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  愛野藍は今度黒鳥のパドドゥをやる。相手も生徒だが受賞歴あり。だが支える手を早く引っ込めたりで息があわない。先生も困り顔だ。すると先生の旦那さんが両手に何かを持ってレッスン場に乱入してきた。この人は自称発明家でダンサーではない。
「バレエAIを創った。2人用でパドドゥに使う。試作だがきっといいぞ」
 藍と相手の身体データを入れ、イヤホンを耳に入れて踊る。藍の耳にはAIの指示が飛び込んでくる。
「挑戦的な瞳で彼を睨み、2秒後にとびきりの笑顔。パンシェの角度が175度あと5度不足」
 先生の指示とAIの指示が二重に入り余計踊りにくい。相手も「オディールによるだまされ度が低い」と指示され怒り出した。
 先生がAIとご主人を放り出した後、相手に話をよく聞いてくれた。レッスン前の藍の言葉で機嫌が悪くなったらしい。

「パドドゥの相手はクマテツならよかったのにと言ったろ。俺だとダメなんだ」


 謝ったら許してくれた。最初からやり直しだ。



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