帰らんとくわ、今年は。
「またすぐ帰ってくるわ~」
そんなことを言って、実家の静岡を出た今年のお正月。
僕にとって、今年は大事な節目の年。
自分の進路が決まる年。
学生として残された最後の年。
もしかしたら、家族と一緒に過ごせる時間がきちんと取れる最後の年。
そんな一年を、
ちょっとむかつくほど親に聞かれるリビングの時間だった年の瀬も
チンしただけのカレーを食べながら、一人で過ごしている。
僕の2020を、家族はおそらく1割も知らない。
僕がPR会社に行くということは知っていても、
なぜ選んだのかは話してないし。
就活が終わった今もなぜ、僕がバイトもせずに
PCばっか触ってるのかは知らないし。
中学生の頃ドラマを見て、影響されたまま言ってた
「自分で会社やってみたい」と、また言い出してることも知らない。
実は、昔よく家に遊びに来てた
幼馴染と今、映像一緒に作ってるんだよね。
あ、そういえば家から出てないのに、全国に友達ができたんだよね。
意味わかんないでしょ?
こんな1年の中で、僕がしてきた選択。
人生においても1番2番を争う選択。
いざ話すってなったら恥ずかしいけど。
それでも、今年はちゃんと直接伝えたかった。
なんなら、家族旅行なんてほぼ記憶にないから
親孝行、おばあちゃん孝行したかったなぁなんて思ったり。
それでも僕は、帰らない選択をした。
弟の大学受験という、これまた大きな選択を邪魔するわけにはいかないし、おばあちゃんは元気そうに見えて、歳が歳だし。
もちろん、必ず先があるとは限らないけど
それでも、今じゃない。
意志ある選択は、必ず未来を照らしてくれると信じて。
でも大丈夫だと思うんだ。
そう決めた電話から、
母さんとのLINEは少しだけ増えたし、
おばあちゃんは返ってこれないからって2週間に1回手紙を書いてくれる。
弟には、実は学業成就のお守り買ってあるんだよね。
そういえば、親父から電話かかってきたのも4年間でほぼ無かったのに。
僕の意志が少し伝わったのか、
家族のつながり方も少しだけいい方向に変わった気がする。
22年間生きてきて、
あんだけすぐ怒る親父に一回も怒鳴られてない。
世界で一番好きな、母さんのカレーを一年も食べてない。
話が全くかみ合わない弟ともケンカしてないし。
大好きなおばあちゃんの、ちょっとめんどくさいおせっかいもない。
それでも、いつまでも帰りたい場所だから。
僕は帰らないぞ。
次帰るときには、もっと。
たくさん報告できるように、もうちょっと頑張ってみるよ。