③⑦『白獅子夢物語』
♰37 物語、再会。
昔々、月の向こうの世界に言い伝えがありました。
『獣の姿を借りる神がその森を守る。月の神の世界から無を司る魔女が現れた時、彼女の刃が獣の神を殺めて、森は消え去り大地は無となる』
それが初めはこうだと解釈されましたが、時代と変化とともに変わっていきました。
『森の主は、獣の神。獰猛な支配者。月の神に守られた世界から、聖少女は現れる。選ばれしものだけが抜ける短剣を手にして、森の神に突き立てた時、世界は変わる』
それが運命だと信じられました。
しかし、現実は違ったのです。
何故なら聖少女と呼べれたわたしも、レオと呼んだ森の神も、殺しあうことはしないと選んだからだなのです。だからきっと、言い伝えはこんな伝説になっているに違いありません。
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