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『きゅっ きゅっ きゅっ』
生きる力の基盤を養っている赤ちゃん期。
食事は生きる上でとても大切な行為です。
離乳食が始まると、またひとつ成長を感じますよね。
食べ物の絵本は様々な種類のものがありますが、この時期はまず「食べる」という行為を身近に、楽しく感じてもらうことが大切。
この絵本もまた、食事に対して親しみを感じさせてくれる1冊です。
絵本を読んで離乳食が進んだり、苦手なものが食べられる様になったり、偏食が治ったり...は、しません。笑
何かのきっかけにはなるかもしれませんが、それを期待して絵本を読むのは少しお門違い。
食べ物の絵本も、子ども達に食を身近に感じてもらうきっかけとして楽しめたらいいですね
おいしいスープ
いただきまーす
リズム感のいい文章なので、大人もつい絵本のセリフを口ずさんでしまいます。
ご飯を食べながら、食べこぼしを「きゅっきゅっきゅっ」。
食べ終わったら、「はい、ごちそうさま」。
我が家でもよくこの絵本の言葉を口にしていました。
絵本と実体験とを繋げることで、絵本により親しみを感じることができる。
初めて絵本の世界と自分の世界を重ね合わせることができる、そんな1冊です。
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林明子 作
福音館書店 1986/06
我が子達もこの絵本が大好きで、ページもぼろぼろになっています。
つい先日末っ子が、何でもない時に「うさぎさんはおててがびーびーったなぁ」と言い出して、子どもはよく見てるなぁと改めて感心しました。
かく言うわたしは、うさぎさんがどこを汚していたのか......聞かれてすぐにぱっと思い浮かばない気がします。
3人に何度も繰り返し読んだ絵本ですが、子ども程絵本に入り込めていないことを痛感しました。
子ども達の感性を羨ましく思うと同時に、そんな子ども達がいるからこそ、大人のわたしも絵本を楽しめているのだと、改めてそんなことを感じました。