スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん第二章~#21
こちらの続きです
『戦死者』
ドラゴンズリーチに戻ってきました。ついにドラゴン捕獲作戦結構です。
首長は用意を万全に整えてくれていました。ここがかつてドラゴンを捕らえていた場所だったんですね。
晴れ渡った空に向かってドラゴンの名前をシャウトすれば、現れるはずです。
教えられたその名前…オダハヴィーング!
間もなく、地響きと共にドラゴンの咆哮が空気を揺らしました。
きた!
現れました。古竜、オダハヴィーング!
ドラゴンの攻撃を受け、衛兵はパニック状態です。一人は空高く吹き飛ばされてしまいました。阿鼻叫喚飛び交う中で、パルグルーフ首長が声を張り上げて頼もしく指揮をとっています。
「落ち着け!落ち着け!倒れるまで伏せて居ろ!ドラゴンを中に誘い込め!」
これはドラゴンを倒す事が目的ではありません。矢を放ちつつ中の罠へと誘い込みます。オダハヴィーングは私を見つけるとポーチに降り立ち、火を吐きながら追いかけてきました。
ドラゴンの目的は、アルドゥインを負かしたドヴァーキン、この私なのです。
ガッシャ―ン!!
巨大な金属でできた罠が、ドラゴンの頭部を抑え込みました。
「まるで罠にかかったクマだ…」
頭部を押さえつけられたまま、オダハヴィーングは悔しそうに呻きます。人語を話せるようですね。尋問できそうでとりあえず一安心です。
「私が…船上でお前と戦いたいと願ったのは…過ちだったよ、ドヴァーキン。お前の…うむ…卑怯ではないグラーミンドル…戦略に敬意を表する」
そう言いながらも、
「私をこうも辱めるとは…ただでは済まさぬぞ」
怒りも隠しません。隙を見せると危なそうですね。
しかしこちらは威嚇に怯えている場合ではないのです。
「アルドゥインの居場所を知りたいのだな?」
オダハヴィーングによれば、ドラゴン達の間では私がアルドゥインに勝利したことで、アルドゥインの支配力に懐疑的になっているとのこと。パーサーナックスの言う通りですね。しっかりアルドゥインの面目を潰すことができていたようです。
「奴は力を取り戻すために、ソブンガルデへと向かった。死んだ定命の者達の魂を喰らうためにな。奴はそれをひた隠しにしているが…」
アーンゲールさんが言っていた通りのようですね。そうなると、どうやってソブンガルデに行くか、という話になるのですが…
「ソブンガルデへの扉は、当方の山地高くにそびえる古代神殿のひとつ、スクルダフンにある」
なんと、古代神殿にソブンガルデへ通じる扉が!?そこへ行けば、生きたままソブンガルデと行き来が可能ということでしょうか。
「これで質問には答えた。もう行ってもいいか?」
確かに有力な情報は得られました。しかし好き勝手させるわけにはいきません。
「約束してください。今後は私に従うと」
「アーム?従えだと?いや。二、ティード。お前がアルドゥインを倒したなら、その時には考えよう」
「おや。そうですか。ではその日が来るまで、そこでお過ごしくださいね」
礼して立ち去ろうとすると、
「ふむ…クロシス」
オダハヴィーングが呼び止めました。
「スクルダフンについて…ひとつ…言い忘れたことがある」
「聞きましょう」
「お前はドヴァーのスゥームを持っているが、翼がなくてはスクルダフンには永遠に辿りつけん」
なんと、スクルダフンへの道がない…?
「お前がアルドゥインを倒すまでは、ここを出られぬ。だが奴を倒すには私の力が必要だ」
「…乗せていってくれるということですか?」
つまり、罠からオダハヴィーングを解放すれば、背中に乗せてスクルダフンに連れて行ってくれると…
「このドラゴンを信じるのか?」
ファルカスさんは心配そうです。
難しいですね。捕獲までの間に犠牲になった衛兵たちもいますし、ついさきほど恨み節を向けられたばかりですから、そう簡単に解放する気にはなりません。
悩んでいると、宮廷魔術師のファレンガーさんがやってきました。
「信じられない!一体どれだけこの瞬間を待ち焦がれていたことか!」
目を輝かせながらドラゴンをしげしげ観察しています。そういえば彼はドラゴンの伝説を研究をしていました。生きるドラゴンをこれだけ間近で見るのも初めてのようで、興奮しきりです。
「許しを得られるなら、その、実験をさせてもらえるとありがたい。純粋に知識の向上に資するためだ」
オダハヴィーングが牙を剥き出しにしました。
「失せろ、魔術師、ドヴァーキンへの誓いを試すような真似をするな」
当然の反応でしょう。しかしファレンガーさんも引き下がりません。
「保障しよう。きっと俺には気づくまい。お前のように巨大なドラゴンには、痛くもかゆくもないだろうからな」
そう言ってドラゴンの脇腹のあたりに回り込みました。
「え、な、何をするつもりですか?」
慌てて後を追いかけます。様子を見守っていたイリレスさんもこれにはたまらず「ファレンガー、ひどい考えだわ。たとえあなたでもね」と呆れ顔です。
「うろこ…もしくは、少しばかりの血…見逃すことはないだろう」
どうやらドラゴンの鱗を剥ぎ、血を採取しようとしているようです。
「ジョール、メイ!そこで何をしている!」
オダハヴィーングの怒鳴り声が響き渡ったかと思うと、口から凄まじいファイアブレスが放出されました。
「ひいい!」
ファレンガーさんは走って自室に逃げ込み、しばらく椅子の影で頭を抱えてぶるぶる震えていましたが――
その後気を取り直したのか錬金術台で実験を開始していました。たくましい人ですね。結局素材は採取できたのかはわかりませんでした。
さて、答えを出さなくてはなりません。
オダハヴィーングを信じて解放するか否か…ひとつ言える事は、アルドゥインの元へ行く方法としては今のところ、オダハヴィーングの背中に乗る他に方法はないということです。
「私を誘い出して、閉じ込めたのはお前だ…疑われるような真似は何もしていない。そして信じてほしい。アルドゥインは支配者の器ではないと自ら示したのだ。私はもう従うつもりはない」
ふむ。アルドゥインとはもう決別すると宣言するわけですね。
「ここから出してくれるならば、スクルダフンへと導こう」
パーサーナックスは、かつてここへ囚われたヌーミネックスが自分の名を忘れるほど正気を失っていた、と語っていました。ドラゴンにとってこうして捕らえられ自由を奪われることは、何よりも代えがたいほどの屈辱であり、苦痛なのでしょう。
アルドゥインの側近とされる古竜オダハヴィーング。彼もまたこの罠の恐ろしさに白旗を上げたと考えてもいいのかもしれません。
衛兵に罠を解くようお願いすると、
「本気なのか?」
と何度も確認されましたが、覚悟は決まっています。もし裏切るようであれば、いつものようにドラゴンソウルを回収するだけのことです。犠牲は出てしまうかもしれませんが…
罠を解かれたオダハヴィーングは、方向を変えてのしのしと外へ向かって歩き出しました。攻撃の意志は見せません。
「約束通り、お前の命令を待つ。ドヴァ―だけに許された世界をその目で見る準備はできたか?」
どうやら本気で従属してくれる気のようです。
「信じますよ、オダハヴィーング!」
長い首の上にまたがると、巨大な羽を羽ばたかせながら空へと飛び立ちました。
スカイリムの上空の冷気を肌で感じていると、イリレスさんの声が聞こえました。
「あなたは、今までであった中で最高に勇敢な人間よ!でなきゃ、最高の馬鹿だわ」
パルグルーフ首長の声も聞こえます。
「キナレスがお導きくださいますよう!」
向かうはソブンガルデへの扉、古代遺跡スクルダフンです!!