DGR #2 実際 DGR(Dry Groeing Rice)の栽培の実際と改善点
さて。実践者の皆さんは、大きな概念より、実際の施肥とか、時期、手順など、様々に知りたいことがあるのではないかと思います。ここでは一応の成功(あくまで第一段階)となった、かつまたファーム2024年の栽培を振り返りつつ、「あそこはこうするべきであった」、「それ以前にこういう準備をしておくべきであった」、「こういう考えや手法も取り入れているんですよ」と言うような、実例を交えたお話を進めていこうと思います。
春の準備
まず春の準備から。昨年までは父が引退前の最後の1作として、移植水稲を手掛けた13アールの水田が対象ほ場となりました。
2023年、DGRで、雑草に埋もれて収穫までたどり着けなかった手痛い経験から、圃場を選び、狭めて実施する運びとなりました。
昨年の父親の作後、耕起されることもなく冬を越した圃場です。
土壌改良剤として「SBX タイプオーガニック(ニューグリーンサプライ)」を反当4袋。こちらはマッシュルーム廃菌床や畜糞(馬)由来の、菌根菌等をブレンドした土改材です。トマト栽培にも利用していますが、土改効果が高いのは実感として感じる資材です。菌体というより、菌体や土着菌が働きやすい環境を整えるイメージ、と言っておきます、ひとます。
元肥は汚泥発酵肥料「ウルトラエックス ペレット(バイオシードテクノロジー)」。反当窒素量で12キロ分投入と耕起を行ったのが4月中旬。
その他の堆肥等の投入は行っていません。
さて。「え?窒素多くない??」
と、感じたかたもいらっしゃいますよね。
まず、長期的な湛水を行わない節水栽培において、土壌は通期、酸化傾向を示します。アンモニア態窒素は硝酸化が促進され、溶脱が早まり、好アンモニア植物のイネ科にとっては、やや物足りない肥料(窒素)形態になりがちです。
マイコス米・DDSRの初期成功者の多くは、麦輪作、デントコーン後作など、地力窒素マックスで稲作に入ったプレイヤーが多かった、というのが2024年スタート前情報でした。つまり、通常の稲作であれば「当然ぶっ倒れる」程度の地力窒素が、この栽培ではちょうど良い、という仮説を元に、施肥を組み立て、様子を見ながら調整していこう、と計画しました。
圃場が酸化している、還元している、という状況判断については、この3eyes agri projectにおいて開発した「Eh Scouter(イーエイチスカウター)」を利用してモニタリングを実施していましたが、かなりきつめの酸化状態が維持されることも分かりました。
ともかくも、元肥の窒素成分量としてはやや多めのスタートを切りました。
ついで重要な工程として「鎮圧」を行います。鎮圧ローラーは、中山間地適合モデル「鎮圧くん(プロトタイプ)」を利用です。こちらも3eys agri projectのプロダクトです。
まず、播種前鎮圧。反当で15分もあれば完了する作業です。
このあとに控える播種作業で、タイヤの沈下深度を安定させることが、結果として播種深度も安定させます。また乾田、というか畑状態でトラクターをターンさせると、タイヤの土押しで、転回部分の均平性が乱れ、播種外周時の種深度が安定しませんし、種が顔を出したりもしてしまいます。播種前の鎮圧は、安定した播種の為、重要な工程と感じています。
この作業を施肥・耕起の翌日に連続して実施してしまいました。
播種。5月5日。中山間の小型圃場。御殿場ですと、平均すると10アールを切ってしまうかもしれません。小さいでしょ。となるとトラクターも小さく、かつまたファームのメイン機も、ながらく24馬力でした。カワイイ。
鎮圧ローラー「鎮圧くん」も同様ですが、中~小型生産者・トラクターでDGRを実現したい。その恩恵を中~小型生産者も享受したい。これはワタシの悲願でもあり、きっと同じ願いの生産者が全国に数多く存在する。ワタシだけの課題ではない!
そう考えるわけです。なので、播種機も「小型トラクターに適合し、かつ小型生産者の投資としても魅力的(コストパフォーマンスが良好)なものを選定したい。そして実績を提示したい、という前提があります。
今回、私たちが選択したのは「みのる産業 PWT-121A」。
税込価格が30万を切るのは小型生産者にとっては嬉しい。もしこれが田植え機の代替えになるのなら、機械投資も削減できます。
とは言え、標準装備の4連装播種だと、条間は40㎝(作業機幅による)。
あまり長期に渡り地面が露出しているのも除草的には上手くない。ということで、今回は1発増機して5連装、条間30㎝強でトライ。
※2025年は更に1機増機して6連装でトライの予定。早めに地表面を覆い、雑草の光合成低下、抑制を図りたい。
ロールの穴径を選択、播種ピッチは調整する必要があります。
私の場合はにじのきらめきで、穴計10。ピッチは13㎝。反当り投下量は4キロ弱となりました。他の品種を用いる方はご自分で計量して確認してみてくださいね。
ここまでの全国のデータで、この栽培での播種量については6キロ程度が良好な結果を出していたので、若干少なくも感じましたが・・・、大きな問題ではなかったようです。
ちなみにPWTで播種する場合、外周は3周回りがおススメです。
播種機はロータリー装着で、1次鎮圧済みほ場に、浅耕起10~8センチでロータリーを固定し、種もみ深度は2~5㎝を狙います。これは播種機側で調整します。
理想は2センチですが、かつまたファームの場合、若干深く入って5㎝程度となったようですが、発芽揃いには大きな問題はありませんでした。(今作はもう少し浅く!)
播種作業を終えて、すぐさま2次鎮圧。再び鎮圧くんの登場です。1次鎮圧の際には、軽い轍(わだち)が見えましたが、播種には問題ない程度。2次鎮圧までかけると、タイヤパターンが見えるくらいまで、平滑・平坦な天面が仕上がりました!これは表面処理土壌処理の除草剤も良く効きそう!
また、鎮圧後のほ場を見ると・・・。周辺のほぼ同条件の畑地(もと水田)と比べると、表面が乾きにくく、常にじっとりとしています。鎮圧では、毛細管現象により、地層下部の水分が上がり、表面を保湿する、と言いますが、現場で見ていると、確かにそうだな、と実感することができます。この水分保湿が、発芽揃いにも重要なのだと考えます。
種子処理
若干前後しますが、種子処理について。塩水選からスタートですが、皆さん塩水選は手慣れたものだと思います。
私は既定の塩の他に、ここに2価鉄(アイアンガードアクア:バイオシードテクノロジー)を5000倍混和します。
2価鉄はヒドロキシラジカルの生成により、菌種を問わない、強い殺菌能を発揮します。ある程度の殺菌も、塩水選に合わせて行ってしまう、ということです。
塩水選後の種子は流水で塩分を洗い流し、処理を進めます。
本年のかつまたファームでは
①ヨーバルシード、エバーゴルシール、ルーチンシードの3種。殺虫、殺菌で箱処理剤を使えない為、ここで装備を持たせる感じ、でしょうか。キヒゲンなどを利用した生産者も多かったようですね。
②同時にマイコス菌根菌を混ぜてします。量については一般推奨量の2倍で混和します。これは殺菌剤との混和時の推奨です。
こんな感じ。本年はわずか13アール分の種子なので、バケツで混ぜる、という簡単なやり方でした。
最初の土壌処理 除草
これは節水栽培に限った話ではありませんが、いわゆる乾田直播、その後湛水栽培に移行する場合でも、最初の土壌処理は重要です。
発芽し、芽が地表から頭を出す前に処理したい。
2024年、かつまたファームの選択は
①トレファノサイド乳剤 ②マーシェット乳剤 ③ラウンドアップ 3剤混合。
このラウンドアップが、動き始めた初期の雑草処理に効果がある。が、稲が発芽してしまえば、稲にも効いてします。
だからこそ発芽前にラウンドアップ。ついでにその後続雑草対応の土壌処理剤を利かせたいのです。
4月上旬播種では、発芽まで30日を見込む例もあるようですが、今回は播種が遅めの5月上旬、2価鉄処理も聞いたのか、芽の動きが早く、2週間程度で慌てて除草剤散布をしました(汗)
定期的に芽の動きは、現場で確認したほうが無難でしょう。積算温度も確認を怠らず。
2023年は、マーシェット+ラウンドアップで利用する生産者が多かったようですが、父の粗放な米作りで、一定のシードバンクの蓄積が予想されることから、ワタシは土壌処理剤2剤混合という選択をしました。
生育刺激 バイオスティミュラント
5月中には、無事発芽を見ることができました。鎮圧ローラー、良く効いています。
基本湛水はせず、走り水も最小回数に抑える予定であったため、ここからは、①いかに生育を促進するか。 ②高温耐性や旱魃耐性を高めるか。 ③必要に応じた追肥を行うか。
この3点がポイントになります。
葉面散布を兼ねた農薬散布と、除草剤散布は定期的に行う必要がある為、この部分は慣行移植水稲より、「若干の工程増」です。
私はセット動噴に遠距離噴射ノズルを用いました。鎮圧で土壌表面がしまり、かつ平滑なので、作業重度は決して高くはありません。
実に歩き易い!
バイオスティミュラント的な刺激は月1~月2くらいは継続していきたいですが、基本的な形だけ、お伝えしておきましょう。
【除草パターン】
選択性の茎葉処理剤は必要になります。除草剤として・・・
①クリンチャーバス ②ワイドアタックSC ②ロイヤント乳剤を構えて。結局ロイヤントは不要(ある程度抑えられている)と判断し、使用したのは②まで。
ここの混和するのは「ラメオ2号」。ノドサムを含む海藻クリームを高濃度で含んでいますが、これらには除草剤による成長の停滞を軽減する効果があると言われています。大豆では特許があるそうな。
それから別海汁。メタン発酵消化液ですね。こちらは薬液の浸透を高めるため、除草剤の効果発現をブーストする目的です。
適期を逃さず、早め早めで処理を追っていくことが必要です。1年前に手痛い思いをしているので、ここはかなり神経を使いました(笑)
【薬液・葉面散布パターン】
ポジティブストレスのスターターとして「イーストガード(βグルカン細胞壁断片)」、「アイアンガードアクア(2価鉄)」、「K3NEO(鉱物スラリー)」この3種はバイオスティミュラントの「基本のキ!」としてほぼ葉面散布に混和していきます。
他に分げつ促進のアミノ酸資材としては「ファーティグレインフォリア―(味の素)」。農薬と混和して問題の無い資材ばかりなので、カメムシ防除でも、ウンカの防除でも、基本混和してしまいます。
ひとつの作業に置く意味。この意味を2重にすると、人権費コストは半分になる、という考え方を、ワタシはします。せっかく段取りして時間を割くなら、「殺虫の為だけ」の作業って、もったいなく感じてしまいます。
オマケで言っておきますが、湛水なしで栽培するなら、スリップス(アザミウマ)にもご注意ください。湛水しない、ということは生息する生物層も変わりますので。
アザミウマ注意、紋枯れ注意、は頭に置いておくと良いでしょう。
【2024年の追肥】
酸化型のほ場条件となります。また、もともと地力の蓄えもないほ場です。
12キロの窒素投入を行っていますが、「多分足りなくなる」という見立てをしていましたが、これについては予想通りの結果となりました。
分げつ期。色、丈が来ない。このタイミングで硫安。窒素4キロ分投入しました。
出穂期。色、丈、来ない。SPAD値も低く推移。このタイミングで尿素。窒素4キロ分投入。
このくらいの投入で、どうにか通常稲作と同等の姿、という印象でしょうか。
結局成分20キロ投入です。
なんだよ、節水栽培って、めちゃめちゃ肥料コストかかるのかよ!っておもわれましたか?
実際はそんなことはないと考えています。
我が御殿場市は、静岡県内のトップブランドを誇る良食味米の産地ですが、その栽培体系は、地力維持の堆肥投入などを行わず、「土の痩せた状態」で、投入元肥も米糠由来の優しいものを少量。従って収量も伸びないが、たんぱく値が低く、食味は良い、というスタイルの産地なのです。わが父もそれに従い、非常に土が痩せた状態であったと言えます。
それに対して麦輪作もデントコーン輪作も、地力はマックスに近く、通常稲作では倒伏まっしぐら、という環境です。
ここにヒントがありますね。
ご自分のこれまでの水田管理を振り返ってみて判断してください。
地力維持の有機物投入を続けてきたグループは、適切な施肥で十分。
それを行っていないグループはまず地力窒素の投入を前提に考えるのが良いでしょう。
2025年のかつまたファームの計画では、かなり早い時期の鶏糞投入。元肥ベースは控えめのウルトラエックスとニューグリーンがリリースするコート肥料を中心に組み立てる予定です。
ニューグリーンの新しいコート肥料は、この節水栽培に適合した溶出ラインを意識したもの。内容的には一般的な水稲用コートに近く、窒素がメインで、リンカリは低く設定されています。この分は軽くリンカリを足してやりたい。鶏糞が投入されていることを考えると、特にカリは多少追加しておきたいですね。鶏糞により、リンが投入されるのはありがたいですね。
菌根菌とリン吸収
リン、リン酸の話をしましたが、リン酸は重要な要素で、菌根菌を初めて利用される方は意識して欲しいし、注意して欲しいと思います。
菌根菌は、植物と共生関係を構築します。菌根菌は植物から老廃物・糖を受け取ります。お礼、というか交換として、リンを植物に運びます。リンは鉱物なので、そのまま運ぶことができないため、水と一緒に運ぶ。
これが旱魃耐性を向上させるメカニズムの一つです。
なので、上手な菌根菌との共生が作られた圃場は、リン酸数値が緩やかに低下していきます。あなたの圃場や地域がリン過剰気味であるなら、当面は心配なく栽培していけば、数値が強制されていくでしょう。
逆に、さほどのリン酸数値でないならば、やはりリン投入は意識して欲しいところです。水田コート肥料に依存した作を続けた生産者が、「最近急に取れなくなった」というケースを当たると、リン欠乏となっているケースが見られます。
必ず植物が持ち出した分だけ減るのです。菌根菌は広く樹状のネットワークを形成し、水分とリンを運んでくれる為、「リンが十分に吸えている姿」を見せてくれますが、その際にはそれだけのリン酸が圃場から利用され、失われたことは頭にいれておいてください。
ちなみに、先述したβグルカンや2価鉄、スラリー混合の通称3種については、まったく異なるメカニズムで旱魃や高温耐性を高めます。
これらは、基本的にはポジティブなストレスを植物にかけることにより、強制的に発根を促進させる資材です。
発根は、第一に根量の増加による吸水力の向上。
第二に、新規の発根は根冠からの有機酸分泌を促し、リンや金属系微量要素の吸収を促進。また、連動し植物ホルモンの分泌を促します。
「根が進む。すると地上部も先に進まざるを得ない」というと、なんかネガティブな表現に聞こえてしまうかも知れませんが、根がリードするケースもあるし、地上部がリードするケースもあるとはいえ、どちらも均等に対応して成長しようとするのが、植物の自然な生理なのです。
水管理について
初期の管理。特に発芽前から発芽直後くらいまでは、鎮圧による保湿、地下水分の利用でさしたる問題はない、と見えます。そもそも植物の要求が小さい植えに、まだ気温や蒸散が活発な時期ではありません。5月に異常な旱魃、というケースも、近年では「無いとは言えません」。
乾きすぎ、と思えば走り水。特に分げつには一定の水分が必要なので、ここで天水が足りないと感じれば、躊躇せずに走り水をかけましょう。
2024年のかつまたファームの栽培では、梅雨明けまで走り水はしていません。遅めの播種の為、分げつ期には十分な降雨があったためです。これは天候・気候を見ての判断で良いでしょう。
生育期の多くに「梅雨」という天水に恵まれるのは、この国の稲作にとっては、節水をするにせよ、メリットだな、と感じています。
梅雨明けの頃には出穂。
このころには株も大きくなっています。一日当たりの要求水分量も増大しています。湛水により育てるという経験を持っていると、稲の水分要求量の変化に鈍感になってしまうところがありますが、一株あたりの要求は、後半に向かうにつれ、増大していくのです。しかも、本格的な夏に突入し、気温も上昇している。
その為、梅雨明け後に長く晴天が続く場合、ぜひ朝の葉露を観察していただきたいですが、躊躇せず走り水をかけましょう。毎日である必要はありません。保湿と水分供給分で良いのです。
2024年。良好な成績を出しているヤマザキライス・山崎さんなどは、2024年の気温、降雨なら、10回かけても良いかも、とおっしゃっていました。
かつまたファームは雨の多い御殿場(全国平均の1.5倍)で2回でしたが、4~5回はかけても良かったかな、と感じています。
収穫について
まずしっておいていただきたいのは、収穫適期になっても、葉色は、移植水稲経験者のしっている「秋落ち」で、脱色した状態にはなりません。
菌根菌との関係性によるのか。細根中心の活性の高い根域が維持されるからなのか、「まだ随分青めに見えるけど・・・」という状態で収穫適期を迎えます。
きちんと圃場でモミ水分を確認して収穫適期を逃さないように注意してくださいね。
稲刈り・コンバインについては、ずいぶん楽ですね。鎮圧済圃場であり、土を練る、という工程が入ってない為、雨後でも通常よりは無理のないコンディションが整い易い、と言う点、個人的には気に入ってます。
収穫後
できたできた。取れた取れた。
とほっとする間もなく、この後が大事です。
推奨は、パラコート系除草剤の散布です。グリホサートも良し。
パラコート系はこぼれた雑草種子に処理されることで、種自体にアプロ―チすることができます。
一般的には植物のかかった部分だけを枯らす、非選択性茎葉処理の除草剤と認知されていますが、この種子に効く、と言うのがポイントなのです。
移植水稲においては、湛水状況で活躍する、すぐれた除草剤が多数あります。
これは、見方を変えると、「優れた対処療法薬剤が揃っている」とも言えるのです。
根治したいなら・・・なにをする?
そもそも原因はナニ?
それは土壌中に蓄積された、幾年も年月を越える能力を持った雑草種子の貯金、「シードバンク」です。
雑草が顔を出してきたから、一生懸命除草剤で殺す。初期はどうしてもそう言ったアプローチが必要です。
が、次第に省力化に進むためにも、きちんとこのシードバンクの密度低下に取り組むことが、必ず結果として「省コスト・高収益」として、生産者に帰ってきます。
繰り返しますが、稲刈りが終わってホッとしないでください。そこでホッとしてしまうと、ずーっと、「頻繁かつ高コストな対症療法」に追われることになります。それではDGRに取り組む意味が出てこないですよね?
今作に向けて
2024年 かつまたファームの実績としては、反当収量で6俵と少し。少な目に感じると思いますが、これは実は当地域ではごく普通の収量なんです。
先述の通り、2025の作では地力投入を行い、収量の上げに入ります。
等級は2等。これは「籾混」でした💦。
昨年稼働しなかった籾摺り機の調整をしているうちに籾摺りが終わってしまい、籾根を取り除く前に調整が終わってしまいました、「ま、いっか!!」ということで検査に出してしまいました^ ^
カメムシ害や乳白もなく、籾混さえなければ1等、とのお言葉はいただいて帰りました。
食味スコアは74。これももう少し出したいですね。2025は炭素施用(別で詳細をお伝えします)を有効に行うことで、食味としても、まだまだ上振れが可能だと、言うところでしょうか。
今後のDry Growing Riceについて
全国的な成功者や、世界的な潮流を見ても、ザルビオや、それに伴う連動可変施肥の導入は前提となってくるでしょう。
しかし、中山間の小規模農業者にとっては、まだハードルは高いと感じています。
2024の報告を取りまとめると、DGR(マイコス米•DDSR)による、面積当たりの投入時間削減においては、トップの例で7割カット。少な目に見積もる経営体でも3割カット、と言うように聞こえてきました。かつまたファームでは、特に散布系で各種試験を手厚く行なった点や、中山間特有の畦畔の多さから「5割は行くか。せめて4割以上は削減したい!」というのが現在の感触ですが、様々な効率化で、まだまだ上を目指せそうです。
個人的には「モグラの穴の補修」を完全に度外視して稲作ができたことは、中山間生産者としては一番嬉しかったかなぁ•••。
今後は、多くのプレイヤーの参入障壁を除去するお手伝いなどを手がけながら、自社経営の新しい柱、新規の柱として稲作を育てていきたいと思います。
3eyes agri projectでは、生産者、技術者、科学者、それぞれの視点とノウハウを持ち寄り、生産現場の課題解決に資する提案をしていこうと思います。
ご覧になった皆さん。もし、こういう課題解決って、業界の発展にとって必要じゃないか!なんて懸案がありました、私たち3eyesチームにもお寄せください!お待ちしております。