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②⑥『白獅子夢物語』
♰26 カルヴィン。
物心つく前に両親は事故で他界した。孤児院で育ったオレは、生まれつき魔力の高さが目立って忌み嫌われた。
幼いと感情の高ぶりにより魔力を制御できず、つむじを起こしたり窓ガラスを割るなどの現象を起こす。
人々はそれに恐怖を抱き、魔女の子だと勝手に思い込んだ。
孤児院の院長は両親をよく知っていて、オレを庇ってくれていたが、全てからは守りきれなかった。
街中から嫌われ、迫害を受けた。
ある日、振り上げられた石で右目を傷付けられ、恐怖したオレは魔力の暴走で相手を吹き飛ばして重傷を負わせた。
同じくらいの子どもだ。
親からオレは傷付けるべき存在だと言い聞かされて、手を上げたらしい。
世界には残酷なこともあるのだと、泣きじゃくるオレに院長は告げた。
「その左目で真実を見極めながら生きるんだ、カルヴィン。決して過ちを思い込んではならない。強くなれ」
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