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受肉したい(2Dで)ひとへ

ここ3年くらい、いわゆるバ美肉の肉体づくりに勤しみまくっていたところ色んな人に制作依頼のご相談を受けることが多くなり
大変ありがたい日々が続いております。

身内の絵描き仲間も受肉に興味が出てきたオーラを感じており、
相談されることも増えてきた感じがあります。
「ぶっちゃけ何から準備したらいいの?」的な質問に、
口頭で回答するのは難儀するので
受肉にあたって、(もっと言うなら誰かに肉体錬成を依頼するにあたって)「これを準備しといたほうが良いぜ」みたいなのと、
受肉周りの周辺ツールの話をしていこうと思います。
身内向けに書いていくつもりなので、ラフ~に文章を綴っていきます。
不確実な情報があったらごめんなさいね~!

●準備する道具(カメラ編)

受肉するにあたって、顔なり体なりの動きを
機械に読み取ってもらう必要がありますよね。
まずは読み取る機械(ハード)の方を
用意してもらわないといけないんですが、
皆さん結構お手持ちだったりします。

①Webカメラ
②スマートフォン( iPhone X以降の新しいやつ)
この内のどっちかがあれば大丈夫です。

このあと解説するトラッキングツールとの相性と併せて選んだり、追加で購入したり、買い替えたりしてください。

 ①Webカメラ

リモートワークの影響で、1年前より持ってる人が増えたかもしれません。実際、巣篭もりの影響で去年の4月頃はWebカメラの価格高騰がエグかったですが……
そんな高価なWebカメラじゃなくても、2000円程度のもので大丈夫です。

私が買ったのはこのモデルなんですが、十分動いて認識してくれています。

なんなら、トラッキングツールで使用する際はWebカメラの画質は低いほうが良いみたいな話もあったりするので

(こちらの動画はFaceRigの話ですが)ここは奮発しなくて大丈夫です。

高画質なWebカメラを買うより、
撮影するPCデスク周りの照明環境を整えるとか
眉毛の動きを読み取りやすくするために、眉毛の形を整えるとか
そっちの方にリソースを割いたほうが読み込みはしっかりしてくれると思います。

 ②スマートフォン ( iPhone X以降の新しいやつ)

もし貴方が、新しめのIphoneを持っていた場合、
Iphoneでも顔の動きを読み取ることは可能です。
特に、iPhone X以降の 顔認証・FaceID機能のついてるヤツには
「ARKit」っていう超高精度のフェイストラッキング機能がついてて、
Webカメラよりごっつええ感じに顔面の動きを読み取ってくれます。
具体的に言うと、顔を大きく動かしてもトラッキングが外れにくかったり
舌を出したり、頬を膨らませる動きも認識してくれます。
受肉するモデルで舌を出したり、頬を膨らませたりしたい場合は、
依頼する最初の段階でイラストレーターさんとLive2Dモデラーさんに
お願いしてみましょう。

Q.新型のIPadはいかんのんけ?
A.いけなくもないです。
 実際私はIpadPro第4世代を持ってて、動作確認に使っているんですが
 Ipadはデカすぎて、配信時とかに置き場所に難儀すると思います。
 立て掛けて置いておけるIphoneが丸いちゃうかな~

Q.Androidや iPhone X以前のIphoneはアカンのんか
A.アカンくは無いんですけど、使えるトラッキングソフトの択が狭いです。
 それと、昨今のゴリゴリ動く高水準モデルに目が慣れてると、
 顔の読み取り範囲や可動域がしょっぱいです。
 「金欠学生でミニマムな感じでもいいからとにかく受肉したいんや」
 みたいな方以外はこの択は外したほうが良い気がします。
 「スマートフォンをWebカメラに代用するアプリ」とかも
 あるんですけど、国外のアプリにカメラ機能の権限渡すのもな~
 みたいな怖さもありますしね~
 逆に良いところもあって、メチャ手軽なんですよね。
 「ガチゴリに配信とかするつもりはないんだけど、
 スマホにうちの子(看板娘)を連れて色んな所に行きたいわ~」
 みたいな人には、金は掛からんわ、手軽だわ、持ち運べるわで
 かなり相性の良い選択肢になると思います。


自分のIphoneが 「ARKit」に対応しているかどうかは、こちらのブログを参考にしてみてくださいね~

 カメラ編まとめ

準備物のカメラ編としては、おすすめ度はこんな感じです。

Iphone(X以降の新型)>Webカメラ>Android, Iphone(X以前)

「ちょうどスマホを買い換えようと思ってたのよね~」って方は新型のIphoneで、「そんな新型持ってへんわ!」という方はWebカメラを買うのが良いかなと思います。


●準備するツール(トラッキングツール編)

カメラ(ハード)の次はツール(ソフト)です。
カメラだけでは顔の動きをPCに読み込ませることはできません。
カメラの映像をツールに読み込ませて、
ツールの力で肉体(モデル)を動かす必要があります。

さっきのカメラ編では、
①Iphone (X以降の新型)
②Webカメラ
③Android, Iphone(X以前)
の3択を挙げましたが、カメラの種類によって

使えるツールの選択肢が変わってきます。

実際にはこんな感じです。

・Iphone (X以降の新型)
 …Vtube Studio、2DR 、nizima LIVE
・Webカメラ
 …Vtube Studio、Prprlive、Animaze 、FaceRig 、nizima LIVE
・Android
 …Vtube Studio、2DR
・Iphone(X以前)
 …2DR

あと、絵書き的にはクリッピングバグやマスクの反転のぼやけだったりの
制約が少ないVtube Studioやnizima LIVEがオススメです……!
使用するソフトによって、絵のレイヤー構成やモデリング方法、
自由度に大きく影響が出るので、
モデラーさんや絵描きさんには事前に伝えておいてあげてね!


順番に、各トラッキングツールの解説と雑感を
つらつら~と書いていきます。
用意したカメラと、選択肢にあるツールとを照らし合わせて
一番自分の使用用途に合いそうなツールを探してみてくださいね~

 1.Vtube Studio

2021年9月現在では多分、2D(イラスト)用のトラッキングツールの中で一番つええヤツだと思います。
ドイツの個人アーティストさんが開発されてるみたいです。

スマホでもPC(Webカメラ)でもどっちでも使えるし、
高精度のフェイストラッキング機能「ARkit」にも対応しています。

●いいところ
ARkitが使える(X以降の新型Iphoneのみ)
OBSに映像を背景透過して出力できる
 ※OBSと透過背景出力については後で解説します
マウスカーソルの動きを読み取れる
・リップシンク機能が使える
アイテム機能がつかえる
・デザインがかわいい(やった~)
Webカメラのトラッキングの質が良い

技術的にどーのこーのでこう動く!みたいなのを説明すると
すんげ~長くなってしまうので、
Vtubestudioで最強になっている方を紹介しようと思います。

Q.アイテム機能って何?
A.こういうのです

透過画像とか、GIFをモデルにくっつけて(追尾させて)
表示させられる機能です。

美を追求したい人はVtubestudio一択だと思います。
そうでなくても今の所なら一番おすすめです。

完全無料ではなく、実際に使用するのには課金が必要です。
スマホとPCをWifi接続させるのに3000円ほどかかります。
また、PC版でWebカメラ機能を使う際も、
画面に映るマスコットキャラを消すのに、
1520円のDLCを買う必要があります。
言うても元祖トラッキングツール!なFaceRigも、
通常価格は1480円+Live2D対応DLC398円で
だいたい2000円くらいしてましたのでね
技術も進歩してるし、こんぐらいの相場やと思いますよ~

 2.Prprlive

メイドインチャイナなトラッキングツール。
Webカメラで顔を読み込ます方式です。
中国発なのもあって、中国発の動画サイトBilibili動画との連携が取りやすいみたいなのがウリかな~って感じです。

あとは、基本無料。個人的には顔を左右に振った時に
壁にぶつかったような描写になるのがちょっと気になる感じです。
たぶんスムージングとかの細かい調整をかけられないのが
原因だと思うんですが……

あと、動作の軽さが魅力みたいです。

・OBSに映像を背景透過して出力できる
 (ちょっと手間がかかる。http://doc.prprlive.peacha.net/jp/manual/6.Streamming_cn.html )
動作が軽い
基本無料(高精度トラッキング版が¥ 1,010)
・日本語に対応してるけど、細かいところが中国語のまま
・Bilibili動画のギフト機能と連携できる
・光源の設定ができる(難しかったので私は触ったことないです)
・マウスカーソルの動きを視線に反映させられる

ギフティング機能は、ギフトを貰えると
上から物が降ってくるっていう機能みたいです。

かわいい~!

 3.Animaze

FaceRigがサポート・販売終了になり、その後継として登場したAnimaza。
「昔はFaceRigが主流で、その後継があるならそれにしとけばいんじゃね」
みたいな人はちょっと待ってくれ。
ぶっちゃけモデラー的には対応に難儀するツールだったりするぜ。

・元々3Dモデル用に作られてる
(ので、Live2D用のVtubeStudioやprprliveには利便性にちょっと劣る)
・現在開発中の早期アクセスソフトなので、バグとかがまだある
・モデルを拡大すると他ツールに比べて画質が悪くなる
(AnimazeのLive2Dモデルの出力方法が原因らしい。
 調整できなくもないけど手間がかかるし微調整できない)
ので、あんまりおすすめしない。
絵描き的には逆マスクがぼやけたりクリッピング表示バグがあったり、
制約がキツかったりする。

基本は無料だし、モデルのインポートも無料になったので
気になる人は触るだけ触ってみてもいいと思う。
っていうか、初期から入ってる3Dモデル動かすだけでも十分楽しい。
柴犬とかいるし。

 4.2DR

Android、Iphoneの世代関係なくスマホで、
無料でLive2Dのフェイストラッキングができる。
「機材設備が整わなくてもVtuberになれる!」が
開発初期の売り文句だったな~と記憶しています。

基本無料(ARkit対応に2200円の課金)
・UIがとにかくシンプル(細かい微調整はできないとも言える)
・スマホに入っている写真、動画を背景にできる
・スマホしか持ってない人は、スクショを撮って落書きとか
 手軽に加工ができる
・前回の起動状態を保存しておいてくれる(Iphoneのみ)
 ※起動する度いちいちモデルを選ばなくていい

スマホ画面をPCに映す方法も探せばあると思うんですが、
よっぽどお金に困っているので無い限り、2DR主軸で配信をするのは
厳しいんじゃねえかな~と思います。
2DRの強みは「スマホで撮れる」だと思うので、
例えば起き抜けに2DRで#おはようVtuberの動画を撮ってみるとか
オフ会とか出先で自分のバ美肉体を簡単に見せられるとか
思いつきの実写+バ美肉動画をすぐ撮れるとか
そのへんになっていくんじゃないかな~と思っています。

西瀬もこのソフトのクラウドファンディングに参加したので、
実はクレジットに名前を載せてもらっていたりします。


 5.FaceRig

(すいません、過去にウソを書いていたので訂正します)
2021年末でサポートが終了するツール。
一応まだ買えるっぽいので書き記しておきます。

最初から買い切りのシステムで1480円。
元より3Dモデルを動かすツールなので、
Live2Dモデルを動かすのには追加で398円のDLCを買う必要があります。
たま~にセールとかやってて安く買えるタイミングがあったんですけど、
今は昔といった感じです。
動きの感じとか、レイヤーの描画制約はAnimazeと変わって無いと思う。

 6.nizima Live

この記事を書いてる途中にリリースされて頭を抱えそうになった。
ついこないだ出たんですよ(2021年9月末)
ついに登場したLive2D公式のフェイストラッキングツールです。
出ちまったよ………

・Webカメラのトラッキング制度ははっきり言って、
 初期設定だとそれなり……といった感じ
OBSの透過背景に対応
・Iphone版はARkitに対応。配信するならPC版との接続が必要。
・nizimaアカウントの作成が必要
 (多分、課金がnizima※経由なのと、
  コラボ機能のユーザー認識のためだと思われる ※Live2D公式)
かなり細かい挙動の調整ができる。初心者は面食らうレベルの細かさ。
 新型スマホでARkitで顔を取り込んで、
 PCに接続して挙動微調整すればかなり理想の動きをさせられるかも。
コラボ機能がある。
 同じnizimaLIVEを持ってる人同士でルームを作って、
 高画質でモデルとそのトラッキング情報を共有できる。
 このツールの強みの一つだと思う。
・PC版は基本無料、有料版は月額550円、年額5280円

 どうしてサブスク形式なんだ、公式ーッ!!!
 6ヶ月の利用するだけでVtubeStudioのフル課金額を超えてしまうぞ!
 6ヶ月引退するならこっちのがコスパいいかもしれないけど、
 そんな心づもりで事前準備してVtuberになるやつがおるかーい!
 無料版はウォーターマーク(透かしあり)、カメラ連続使用40分と
 配信で使うなら有料大前提って感じの使用だ。
 コラボ機能も無料だと5分までしか使えない。
 コラボ機能はnizimaLIVEのシェアが広がってやっと発揮できる強みなのに
 今のままじゃブルジョア用ツールで折角の機能が使えないよーッ!
 なんとか買い切りスタイルで売ってくれないかなあ。
 VtubeStudioと同じ3000円ぐらいだとありがたいんですけれど……
 月額プランはお試し料金ってことで、いいじゃあないですか……

コラボ機能は、要はこういうことができるってことです。

え、めっちゃいいな……
今まではDiscordにグリーンバックで画面共有して、OBSで場所調整して……
っていうのをしてたのが楽になるし、画質もキレイにできるってことですよ
乾物ひもの先生が開発に携わっているっていうのもあって、
メチャメチャ期待しているんだ このツールには
周りのVtuberも様子見してる人が多くてコラボ機能使えないんだ……
たのむよ……。

 おまけ.Mocape

現在制作中のフェイストラッキングアプリ。
そう、まだ使えないのである。
まだ使えないけど、一般公開されたら使ってみたいなあと
思っているアプリなので、要注目って感じで紹介します。

2020年5月、Mocapr開発中のツイートがあった時はそりゃあ衝撃で、
当時はウインクが綺麗にできるほど、Webカメラ(てかFaceRig)の
トラッキングは精度が良くなかったんですよね。
同じARkit対応のVtubeStudioの登場が6月頭だったんで、一歩早めにこのトラッキング精度を世にお出ししてたのはMocapeでした。

開発は遅れてしまっているようですが、
現在のトラッキングアプリ市場がVtubeStudio、prprlive、FaceRigと
すべて海外発の中、国産のトラッキングアプリで
使いやすく品質が良いのが出てきてくれるとすごく嬉しいんですよね……!
(サポートとか、アップデートの内容を日本人みんなが読みやすかったり、
 導入も日本語のほうがハードル下がったりしますよね)

それと、こちらの動画でも話されているんですが、
ARkit対応している機種より少し前の世代のIphoneでも動かせるらしいので
古いIphoneを大切に使っている人にも朗報なのでは……!?

(31:45 iPhone SE 第二世代で動くってマジ?)
え!全然遜色なく動くやん!すご!
開発ノートでは月額500円のサブスク形式を予定と書かれているのが
気掛かりではありますが……(国産ツールみんなそうなんかーい!)



●配信画面を準備する

カメラを用意した、モデルを準備した、トラッキングツールも用意した
となれば、あとはどうやって配信画面をみんなに見せるかですよね。
Discordでトラッキングツールを
そのまま画面共有するだけなら準備はいらないんですが、
ゲーム画面をモデルの後ろに映したいよ~とか、
お絵かきツールをモデルの裏に置いて
Youtubeとかニコ生とかpixivSketchLiveで配信したいよ~ってなると
別の準備が必要になります。

そう、OBSです。

ようは、このソフトの中にスタジオみたいな空間を作って、
ここにゲーム画面を配置します、ここにモデルを置きます、
ここにコメント欄を随時流せるように配置します~
といった風に設定して、撮影したスタジオ風景を配信することができる
フリーソフトです。仮想カメラとか言われるらしいです。
この説明で良いのか?この辺は専門ではないので、
正確性は保証できないんですが……

導入方法は詳しいサイトがようけあるので、そちらを参照してもらいつつ

こいつを使いこなせるようになれば、
バ美った肉体でいろんな事ができることうけあいです。

前のセクションで何回か「OBSに映像を背景透過して出力できる」と
強調してオススメしてたツールがあったかと思います。
ツールによっては、
①最初からモデルの背景を透過した状態でOBS内に取り込めるもの
②背景透過してOBSに取り込むことができないため、
 OBSのフィルター機能(クロマキー)で背景色を抜かないといけないもの
以上の2パターンがあります。
といっても、最近主流のツールは①が標準装備になってるんですが、
かつて主流だったFaceRigは背景透過で出力できなかったので、
難儀していたんですね。
最近のツールはすげえよ……… すげえんだ……

数多のハードルを超えれば、
晴れてバ美肉完了です!おめでとうございます!
良いバ美肉ライフを!


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