スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん第二章~#10
こちらの続きです
『霊魂の確認』①
セプティマスさんの隠れ家に戻ってきました。
「セプティマスさん、お待たせしました!星霜の書を見つけました、辞典も持ってきましたよ!」
うわごとのようなものを繰り返していたセプティマスさんの目がきらりと光りました。
「渡すんだ、早く」
セプティマスさんはしげしげと辞典を見つめました。
「途方もないものだ。今分かった。封印構造が宰相の非整数次元に組み込まれている」
視覚的に分析し、何かを把握したようです。
「ドゥーマーの地なら留め金を緩める事が出来る。その血を持つものはない。みな死んだのだから」
「では、もう開ける事は不可能…」
「彼らの仲間の武具一式を集めれば、複製を作ることは可能だ。ごまかしだよ。彼らには予測できなかった事だ。彼らでさえもな」
『仲間』とは、ドゥーマーと血縁関係にある種族のことのようです。
「アルトマー、ポズマー、ダンマー、フェルマー、オーシマ―。彼らの血が必要だ。今でも生きているエルフ達が鍵なのだよ」
セプティマスさんは私に不思議な形をした機器を渡しました。
「この抽出器を持って行け。エルフの新鮮な血を集めるのだ。すべて集まったら戻ってこい」
はあ……え、私が集めるの!?
どうやらセプティマスさんへの借りはまだ返しきれていないようです。仕方ありません。旅をしていれば様々な種族の賊から襲われますから、そのうち多種多様な血液が集まる事でしょう。
「それにしても、なぜそんなにこの箱を開けたいんですか?」
「箱の中には心臓がある。神の本質が」
心臓、とは聞いていましたが…本質?
「私は生涯を星霜の書に捧げてきた。だが神のすべてを包み込む精神と比べれば、書が記す知識など一瞬の覚醒にすぎない。最後にそれに触れたのはドゥーマーだ。ネレバリンによって破壊されたと考えられていたが、私の主は違うと言っている」
「主って誰の事です?あなたは誰に仕えているんですか?」
「知られざるデイドラの王子、ハルメアス・モラだ」
「王子は代償を求める…彼の意志に従うことだ。殺人、意義の蔓延、疫病…秘密のためなら私は耐えることができる。そして彼は私をここに連れてきた。箱のところへ」
謎の解明のためにデイドラ王子に魂を売った、ということでしょうか…
「だが開け方を教えてくれない。非常に腹立たしいことだ」
まさかセプティマスさんがデイドラ王の信者だったとは…いよいよあの中にある『心臓』とやらがまともな宝物とは思えなくなりました。それでも借りは返さなくては…
隠れ家を出ようと出口に向かうと、
出口を謎の黒い物体がふさいでいました。うにょうにょとした無数の触手がうごめいていて気味が悪いです。
どうしようか戸惑っていると、
「近くに来い、面前へ」
あの、頭に響くような声です。デイドラ王と遭遇するたびに味わうおなじみの感覚に、ため息が出ました。
「…どなたですか?」
なんとなく予測はつきますが、一応確認してみました。
「ハルメアス・モラ。まだ見ぬものの保護者、未知のものを知る者。定命の者、お前をずっと観察してきた」
「なかなかのものだった」
おだててきます。これは裏がありますね。
「で、何が目的なんですか?」
「お前が支援を続けることで、セプティマスはさらに用なしとなる。奴はよく尽くしてくれたが、そろそろ終わりだ。黄泉の鍵箱が開いてしまえば、奴の利用価値は完全になくなるのだ」
黄泉の鍵箱…それがあの箱の名前なのでしょうか?
「その時が来たら、お前が奴にとって代わり、私の使者になるのだ。どうだ?」
いや、どうだ?って…
「嫌に決まってるでしょう。私はあなたのような悪いひとの味方はしませんよ」
きっぱり断ると、ハルメアス・モラは強くうごめきました。
「警告しておく。大勢がそう考えた。その全員の気力をくじいた。お前も永遠に逃れられない」
「大丈夫か?」
ジェイ・ザルゴさんが心配そうに見ています。
「ええ、慣れたものです」
気まぐれなデイドラ王に目をつけられて利用されるのも脅迫されるのも珍しくありません。
セプティマスさんの今後が心配ではありますが…きっと彼は自分の身の安全よりも知的好奇心を満たすことの方を優先するでしょう。デイドラ王の意のままに動くのは本意ではありませんが、セプティマスさんの生涯をかけた願望はお手伝いしたい。
ここは抽出機を使って血液を集めるしかありません。やるだけやってみましょう。