間に友人のお母さんからお昼を食べに来るように誘われていた。
「14時ぐらいにどうぞ」と言われていたので、のんびり支度して家に向かう。
行ってみると、ドアは開いているがし〜んとして誰もいない?と思ったが、チャイムを鳴らしてみると、奥から友人のお母さんが出て来た。
静かすぎて留守かと思ったよ。
お母さんは「みんなは外に行ってるの。そうそう(私の)お母さんがいるから会ってちょうだい。」と言い、紹介してくれた。(つまり友人の母方の祖母)
おばあちゃんは笑顔で手を握り歓迎してくれた。海外にいると、そんなちょっとした温かさが嬉しかったりする。
友人家族は全員が仲良く、知らない人にもフレンドリーで、こうやって温かく迎えてくれるのが素敵だと思う。
友人のお母さんもおばあちゃんも世話する相手がいなくて暇していたのか、ちゃっちゃとプリ(インドの丸くて平たい揚げパン。カレーと一緒に食べる。)を揚げて、お昼を用意してくれた。
失敗した。。朝ごはん抜いておけば良かった。
プリを揚げながら、お昼を食べながら、お母さんおばあちゃんとおしゃべりする。
インドに来て8年目、多少のヒンディー語は理解できるが、なぜかおばあちゃんのヒンディー語だけはさっぱり分からなかった笑
友人たちは色を掛け合うのに忙しく帰ってこない(笑)
私がお昼を食べ終わっても、コーヒーを飲み終えても、友人一行は帰って来ない。
お母さんは子供達にお昼を食べさせてやりたいらしく、何度も電話するが「後10分、後10分!」が何度も続いて、夕方になってやっと帰って来た。
お母さんは「ずいぶん長い10分だこと!!もう2時間も経ってるじゃないの!」とぷりぷりしていたが、そんなやりとりも何だか微笑ましい。
友人とその双子の姉と、彼女の旦那さん、それぞれの友人が来て、家は突然賑やかになった。
暇を持て余していたお母さんもおばあちゃんも嬉々としてお昼をふるまう。私は料理が苦手だけど、やっぱり若い人たちがぱくぱく食べているのをみてると気持ちいい。
お腹がいっぱいになると、交代でシャワーを浴びたり、残っていた花火みたいなおもちゃで遊んだりしていた。
Tambolaで遊ぶ
そろそろ帰ろうかな〜と腰を上げたところで「Tambolaやろう!3Kもアプリダウンロードして!」と言われて「??」となる。
Tambolaはビンゴに似たゲームでカードが縦9行横3列と少し小さく、数字が書いてない空欄もあるのが特徴だ。ビンゴと同じで一列揃うとか、全部の番号が出たとかで勝ち負けを決める。
そんなゲームも今はアプリでプレイ可能だ。
アプリを開き、一人がホスト役を務め、invitation のコードを決める。他の参加者はそのコードを入力すると部屋に入れる。
番号はアプリがランダムに読み上げるので、カードに記載されている数字があったらタップしてマークする。
ポイントを稼げるルールは右側に一覧が書いてあるので、例えば一列目が揃ったら「First Row」をタップする。全部の番号が揃った「Full House」が出たらその回は終了。
これはシンプルだが中々に面白い。
途中で「XXはFull Houseまで後一個!」などと表記されるのでドキドキする。カードもアプリ上で出るので無駄な紙を使わずに済む。
何よりいいのは、離れている人とも楽しめる点だ。
私はゲームをしたことがないので、簡単なものとは言え、なんでみんながゲームにハマって行くのかが分かった気がした。
そうやって白熱したゲームを何度もこなしていくうちに、いつの間にか19:00になっていた。
Holi最後の片づけはお洗濯
明日は仕事なので部屋に戻ることにした。
Holiは春の訪れを祝うお祭りだ。クレイジーではあるが、新しいことの芽生えを迎える喜びに満ちている。
そんなみんなの喜びが爆発したような一日は、私にもパワーを分けてもらった様な気分になる。
そして一日のシメは、粉まみれになったTシャツを洗う事だったが、最近は原材料に気を使っているのか手洗いで大部分は落ちた。仕上げに洗濯機で洗えば問題無さそうだ。
そうして、賑やかで楽しい一日は過ぎ去った。