脳の病気と止血の重要性
今回は脳の病気のお話をします。
脳の病気というと、どのような病気が思い浮かぶでしょうか。
脳出血や脳卒中、脳梗塞、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病など大きな病気が思い浮かぶかと思います。
その中でも、脳出血や脳卒中などの脳血管疾患は、脳卒中・循環器病対策基本法等※1の政策により低下傾向を示していますが、高齢者の増加やがんと新たに診断される患者さんの増加等により、全体として脳の病気の患者さんは多い状態が続いています。
これらの脳の病気に対して内科的あるいは外科的に治療が行われていますが、今回は脳の手術における止血について説明したいと思います。
脳の概要
まず、脳は頭蓋骨の中にあり、ヒト成人の体重の約2%で、1.4Kg程度の重さがあります。
脳はおおまかに大脳、小脳、脳幹の3つで構成されています。それぞれ異なる役割を担っており、人間の生命維持や行動に不可欠な器官です。
主な脳の病気としては、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血。アルツハイマー型認知症、パーキンソン病などが挙げられます。
脳の手術における止血の重要性
脳の手術では、出血を止めることが非常に重要です。出血が続くと、手術中の視野が妨げられ、術後に出血が再発すると脳の損傷につながる可能性があります。
そのため、脳の手術では、出血を迅速かつ確実に止める止血技術が求められます。現在、主に用いられている止血方法は、以下のとおりです。
焼灼止血:出血部位を電気やレーザーで焼いて止血する方法
圧迫止血:止血材で出血部位を押さえつけて止血する方法
血管内塞栓術:血管内にカテーテルを挿入して血栓を詰めて止血する方法
上記の他、近年では粘度があって流動性のある止血材も用いられています。
これらの止血方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、出血の状態や患者の状態に合わせて適切な方法を選択することが重要です。
今後も、脳の手術の安全性と効果を向上させるために、より優れた止血技術の開発が期待されています。
脳の病気は、高齢化やがんの増加などにより、今後も患者数が増加していくことが予想されています。そのため、より安全で効果的な治療方法の開発が求められています。